薬剤師が派遣会社で働くメリットとは?選び方やポイントを徹底解説!

「勤務形態や時期を決めて働きたい」「高時給で働きたい」など、様々なニーズに合わせて働くことができる派遣薬剤師。派遣会社を通すことで、通常ではできない働き方や、メリットが沢山あります。

その一方で、「福利厚生ってどうなってるの?」「仕事の掛け持ちはしてもいいの?」など、様々な疑問の声があるのも事実。当記事では、派遣薬剤師のメリットやデメリットと共に、派遣会社を選ぶ際のポイントをご紹介していきます!

派遣薬剤師とは

「派遣薬剤師」とは派遣会社と雇用契約を結んだ薬剤師の事を言います。勤務先が雇用主である正社員やパートとは異なり、勤務先ではなく、派遣会社が雇用主となるのが主な特徴です。

その為、給与の支払いはもちろん、社会保険などの福利厚生や交通費、有給休暇などのすべてが、派遣会社の制度が適応されます

正社員やパートとの違い

派遣薬剤師と正社員・パートとの大きな違いは、雇用主と雇用契約期間です。正社員やパートは勤務先と直接雇用契約を結ぶため、雇用主は勤務先となり、当然給与の支払いや福利厚生も勤務先の制度が適応されます。

また、正社員は雇用期間に縛りが無いため、定年まで働く事ができたり、賞与や昇格、退職金などの制度も整っていることが殆どです。一方派遣薬剤師は、派遣会社が雇用主となる為、給与の支払いや福利厚生は派遣会社の制度が適応されます。

同じ職場で長い期間働ける事が正社員のメリットとも言えますが、子育て中のママなど拘束時間が長いと働きにくいと感じる方が居るのも事実。その点、派遣薬剤師は時間帯や曜日など勤務形態に融通が利くので、仕事と家庭の両立がしやすい事で人気です。

業務委託の薬剤師との違い

業務委託の薬剤師は、雇用主と労働者といった関係性とは異なり、個人事業主として直接薬局や病院と業務委託契約を結んで働きます。その為、派遣薬剤師には保証されている有給休暇や福利厚生など、労働者としての保護を受けられません。

派遣薬剤師の種類

派遣薬剤師にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴についてご紹介していきます。自分にはどの働き方が合っているか予め知っておくことで、派遣会社へ登録した際にスムーズに仕事探しに取り掛かることができます。

レギュラー派遣(一般派遣)

「レギュラー派遣」とは、同じ職場に長期に渡って勤務する派遣のこと。また、勤務時間や仕事内容も正社員と同様に設定されている求人も多くあります。長期とは言え、就業期間は1ヵ月から最長3年までとなっています。

スポット派遣(日雇い派遣)

「スポット派遣」とは、別名「日雇い派遣」とも呼ばれており、その名の通り1日単位で入れる派遣のこと。自分の都合の良い日に合わせて勤務日を設定できる為、転職する前に色々な職場を見てみたい人や、プライベートを優先したい人に人気です。

そんな「スポット派遣」ですが、2012年に労働者派遣法の改正により30日以内の派遣契約は原則禁止になりました。しかし、一定の条件に当てはまる方はこの方法で働くことができます。

  • 60歳以上の方
  • 雇用保険の適用を受けない学生
  • 副業として働く方(本業の年収が500万円以上)
  • 主たる生計者でない方(世帯年収500万円以上)

簡潔に言うと、「スポット派遣」で働かずとも安定した生活を維持できる方なら、この働き方が可能となります。

出張派遣

「出張派遣」は、薬剤師が不足している地域へ、出張して働く派遣のこと。多くの場合引っ越しが必要となりますが、住む場所などは派遣先の企業が準備してくれるケースがほとんどとなっています。

薬剤師は、都会よりも田舎の方が給料が高い傾向にあるので、高収入を得たい薬剤師におすすめです。

紹介予定派遣

「紹介予定派遣」とは一定期間(6ヵ月未満)派遣社員として働き、その後本人と企業の合意の元、その企業の「正社員または契約社員になる」といった働き方です。

業務に慣れたころに直接雇用に切り替える事ができるため、「まずは時短勤務などで感覚を取り戻したい」「社風が合うか見極めたい」といった方などにおすすめの働き方となっています。

派遣薬剤師の求人倍率や時給相場

ここでは、派遣薬剤師の時給相場や、有効求人倍率についてご説明していきます。現在の転職市場の状況判断がしっかりできるよう、時給相場などをしっかり把握しておきましょう。

薬剤師の求人倍率

薬剤師の有効求人倍率は1.88倍(令和3年8月時点)です。有効求人倍率は高ければ高いほど仕事探しが有利になりますが、近年では世界的な不況が引き起こされ、有効求人倍率もかなり下落傾向にあります。

ですが、一般の職業と比較すると人手不足の目立つ薬剤師は、求職者が就職しやすい状況であると言えます。有効求人倍率が低い時は、派遣会社を利用するほうが、効率的に自分に合った求人を見つける事ができるのでおすすめです。

派遣薬剤師の時給相場

派遣薬剤師の時給相場は3,000円~4,000円です。派遣薬剤師の高時給な理由の一つには、人手不足が挙げられます。慢性的な人員不足、正社員の退職で生じた欠員を補填する上で、即戦力となる人員を求める職場が多いです。

派遣薬剤師の代表的な職場

正社員と派遣社員では働ける範囲が異ってきます。また、業務内容も派遣先によってさまざまなため、各職場での業務内容の違いも把握しておくと安心です。ここでは、薬剤師が派遣で働くことのできる代表的な職場をご紹介します。

ドラッグストア

派遣薬剤師がドラッグストアで働く場合の主な業務内容は、顧客に合った適切なOTC医薬品の提案や、用法・容量や副作用などの情報提供です。第1類医薬品や要指導医薬品の説明は、薬剤師だからこそ対応できる業務になります。

OTC医薬品とは
Over The Counter(カウンター越しの)の略。
薬局・ドラッグストアなどで医師の処方箋なしに購入できる医薬品をカウンター越しで販売するかたちに由来している。

医薬品の説明や接客などの業務が主になるので、人とのコミュニケーションが好きな方におすすめです。また、ドラッグストアは全国に多数存在するため、勤務地や勤務時間など、希望に合った条件の派遣先を見つけやすい事もメリットです。

調剤薬局

派遣薬剤師の求人の中で最も多い調剤薬局は、求人数が多い分さまざまな条件の中から勤務先を選ぶ事ができます。また、研修制度が整っている大手の薬局などは、経験が浅い方や、ブランクのある方におすすめです。

派遣薬剤師が調剤薬局で働く場合、主に投薬がメインになる事が多く、派遣先によっては調剤や監査を担当する事もあります。しかし、深刻な人手不足を抱えている職場では、未経験者歓迎の求人になっていても、難しい業務を任されたり、激務な場合もあるので注意が必要です。

実際に働きだしてから、情報の相違が無いように、派遣先の状況を営業関係者に聞いておくと安心です。

病院

派遣薬剤師が病院で勤務する事は「労働派遣法第四条」により禁止されており、基本的にはできません。

ただし、以下の場合は例外により認められています。

  • 紹介予定派遣の場合
  • 産前産後・育児・介護休業者の代替

病院でも、産休や育休によって欠員がでた場合、派遣薬剤師の募集が可能です。しかし、この場合は求職者が復帰するまでの期間のみの勤務となります。

その他にも、一定期間働いた後、正社員になることを前提とした紹介予定派遣なら、病院勤務が認められています。病院での業務内容は、調剤薬局やドラッグストアと違いは殆どなく、基本的には残業もほとんどありません。

派遣薬剤師は、正社員とは異なり当直も無いため、家庭やプライベートも尊重しつつ働くことができます

派遣会社で働くメリット

こちらでは薬剤師が派遣社員として働くメリットをご紹介していきます。

正社員やパートと比べて高時給

派遣薬剤師の時給相場は約2,500円~3,000円となっています。正社員の給料を時給換算すると2,400円程度、パートの時給相場は約2,000円~2,500円程度な為、正社員やパートと比較すると派遣で働く方が、高時給と言えるでしょう。

派遣薬剤師の高時給の背景には、人手不足が大いに関係しており、ドラッグストアや調剤薬局では、急な退職者が出た場合に新しい薬剤師をいち早く確保する為、高時給の求人が多くなっています。

サービス残業がない

派遣薬剤師は、契約で勤務時間が明確に定められている為、基本的には残業が発生しにくいです。しかし、忙しい時など残業が発生するケースもありますが、時給制の派遣薬剤師は、働いた時間に対しての給料はきっちり出ます。

そのため、サービス残業は発生しません。また、契約時に定められていない残業を依頼された場合、断っても問題はありません。

期間を決めて働ける(短期間でもOK)

派遣薬剤師は、最短1ヶ月の就業が可能。就業期間を自由に設定して働ける為、「次の仕事が決まるまでの間働きたい」、「留学までの数ヶ月、まとまったお金が欲しい」と言った方にはまさに理想の働き方です。

勤務条件が自由に選べて家庭と両立しやすい

薬剤師が派遣会社で働く上で大きな魅力の一つが、「週2〜3日」、「1日3〜4時間」など、勤務時間や日数を自由に選べることです。そのため、自身のライフスタイルに合わせた勤務調整が可能になります。

家庭を重視して働きたい子育て中のママや、プライベートを優先したい人にとっては働きやすい環境と言えるでしょう。

面倒な人間関係がない

仕事をする上で人間関係の悩みはどの職業においても付き物です。しかし、派遣薬剤師が働ける期間は最長で3年まで。そのため、一つの職場で長年とどまり続ける事が無く、人間関係を良好に保とうと無理に気を遣う必要はありません

どうしても合わない人が居る場合は、派遣会社に相談し、職場を変える事も可能です。もし辞めてしまったとしても、新たな派遣先を紹介してもらえるのも派遣の魅力です。

ブランクがあっても仕事復帰しやすい

特に女性の方に多いのが、結婚や出産を機に退職し、「ブランクがあり復帰する勇気が無い」といった悩み。何年も現場を離れているといざ復帰した時、「前のように働けるのか」「忘れている事が多く迷惑を掛けてしまわないか」と心配な方も多いはず。

派遣薬剤師ならまずは時短勤務・週3日だけ、など無理のない範囲で働ける為、少しづつ感覚を取り戻せる事もメリットとしてあげられます。また、事前研修のある派遣会社もあるので、そういった派遣会社を選ぶと尚、安心して仕事復帰する事ができます。

正社員と同等の社会保障を受けられる

派遣薬剤師は、派遣会社と雇用契約を結ぶため、社会保険(健康保険、介護保険、雇用保険、厚生年金保険、労災保険)への加入が可能。また、福利厚生の充実した派遣会社であれば、そちらも適応される為「正社員と同等の社会保障が受けられる」といった安心感があります。

派遣会社のサポートが受けられる

派遣薬剤師は、就業先の企業との間に派遣会社が入ります。求人探しを始め、企業との面談・手続きについても、サポートを受ける事が可能。また、働き始めてから悩みが生じた場合に相談できたり、退職時の連絡を依頼する事もできます。

さまざまな職場を体験できる

就業期間が決まっており、一定期間ごとに就業場所が変わることが前提となっている派遣薬剤師は、さまざまな職場で経験を積む事が可能。積み上げた業務経験は、後の転職活動にも役立ちます。

雑務が少ない

投薬だけを担当したり、調剤や監査などに限定した仕事が割り振られたりと、ピンポイントで一部の業務を任せられるケースが多い派遣薬剤師。そのため、薬剤師の仕事をしていく上で副次的に発生する雑務を担当する可能性が低くなります

派遣会社で働くデメリット

派遣会社で働く場合、メリットだけでなくデメリットもしっかりと把握しておくことが大切です。こちらでは、よく聞かれるデメリットについてご紹介していきます。

働ける期間が決まっている(同じ職場に3年まで)

同じ企業で就業できる期間が定められている派遣薬剤師は、実際に働いてみて「環境や人間関係が自分に合っている」と思っても、最長で3年しか勤務できません。短期間で他の職場へ移れるといったメリットも、時と場合によってはデメリットとなってしまいます。

そのため、「同じ職場で長期的に働きたい」と考えている人には、派遣薬剤師はおすすめしません。

昇格がなく管理職に就きにくい

派遣薬剤師は、期間が決まっている為、管理職への登用が基本的にありません。また、投薬・服薬指導や薬歴記入など、基礎的な業務を任される事が多く、難易度の高い仕事を任される可能性はやや低いです。

そのため、薬剤師としての知識やスキルを習得し、キャリアアップを図りたい人は、少し物足りなく感じてしまうでしょう。

正社員に比べると福利厚生が充実していない

正社員とは異なり、派遣会社が雇用主となる派遣薬剤師は、記事の冒頭で説明したように、福利厚生も派遣会社の制度が適応となります。そのため、どのエージェントを選ぶかにより福利厚生の内容や充実度も変わってきます。

しかし、正社員だと受けられる退職金制度や家賃補助、資格所得制度などが、派遣社員だと受けられない可能性が多いです。そのため、派遣会社を利用する際は、福利厚生なども視野に入れ、自分の希望にあった条件で働けるかを確認しましょう。

派遣契約が打ち切りになる可能性もある

薬剤師に限らず、派遣社員として働き続けるには、契約期間ごとの更新が必要になります。場合によっては派遣契約を打ち切られてしまう可能性もゼロではありません。派遣社員を雇用するにあたり、企業側は派遣会社への手数料を支払う必要があります。

その為、直接雇用するよりも割高になる為、派遣薬剤師として安定的に働く為には「手数料を支払ってでも契約を継続したい」と企業側に思って貰う必要があるのです。

業務内容が偏る可能性がある

就業期間が決まっている派遣薬剤師は、担当できる仕事の幅も必然的に限られてきます。時間を掛けて患者さんたちと関係を築いていく必要のある、在宅薬剤師業務やかかりつけ薬剤師業務などはどうしても担当しにくくなってしまいがちです。

そのため、投薬のみ・調剤のみ、などと業務内容が偏る可能性があります

派遣会社の選び方・ポイント

登録しようと思ったけど、どこの派遣会社がいいの?

日本全国に約8万社ある派遣会社。派遣薬剤師になる為にいざ派遣会社に登録しようと思っても、「沢山ありすぎてどこの派遣会社がいいか分からない」と悩む方は多いはず。ここでは、薬剤師が派遣会社を利用する際の選び方やポイントをご紹介します。

  • 求人数は多いか
  • 希望の働き方ができるか
  • 社会保険や福利厚生は十分か
  • 就業中の教育・フォロー体制が整っているか

求人数は多いか

求人の多さは、派遣会社を選ぶにあたってとても重要です。求人数が多いということは、派遣先の種類も多く、労働環境も自分に合った職場を選びやすくなります

また、派遣会社と派遣先のつながりや、条件交渉のしやすさは、紹介実績数と比例すると考えるといいでしょう。実績は多ければ多いほど良いとされています。

求人の数や紹介実績数の多い大手派遣会社を選べばいいって事ね!

希望の働き方ができるか

単発や短期、時短勤務など、自分の希望の条件に合った求人の扱いがあるかを確認しましょう。自分の求める条件に合った職場に務める為には、求人数の多い派遣会社に登録するだけでは意味がありません

派遣会社それぞれの強みを理解し、希望の条件により多くマッチしている派遣会社を選びましょう!

仕事検索をする際には、希望条件を選択し、より求人数の多い派遣会社を選ぶ事がポイントになります。全国的に知られている大手の派遣会社は、派遣先とのつながりも深く条件交渉がしやすいのもメリットです。

社会保険や福利厚生は十分か

派遣薬剤師の受けられる社会保険や福利厚生などは、雇用主である派遣会社の制度が適応される為、派遣会社によって保障の手厚さが異なります。福利厚生は「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類。

「法定福利厚生」は法律によって定められているもので、社会保険を始め、健康診断・有給休暇・産休育休などが該当し、「法定外福利厚生」は企業が独自に定めたもので交通費や資格取得手当などが該当となります。

こちらの「法定外福利厚生」の内容によって、派遣会社の福利厚生の手厚さは大きく変わってくるので良く確認しましょう!

中には、スキルアップ支援やポイントが溜まるといった福利厚生を設けている派遣会社も。派遣会社によって研修や資格取得、育児支援など力の入れ方もそれぞれなので、内容を十分に確認しましょう。

教育・フォロー体制は整っているか

派遣会社を選ぶ際のポイントとして、就業中の教育やフォロー体制などの支援がしっかりと行われているかも重要になります。即戦力を求められる事が多い派遣薬剤師。経験が浅い方やブランクが気になる方は特に重視しておくといいでしょう。

そういった面からも、未経験者歓迎をセールスポイントとしている派遣会社や、教育制度の充実した派遣会社がおすすめです。

就業前に研修が受けられたりと教育体制がしっかり整っている職場だと、安心して現場に挑むことができそう!

また、業務上の事以外で何かトラブルが発生した場合には、基本的に派遣会社の担当者に相談する事になります。登録後のフォローは事前に必ず確認しておきましょう。

派遣会社は掛け持ちが可能

就職活動を行う際に、派遣会社を掛け持ちする事は可能です。掛け持ちをすることで、より多くの求人の中から、自分のニーズに合った職場が探しやすくなります。

また、派遣会社によって同じ職場の求人でも、内容に違いがある事がある為、比較することでよりよい条件の求人に応募する事が可能になります。

派遣会社の掛け持ちをする場合、あまり多くの会社に登録しすぎてしまうと、情報の整理などが大変な為、2~3社程度の登録が望ましいです。

派遣会社を利用する際の注意点

こちらでは、派遣会社を利用する際の注意点をご紹介していきます。

経歴・スキルは正確に書く

大前提ではありますが派遣会社へ登録する際、信用問題に関わる為、経歴やスキルは正確に書きましょう。経歴詐称などの問題が発覚した場合、内定の取り消しや解雇だけでなく、求人を紹介してもらえなくなるなど、今後の転職活動に大きな影響を及ぼします。

また、誤った情報を書いてしまうことで、就業後にミスマッチが生じ、あなただけでなく派遣会社の信用問題にも関わってしまいます。医師や薬剤師など、人体に関わる仕事の場合は特にシビアな問題になるので、正確な情報を伝える様にしましょう。

複数の派遣会社から同じ求人に応募しない

当記事でもご説明した通り、派遣会社は掛け持ちが可能です。しかし、同じ求人に複数の派遣会社から応募する事は避けましょう。応募先の担当者からすると同じ人から複数応募があると「手あたり次第応募しているのでは?」といった印象を与えてしまいます

また、派遣会社の担当者にも不信感を与えてしまい、最悪の場合求人の紹介をしてもらえなくなる事態にもなりかねません。複数の派遣会社に登録し、仕事を探す場合は、応募した求人内容などしっかり把握しておくことが大切です。

派遣会社を利用する流れ

こちらでは、薬剤師が派遣会社を利用する際の流れをご紹介していきます。スムーズに派遣会社を利用する為にも、事前に流れを知っておきましょう。

  1. WEBなどで会員登録
  2. 派遣登録説明会に予約・参加
  3. 派遣会社から求人紹介を受ける
  4. 派遣会社内で選考を受ける
  5. 職場見学(顔合わせ)
  6. 就業開始

1.WEBなどで会員登録

まずは登録!Webサイトから派遣会社に自分の情報を登録してください!

氏名・生年月日・住所・勤務先施設名やこれまでの職歴など必要項目に記入をします。

薬剤師専門の人材派遣会社や、医療従事者などの場合、仮登録完了から登録説明会までの期間に、薬剤師や医療従事者であることの確認が行われるため、登録の際は正確な情報を記入しましょう。

2.派遣登録説明会に予約・参加

Webで会員登録を受け付けていない場合、まずは派遣登録説明会の予約をします。Webサイトで登録した場合にも登録説明会の参加は必須となるので、予め頭に入れておきましょう。

登録説明会に参加しなければ、仕事の応募はできても最終的な紹介はしてもらえないので注意してください。また、今後の仕事紹介にも非常に影響するため、だらしない服装や、対応には十分気を付けましょう

登録説明会では、派遣会社の説明を始め、プロフィールや経歴の紹介、スキルテストなどが行われます。希望条件が定まっていない場合や、その時点で転職を迷っている方でも、コンサルタントがヒアリングした上で、アドバイスをくれます。

登録会の時点で、あなたの経歴やスキルがマッチする求人が有れば、その場で紹介しますよ!

3.派遣会社から求人を紹介してもらう

派遣会社への登録完了後、Webページにて求人に応募することができます。また、派遣会社側で保有している案件に適合していれば、直接電話やメールで求人を紹介してもらう事も可能です。

4.派遣会社内で選考を受ける

求人に応募した場合、または紹介された仕事に承諾した場合は、派遣会社内で社内選考が行われ、他の応募者と比較し、最もその案件に適している人を判断します。

5.職場見学(顔合わせ)

社内選考で通過した方は、派遣先企業での職場見学(顔合わせ)があります。派遣会社の営業担当者と派遣先へ行き、面談や仕事説明などが行われます

疑問に思った事などがあればここでしっかり質問し、派遣先企業とあなたの間で、情報に相違が無いようにするのがポイントです!

6. 就業開始

双方の合意が得られれば、派遣先での就業開始です。登録から就業開始までの期間は通常2~3週間程度の時間を要しますが、早い場合は3日程度で就業開始に至る事もあります。

これだけ分かっていれば、いざ登録する時スムーズにできそうね!

派遣薬剤師はこんな人におすすめ!

ここでは、派遣薬剤師に向いている方の特徴をご紹介していきます。メリット・デメリットと照らし合わせながら、自分に合っているかどうか見極めてみてください。

仕事と家庭を無理なく両立したい

子育てママに多い悩みが、「土日は家族と過ごしたい」「子供のお迎えがあるから残業できない」といった仕事と家庭の両立について。派遣薬剤師なら、突然の残業やシフト変更が無いため、そういった心配もいりません。

高時給で働きたい

派遣薬剤師の魅力はなんといっても「高時給」。派遣薬剤師の求人には、時給3,000円以上も珍しくありません。パート時給相場が約2,000円~2,500円程度なので、「とにかく高時給で働きたい」といった方にはおすすめです。

特に、薬剤師が不足している地域(郊外や過疎地)ほど高時給といった傾向があり、就業の為に引っ越しが必要な場合にも、住居を用意してくれる派遣先もあります。

ブランクがある

ブランクのある方に人気な派遣薬剤師。「時短勤務や週3日から」など自由に選べる為、「いきなりフルタイムで働くのは不安」といった方にもおすすめです。そのため、仕事復帰するにあたって不安のある方や、徐々に慣れていきたい方にぴったりの働き方になっています。

プライベートを大切にしたい

趣味や習い事など、プライベートも充実させたい人には、勤務形態も自身のライフスタイルに合わせる事ができ、「残業なし」で働くことができる派遣薬剤師はおすすめです。

時間を有効活用したい

派遣薬剤師は、就業期間に制限のない正社員やパートと異なり、派遣期間を決めて働くことができます。「本業が休みな週末だけ働きたい」「留学に行くまでの数か月だけ働きたい」など、ライフスタイルに合わせて働くことができる為、時間を有効活用できます。

派遣薬剤師のQ&A

こちらでは、派遣薬剤師のよくある質問をご紹介していきます。

Q1.他の職場と掛け持ちできる?

公務員薬剤師や管理薬剤師などの副業は原則禁止とされていますが、派遣薬剤師は他の職場との掛け持ちが可能です。収入が増えたり夜勤や日勤など時間を有効活用できるメリットがあり「複数の職場で効率よく稼ぎたい!」といった方には、派遣薬剤師がおすすめです。

一方で、残業代の割り増し料金が適用されなかったり、確定申告が必要になるといったデメリットもあります。通常1か所で1日8時間、週に40時間以上働くと、残業代に割増料金が適用されます。しかし、複数の職場での残業時間は合算できません。

また、仕事を掛け持ちすることで、月の収入が20万円以上になった場合、確定申告を行わなければいけない為、注意が必要です。複数の職場を掛け持ちする場合は、メリットだけでなくデメリットもしっかりと把握しておきましょう

Q2.派遣薬剤師の時給はなんで高いの?

薬剤師の時給が高い理由としては、やはり「需要に対して供給が少ない」という面が大きいです。薬学部が無い地域や、交通の便が整っていない場所にある薬局などは、欠員が出ても中々代替者が見つかりません。

そのため、高い時給を払ってでも人手不足を解消する必要があります。派遣薬剤師を採用することで、正社員だとかかる教育費用や福利厚生などのコストが抑えられるため、時給を多く支払うことが可能となっています。

しかし、即戦力を求められる事が多いので、ブランクがあり不安な方は教育制度などの支援やフォロー体制が整った派遣会社を選びましょう。

Q3.派遣薬剤師も残業はある?

派遣薬剤師は、基本的に残業は発生しにくいですが、忙しい時など、残業が発生してしまう場合もあります。しかし、派遣薬剤師は時給制なので、働いた時間に対しての報酬はしっかりと支払われるため「サービス残業」の心配はいりません

また、契約時に定められていない残業は断っても問題ありません。一方で条件に、「残業あり」となっている企業と契約を結んだ場合は、残業が発生する可能性が高いので、応募する前によく確認しましょう。

Q4.ブランクがあっても働ける?

派遣薬剤師は正社員のこなす業務内容に比べて、重要度や難易度が低い傾向にあります。その為、正社員で現場復帰する事に比べると、派遣薬剤師として働く方が、現場復帰の難易度は低いと言えるでしょう。

また、派遣薬剤師は、時短勤務で無理なく感覚を取り戻す事ができます。産休や育休でブランクがあり不安な方ほど、勤務時間などの融通が利く「派遣」といった働き方はおすすめです。

Q5.短期間だけの勤務はできる?

派遣薬剤師は、自分の都合に合わせた時間や日程で勤務する事が可能です。そのため、短時間勤務ももちろんできます。午前・午後だけ、子供のお迎えの時間まで、など柔軟に対応されている場合が多いです。

しかし、求人によって詳細な勤務時間は異なる為、しっかりと確認しておきましょう。

Q6.派遣でも産休や育休は取れる?

派遣薬剤師でも、産休や育休は取得できます。産前産後休業は出産日を含めた6週間前(双子の場合14週間)から出産後8週間の取得が可能です。産後休業は申請義務はありませんが、産前休業を取得する場合は派遣会社に自分で申請する必要がある為注意が必要です。

育児休業の取得には一定の条件を満たしている必要があります。

  • 同じ職場で1年以上働いている場合
  • 出産後1年経過した後も引き続き働く意思がある場合

これらの条件を満たしている場合に、1年間の取得が可能となっています。しかし、保育園など預け先が見つからない場合は、最長1年6ヵ月までの延長が可能です。また、育児休業は男性でも取得可能な制度です。

育休の取得には派遣会社への申請が必要になる為、取得する可能性がある場合は、ギリギリでは無くなるべく早い段階で派遣会社に相談する事をおすすめします。

Q7.地方で働く場合は住居付き?

派遣薬剤師が地方で働く場合、住居付きの求人は珍しくありません。また、引っ越し費用や渡航費なども、ほとんどの場合企業側が負担してくれます。時給4,000円~4,500円のエリアもあり、住む場所にこだわらず、「とにかく稼ぎたい」といった方には地方勤務がおすすめです。

しかし、時給の高いエリアは、やはり交通の便が悪かったり、生活する上で不便なことも多くなる為メリットだけでなく、デメリットもしっかりと把握しておく事が大切になります。

Q8.薬剤師って派遣禁止じゃないの?

薬剤師の派遣が禁止されているのは病院や診療所の場合です。ドラッグストアや調剤薬局であれば、問題なく働く事ができます。また、記事中でも説明していますが、紹介予定派遣や産休・育休・介護休業などを取得した人の代わりに働く事は可能です。

Q9.正社員と比較して年収が高いのはどっち?

正社員の薬剤師の平均年収は、30歳で450万~550万ほどです。それと比較し、派遣薬剤師でもフルタイム(1日8時間)で20日勤務したとすると、時給2,500円だと年収は480万円。3,000円だと576万円となります。

よって、正社員と比較した場合、条件次第では派遣薬剤師のほうが高い事になります。しかし、派遣薬剤師は働ける期間が決まっているので、期間満了に伴い次の職場に務めるまでのブランクなどが発生した場合、上記でお伝えした年収モデルは達成できません。

それに比べ、正社員は勤続年数が経つにつれ年収も上がっていくため、年相応に安定した年収を得たい方は正社員、短期間で稼ぎたい方には派遣がおすすめです。

Q10.コロナ禍でも派遣の求人はある?

コロナの影響で現在、派遣薬剤師の新しい求人はほとんどない状態となっています。こんな状況になってしまった為、多くの派遣薬剤師がパートや正社員に転職しているのが現状です。派遣薬剤師を目指すなら、コロナが落ち着き、求人が増えてくるのを待ちましょう。

薬剤師専門転職サイト

薬剤師を目指すなら、まずは派遣会社に登録しましょう!色々な派遣会社を利用し、選択肢を広げる事は大切です。また、どのエージェントを選ぶかによって、内容や充実度は異なってきます

薬剤師専門の転職サイトで紹介されている複数のエージェントを大いに活用し、あなたに寄り添った職探しをしてくれる派遣会社を探しましょう

薬剤師の転職サイトおすすめランキング – 医療系専門職転職案内 (dr-med-oben.com)

まとめ

この記事では派遣薬剤師のメリットやデメリット、派遣会社を選ぶ際のポイントなどをご紹介しました。ブランクなどで転職が不安な方でも、「薬剤師」という立派な資格を持っているなら、是非活かしたいもの。

派遣薬剤師なら、時短勤務で無理なく感覚を取り戻す事もでき、仕事と家庭の両立も可能になります。当記事が、派遣薬剤師を目指す方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

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