医師の診療科選択の基準は何?適性よりも働きやすさを重視したい!
医師の皆さま、今の診療科目を選んだ理由ってなんですか?これから医師を目指す人も何科をやりたいってありますか?
なんとなく内科っぽいなーとか外科向きだなーとかあるとは思います。
診療科選びは選んだ科目によって将来の働き方や働く環境が大きく変わるので重要なところです。
しかしどの科目でも患者さんに感謝されることは間違いないので安心してください。
ここでは医師たちがどういう基準で診療科を選んだのか見ていきましょう。
この記事を読んでわかること ・医師の診療科選びで重視すること ・人気の診療科、不人気の診療科 |
若手の医師が診療科を選択するときに重視したこと
日本医師会総合政策研究機構の「若手医師の診療科選択プロセスに関する調査」によりますと、医学部志願時と医学1〜4年時、医学部5、6年次、初期研修医時と4回に分けてアンケート調査を行っています。
興味・関心以外での診療科の選択理由は一貫して
- 休日・余暇等、自分の時間が取りやすいこと
- 結婚や子育てとの両立がしやすいこと
- 診療科や医局の雰囲気・人間関係が良いこと
の3項目が重視されていました。
女性に限っての場合は「結婚・子育てとの両立がしやすいこと」の割合が多かったとのことです。
男性は将来の開業のしやすさや収入を重視する回答が女性よりも多かったということです。
結果として、一般的に医者というと高収入になれるという「収入」が重視されているわけではないということでした。
もちろんそういうのを重視される方もいらっしゃるとは思います。
ですが、やはりライフワークバランスを重視する若者が多いですね。
誰でもライフイベントは発生するものです。
収入があっても結婚、出産などのイベントを疎かになるようだと働きつづける自信がなくなりますよね。
ただ、診療科や医局の雰囲気や人間関係を重視している点では良い職場で長く勤めたいという希望があると言えますね。
同じ働くなら良い職場でキャリアを積んでいきたいですよね。
結局はどこの診療科を選んだのか
最終的にみんなどこの診療科を選んだのでしょうか?
トップはやはり「内科」,次いで「外科」と続き、「総合診療」「小児科」「麻酔科」という順位でした。
内科は開業すれば町のお医者さんとして地域医療に貢献できますし、オンオフをしっかり分けやすいと言われいています。
外科はテレビドラマなどで憧れる方も多いですが、手術に興味ある方が多かったりします。
総合診療は多疾患の高齢者からの需要が高くこちらも開業しやすい面があります。
小児科は子供が好きな方が多いですが、夜間に呼び出しが多い面があります。
麻酔科は外来がなく手術に特化できるというメリットが挙げられます。
もちろん自分のメリットだけではなく、本当にその分野に興味が強くてやりたいと思って選んでる方もいらっしゃいますよ。
逆に不人気の診療科は?
もちろん元々志望されにくい診療科もあります。
アンケートで最初志望者が多かったのに最後すごく減ったなと思うのは「小児科」「精神科」です。
小児科は子どもが好きだけでは中々難しいかもしれません。子どもは自分がどういう状態なのか説明ができません。
泣いてばかりで何が辛いのか分かりにくいし親御さんも全てがわかるわけではありません。
それに子どもは少し手遅れになるだけで重症化しやすく責任も重大です。
素早い判断と幅広い知識が必要とされます。当然夜間の急な呼び出しなども他に比べると多かったりします。
精神科は患者さんの状態などによって負担が変わってくるようです。
錯乱状態であったり自傷行為や他人に攻撃するなどの状態の患者さんの対応はとても大変そうですよね。
原因が家庭環境であったり生い立ちであったり、薬ですぐに解決できない部分があります。
その分、患者さんの話を根気よく聞いたり、家族との関係を把握したり洞察力がかなり必要とされます。
まとめ:医師不足を防ぐには働く環境の改善を
内科などの人気診療科を目指す人は多いですが、目指す人は多くても離職の多い診療科もあります。
診療科の選択によっては仕事内容や負担が全然違ってくるのでどうしても働きやすいところに人が集まるのは仕方ないことです。
医師を目指す人は毎年どんどん増えてます。
人手は足りてくるはずですが、人気のエリアや職場に人が集まり地方などの医師が足りなくなってしまうという状態にあります。
色んな分野の医師を増やす、医師の偏在を解消するといった課題を解決するにはやはり働く環境の改善は必要になってきます。
都心に集まらなくても働きやすい環境があれば地方や地元で働く選択肢ができます。
どの診療科を選んでもそれなりに働く環境が整っていると志望する学生が増えてくるはずです。
そうなれば分野によって人手が足りないということも解消されるでしょう。
そして医師の人手が足りてくると、より働きやすい環境になっていきます。
どこの企業や分野でも近年ライフワークバランスが重要視されてきています。
医師だからプライベートを犠牲にしないといけないとかそういった時代ではなくなってきてきます。
ライフイベントの各種制度やチーム医療が進んで医療従事者たちが働きやすい環境を整備することが先決です。
そうなればもっと質の良い日本の医療が実現できると思います。