薬剤師の当直業務における業務内容とは?仕事のメリットを紹介
薬剤師には、当直といった勤務形態があります。当直とは朝から出勤して翌朝~昼頃まで勤務する勤務形態の事です。
主に入院施設のある総合病院等で当直業務が発生します。
当直業務って体力的に大変そうなイメージがある為なるべく避けたい業務ではないでしょうか。しかしそんな事は決してありません。
非常にやりがいのある勤務形態と言えます。
ここでは薬剤師の当直業務について詳しくまとめてみました。当直のメリットについても合わせてご紹介します。
薬剤師の当直の勤務内容
当直勤務の労働基準はどうなっているのでしょうか。
当直勤務は週1回までとされています。
当直勤務中は「十分な睡眠時間が取れるよう配慮すること」とされていますが、医療従事者の場合は当直中に急な患者対応に追われることも少なくありません。
その為薬剤師は短時間であれば当直中に調剤・服薬指導などの日中の通常業務に従事することが許容されています。
当直勤務中は労働基準法第32条が定める法定労働時間に含まれません。
労働基準法
第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
当直勤務のスケジュールの例
AさんとBさんのとある日の当直スケジュールは下記の通りです。
Aさんの場合
Aさんのとある1日のスケジュールです。
▼ 8時30分 出勤 通常業務開始
▼ 16時 休憩
▼ 17時 当直開始
・処方せん受付、、電話対応、注射薬の払い出し
▼24時 仮眠
▼ 3時 救急対応
▼翌日8時30分
・日報作成
退社(勤務翌日は振替休日)
Bさんの場合
Bさんのとある1日のスケジュールです。
▼9時:出勤、朝礼
▼11時:通常業務
▼13時:休憩
▼15時:入院患者への服薬指導
▼17時:当直開始
入院患者の点滴調剤、緊急時処方の調剤、カルテチェック
▼深夜0時:仮眠
▼深夜3時:救急患者への薬物療法計画参加
▼翌朝8時:日勤薬剤師へ引き継ぎ、業務終了
夜間に発生した緊急事態の対応や他にも、入院患者さまの薬が急に必要になれば調剤したり、医師や看護師からの質問に答えていきます。
当直の主な業務内容
当直業務の主な内容はこちらとなります。
・入院している患者さんが急変した際などに、医師が処方した薬や点滴などを準備
・夜間救急外来で受診した患者さんへ処方された薬を調剤
当直時間に入ると、助手が補助として処方せんの整理、雑務に付きます。
外来が完全に終了し、入院処方が落ち着けば機械の電源を落としたり、施錠した後当直室で仮眠を取ります。
翌朝、日報を作成したり引き続きを行い終了となります。
当直勤務のメリット
当直業務を行うとどんなメリットがあるかご紹介していきます。
高収入が見込める
当直中に何も薬剤師業務が発生しない場合でも当直手当といったものが支給されます。
その額は「通常勤務1日平均賃金の3分の1」を下回らないことと労働基準法で定められています。
その為当直がない人の月給よりも高くなる事がメリットでしょう。
もちろん、当直手当は職場によって異なるため、事前によく確認しておく必要があります。
キャリアアップにつながる
日中より少ない人数もしくは1人で様々な業務を対応したり、医師や看護師から予期せぬ質問や指示を受けたりと、豊富な知識とスキルが求められます。
しかしこういった環境だからこそ任される仕事の範囲が広がり、経験値が上がることでしょう。そして現場でスキルや判断力を磨くことができます。
急性期病院などで当直業務を1人でこなせるようになれば、今後どこへ行っても頼れる薬剤師として活躍できます。
当直明けに好きな事ができる
当直明けは非番になるのが一般的です。
当直明けが平日であれば、平日昼間しか空いていない銀行窓口や役所に行く事ができます。
また平日はショッピングモールや映画館等も比較的空いている為ゆったりと楽しむことができます。
当直を上手に乗り切るためのコツ
どうすれば当直を上手に乗り切る事ができるかそのコツをご紹介します。
食事は仮眠の3時間前までにとる
当直で夜の食事をとる際、仮眠の3時間前までにとるようにしましょう。
仮眠と食事の間の時間が短い場合、消化されにくく疲労が溜まりやすくなる可能性があります。
体への負担を考えて、食事と仮眠の間隔をあけることが大切です。寝つきを良くするために、刺激物を避けるようにするのもポイントです。
運動習慣をつける
当直は体調を崩しやすい働き方なので、日頃から丈夫な体作りを意識した生活が大切です。
運動習慣がない方は、筋トレや軽いウォーキングから始めるなど、少しずつ運動して体力をつけていきましょう。
リラックスできるものを用意する
当直の休憩時間に持ち運び可能なアロマを用意して香りを嗅いでみたり、帰宅後にお香を楽しんでみたりして気分転換をしましょう。
帰宅後の入浴の際入浴剤を入れて湯船に浸かれば当直の疲れも癒されます。
まとめ
これまで薬剤師の当直勤務の業務内容や当直勤務のメリットをまとめてみました。
当直勤務は体力的に大変ですが、知識の習得の面で魅力があり、非常にやりがいがあります。
キャリアアップや転職の際必ず有効な勤務経験となるでしょう。
当直回数や当直手当は病院によって異なります。転職の際に入念なリサーチをして確認しておく事をお勧めします。
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