【薬剤師】企業への転職を解説!キャリアアップを目指すあなたへ
薬剤師としてのキャリアを考えている方は、資格所得や転職、研修会への参加を考えると思います。その中でも、企業への転職は薬剤師としての新たなスキルや経験の獲得の大きなチャンスとなります。
でも今の職場を離れて転職するにあたっては、よくわからない部分や不安な部分も多いですよね。
「企業で働く薬剤師にはどんな仕事があるの?」
「年収はどれくらい?」
「そもそも本当に転職は可能なの?」
そのうえ求人情報は薬局やドラッグストアの数が圧倒的に多く、経験談も少ないため情報が不足しがちです。
この記事では、医薬品関係企業への転職を考える際に発生するであろうそんな疑問点にお答えします。
Contents
企業で働く薬剤師の人数
まず、そもそも医薬品関係企業で働く人数はどの程度なのか見てみましょう。
厚生労働省が令和4年に発表したデータによると、令和2年末現在で薬剤師の人数と医薬品関係企業で働く人数は下記の通りになっています。
・薬剤師の総数
321,982人
・医薬品関係企業に従事している人数
11,713人
医薬品関係企業で働いている方は全体のわずか3%です。冒頭でもお話したように働いている方が非常に少なく、求人情報も少ないため転職の際に選択肢から漏れてしまうことも多いです。
企業への転職はどんな人におすすめ?
医薬品関係企業で働くのは難易度が高く、人気も高いですが非常に大きなメリットがあります。例えば、薬局やドラッグストアよりも給与や福利厚生の面で優れているケースが多いです。
もしかするとこの記事をご覧の方の中にも、既に医薬品関係企業の求人情報を見つけて、気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
薬剤師が医薬品関係企業へ転職するのは簡単ではありませんが、企業薬剤師になればキャリアアップや収入アップを実現することが可能です。
- 現在より高い年収を目指したい!
- 調剤業務だけでなく、さまざまな業務に携わりたい!
- 新薬の開発や最新の薬剤に関わりたい!
などの希望がある人はぜひ、挑戦してみましょう。
【薬剤師】企業での活躍の場は?
薬局やドラッグストア、病院に限らず薬に関わる仕事は多岐に渡ります。
- 薬剤の研究・開発とそれに伴う治験
- 市場に出ている薬の生産・品質管理
- 薬剤の流通管理
- 製薬会社による自社の薬の営業
- 市販後の調査・安全性の管理
薬に関わる仕事とひとことで言っても、開発・製造から販売・営業、品質・流通・安全性の管理と分野もさまざまですね。それらのすべての仕事で薬剤師の資格を持つ方は常に必要とされています。
もちろん薬剤師の仕事も、ほかの業種と同じでそれぞれの仕事にメリットとデメリットがあります。また、仕事によってどんな人に向いているかも異なります。
転職を考える際には自己分析を行い、自分にはどの分野のどんな職種が合うのかをよく考えて選びましょう。でないと実際に業務を開始してから
「思ってた内容と違う!」
なんてことにもなりかねません。
方向性が決まった際には、転職サイトを利用しましょう。転職サイトであれば様々な求人情報を気軽にスマートフォンで比較することができます。ちょっとした空き時間にも確認出来て非常に便利です。
「そうはいっても転職サイトって、たくさんあってどれを使えばいいかわからない」
という方がほとんどですよね?検索しても同じようなサイトがたくさんあって、どのサイトがいいのかどころか、何が違うのかもよくわからないという方もいらっしゃるでしょう。
その際にはこの記事を参考にしてください。おすすめの転職サイトの特徴や共通点をわかりやすくランキング形式で紹介しています。
企業薬剤師の年収は?
薬剤師の年収は全体的には500万円前後といわれています。業種別に分けると下記の通りとなります。
- 製薬会社 720万円
- ドラッグストア 583万円
- 調剤薬局 420万円~590万円
- 病院薬剤師 400万円~540万円
地域によっても異なりますが、全体的にはほかの多くの業種に比べて高い傾向があります。
その中でも企業に勤める薬剤師の年収がほかに比べてかなり高いです。企業の規模や職種により変わりますが、薬剤師全体の平均年収よりも高くなります。キャリアアップや年収アップを目指す方であれば挑戦しない理由はありません。
ただ最初から高額なわけではなく、大きな会社でも初年度は450万円ほどで、その後、昇進するにつれてだんだんと給与も上がっていくケースが多いです。
転職する際には、働き始めてすぐの福利厚生や給与、待遇を調べるだけでは足りません。その先の自分将来を見据えた内容についてもしっかりと調べるようにしましょう。
転職先をキャリアパスの一つと考えるのであれば、どのような業務に携わり、どのようなスキルを獲得できるのかについても調べる必要があります。
給与の高い職種としては、医療情報担当者(MR)や新薬開発の分野では特に給与が高く、管理職にまで昇進すると年収1,000万を超えることもあります。給与が高いということはそれだけ高いスキルや責任も求められます。
業務に取り組み、さらなるスキルアップや経験を積むことで昇格できます。昇格すると昇給だけでなく責任が伴うため、やりがいも比例して上がっていきます。
また、企業は住宅手当などが充実しているのでその分、実際に手元に残るお金は多くなるのも押さえておくべきポイントです。福利厚生を調べる際に、手当の支給についてもしっかりと意識しましょう。
企業規模が大きいほど年収だけでなく、福利厚生が手厚い傾向にあります。給与の面だけを見てみれば別の企業のほうが良くても、実際に手元に残るお金を比較しすると異なる場合もあります。
【薬剤師】企業での職種を紹介
未経験でもチャレンジ!比較的入りやすい仕事3選
管理薬剤師
管理薬剤師とは、薬品を扱う場所で拠点ごとに設置が義務づけられている責任者です。法律で設置が定められていますので必ず必要となります。
ドラッグストアや調剤薬局だけでなく、製薬企業や医薬品卸業などは、薬とは切っても切れない関係の仕事です。製造・開発に流通、保管全てにおいて管理薬剤師が必要となります。
就業場所は製薬企業・医薬品卸売企業の本社(支社)、倉庫、工場の3つです。
本社(支社)ではデスクワークがメイン、倉庫・工場では品質管理・在庫管理が主な業務になります。
仕事内容
- 薬剤在庫管理(医薬品の使用期限や品質を管理)
- 自社製品の製品情報や副作用情報を管理
- 医師や看護師、薬剤師からの医薬品に関する問合せに対応
- 行政機関へ提出する書類(許認可申請の届出など)の作成から管理、提出
Point! 専門性がそこまで高くなく、ほかの職種と比較して転職の難易度は低めです。
「転職の経験がなくて不安」
「これからキャリアを構築していきたい」
そんな方には特におすすめです。
治験コーディネーター(CRC)
CRCとはClinical Research Coordinatorの略で、治験を実施する医療機関をサポートする仕事です。
医療機関、製薬会社、被験者の間に立ち、治験が円滑に進むように調整する役割を担っています。多くの人と関わりながら仕事を進めます。自分の仕事が業務全体の進捗に影響するため、やりがいのある仕事です。
具体的には、治験に必要な準備(検査機器や検査キットを用意、被験者の募集や契約締結)、治験の進行スケジュールの管理、書類(モニタリング報告書や治験終了報告書)の作成などです。
仕事内容
- 治験業務フローの作成・治験のスケジュール調整
- 被験者への説明・被験者の相談窓口の担当
- 診察、検査の立会い
- 被験者・医師や院内スタッフ・臨床開発モニター(CRA)との連絡
- 治験実施状況の報告(モニタリング報告書や治験終了報告書の作成)
Point! 患者さんや医療機関、企業とのやり取りをスムーズに進める必要があります。
患者さんとの距離も非常に近いため、特にコミュニケーション能力に自信のある方や患者さんと直接かかわりたい方が特におすすめです。
臨床開発モニター(CRA)
CRAとはClinical Research Associateの略で、こちらも治験をサポートする仕事です。製薬会社側として医薬品開発をサポートするのがCRCと大きく違うところです。
治験が基準に従って適切に行われているかをモニタリングする役割です。基準に従っていなければ得られる結果も変わってしまうので重要な役割です。
治験を実施できる医療機関を調べに行ったり、治験のモニタリングのため全国の医療機関を訪問するため、外勤・出張が多いのが特徴です。
同じ場所で働き続けるのではなく常に場所を変えて、新しい刺激が欲しいという方にはぴったりの業務です。
仕事内容
- 治験に関する治験契約(治験を実施できる医療機関を探し、契約を結ぶ)
- 標準業務手順書の作成
- 治験薬の交付・管理、治験の進行状況のモニタリング
- 症例報告書のチェック(症例報告書の回収・確認)
- 治験の適切性の評価
Point! 新薬開発の最終段階である治験に深くかかわる、やりがいの大きい仕事です。
難易度高め!憧れの仕事3選
MR
製薬会社で開発した製品のプロモーションを行う営業職。
医療機関を訪問して医師と面会を行い、自社製品の有効性や長所、品質、安全性を説明します。自社の製品の特徴だけでなく、他社との比較について質問された際にもスムーズに答えられるように幅広い知識が求められます。
医療機関への訪問だけでなく、臨床現場での情報を集め、自社に報告することも仕事となります。
そのほか、会社主催の勉強会や講演会の案内をするなど、製薬会社と医療機関の橋渡し的な存在です。両者のつながりを保つために成果や大きな責任を求められます。
営業職なので売り上げに関するノルマがあります。
仕事内容
- 自社の医薬品のプロモーション、営業活動
- 医療機関への、商品の品質・有効性・安全性などの情報提供
- 自社医薬品に関する現場からの情報を集め、自社に報告
- 担当医療機関での勉強会・講習会の実施
Point! MRは特に資格は必要ありませんがかなり深い薬学知識が必要です。薬剤師資格はその証明になりますので転職に非常に有利となります。
メディカルライター
メディカルライターには主に2種類の仕事があります。
ひとつ目は、新薬開発時の治験に関する申請書類・報告書など専門性の高い文書の作成。こちらは必要な情報が決まっているので形式に従って書類を作成することになります。
ふたつ目は、医療系の雑誌やインターネットに掲載する文章などの作成です。読者としては医療従事者、患者などさまざまです。薬学知識だけでなく、読者がどのような情報を求めているのかを考えて文章を作成する必要があります。
薬剤師の資格が必須なわけではありませんが、医療や薬剤に関して専門的な知識が必要となります。
薬剤師の資格があれば、公的機関からの薬学に関する知識の証明となるので文章も一気に説得力が増します。
仕事内容
- 治験に関する申請書類、報告書等の作成
- 医療・薬学系の記事を執筆
- 医療に関する文章の翻訳、校閲
Point! 専門知識を活かしながらライターとして活躍!文章を書くことが好きな人や学んだ内容を人に教えることが好きな人に特におすすめです。
企業の研究職
新薬の研究・開発を行う仕事で、企業薬剤師の中でも最も人気が高い花形職種です。
かなり高いレベルの知識や技能が必要で、さらに博士号取得は必須。選考では、出身校や在学中の研究も実績として重要になります。企業としても自社の命運を左右することですので慎重になります。
問題解決能力も求められるので、面接では具体的な問題解決の事例やアプローチ方法を質問されることが多いです。
中途採用は募集自体が少なく倍率も高いので、転職先としてはかなり難易度が高くなります。しかし、薬剤師の仕事の中でも特に給与が高い職種です。
仕事内容
- 薬の合成・分析
- 製剤(薬の成分を服用しやすい形にする)
- 副作用についての調査
- 薬の有効性の確認
Point! 年収1,000万円を超えることも珍しくない憧れの職業ですが、転職先としてはかなりハイレベルな狭き門です。
初めての転職であれば、まずはキャリアアップを目標としての転職を行い、キャリアパスの最終目標としての設定をおすすめします。
実績や能力が十分についたと感じれば、下リンク先のサイトを参考にしてみましょう。
【薬剤師】企業で働くメリットとデメリット
そもそも一般的な薬局で働くことと、企業で働くことにはどのような違いがあるのでしょう?
まずは、企業で働くメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
年収が高い
年収の章ですでにお話ししましたが、全体的に企業で働く薬剤師の年収は高いです。その分大きな責任やスキルを求められます。
調剤薬局やドラッグストアでは昇格先のポストの数が非常に少なく限られています。一方、企業の規模にもよりますが企業勤めであれば様々な上位ポストがあります。
昇格のチャンスが多ければ、それだけ昇給のチャンスも多くなります。
土日・祝日が休み
調剤薬局やドラッグストアは土日にも営業していることがありますが、ほとんどの企業は土日・祝日が休日となっています。
特にドラッグストアは日曜・祝日も関係なくシフトが入るケースが多いです。一般的な会社員の方がお休みの際に利用されるので忙しくなるのは仕方のないことです。
一方、企業であればゴールデンウイークなども一般的な会社員のように、カレンダー通りに休むことができます。
福利厚生が充実
一般的に薬局などと比べ、企業は福利厚生が充実していることも魅力です。
とくに製薬会社は福利厚生が手厚いことで知られています。大きな企業ほど家賃補助や家族手当、退職金制度などが充実しています。
年収に関する章でもお伝えしたように、給与の面だけを見てみれば別の企業のほうが良くても、実際に手元に残るお金を比較した場合は異なることもあります。
有給がとりやすいのも大きなメリットですね。ワークライフバランスはプライベートの充実に直結します。プライベートの充実は仕事の効率やモチベーションに大きく影響します。
先端技術に触れられる
企業は常に顧客に対して、他社よりも早く良いものを届けることを目的としています。最先端の専門技術の取入れにも意欲的な場合が多く、専門知識を深められます。
一度転職したのちに再度転職を行うのであれば、最先端の専門技術に触れてきた経験は必ず評価される点です。
キャリアアップが望める
調剤薬局での勤務は仕事の評価が難しく、キャリアアップがしにくいという現実があります。数字での評価が難しい職種のため仕方のない部分ではあります。
業務面でも大きな変化はなく、ある意味安定して働き続けることができますが、上昇志向を持つ人には物足りない場合もあります。
企業では業務に対する評価が明確です。どの企業も昇格に対する一定の条件を定めています。海外ほどではありませんが、日本でも実力主義の流れが見え始めています。
キャリアパスも研究開発、薬事申請、品質管理、営業、マーケティングなどの様々な選択肢があり、自分の興味やスキル、適正に合わせてキャリアを選択できます。
昇格やそれに伴う昇給によって仕事に対するモチベーションもアップしますね。モチベーションは仕事の結果に対する大きな要因の一つです。チャレンジ精神の強い方には、まさに企業での仕事はぴったりです。
デメリット
転職の難易度が高い
企業の求人はそもそも数が少なく難易度も高いため、転職をすること自体のハードルが高いです。人材不足といわれてはいますが、医薬品関係企業の求人は人気のため、多くの人が応募し倍率は常に高めです。
また、薬局への就職活動と企業への就職活動は大きく違うので、初めて企業への就職を目指す人は戸惑う場面も多くなると思います。
転職をする際には、やり遂げる覚悟と念入りな事前準備が必要となります。しっかりと準備ができていれば、予想外の事態に直面したとしても冷静に対処できます。
激務と長時間労働
新薬開発や薬事申請業務は非常に厳しいスケジュールを求められるため激務となります。労働基準法に守られてはいますが、大きなストレスを抱えてしまう方も中にはいらっしゃいます。
転職サイトには働いている方の感想が記載されている場合もありますので、応募する前の検討材料として口コミを参考にしてみるのも一つの手段です
職種によっては転勤・出張が多い
MRや臨床開発モニター(CRA)などは出張や転勤が多い職種です。
家庭の事情や自分のライフスタイルに合わないと、負担が大きくなることが考えられます。
自分は転勤や出張に対応できるのか、よく検討しましょう。
高いスキルと専門性
年収が高いということは、それだけ高いスキルや大きな責任を求められます。高度な専門知識や先端技術に対する知見は常に必要になります。そのためには継続的に学び続ける必要があります。
直接患者に関われる仕事は少ない
調剤薬局やドラッグストアでは患者さんとの距離が非常に近いです。直接患者と関わり、患者の役に立つ実感を得ることができます。患者さんから直接お礼を言われる時も少なくありません。
一方、企業で働く場合、治験コーディネーター(CRC)などの一部の業種を除き、患者と直接関わることは非常に稀です。
もちろん間接的には患者に貢献することになりますが、直接的なコミュニケーションを通してやりがいを感じていた人には物足りなく、仕事に対するモチベーションが下がってしまうことがあります。
転職すると一時的に収入が減少することがある
企業に転職した際には、最初の半年から1年ほどは研修期間となることが多いです。いくら薬剤師としての経験があったとしても、新卒の人とそれは同じです。
その企業ごとに定められた規則やフローが存在し、企業としての考えや方針もあります。その内容をしっかりと理解するために必要な期間です。
研修期間はやや給与が低く設定されていることがほとんどです。そのため、転職直後は今までの給料よりも下がってしまう可能性があります。
給与が下がった際に受け取れる公的な給付金もありますが、前職との差を絶対に埋められる保証はありません。
2年目以降、勤続年数を重ねるにしたがい昇給していくので一時的なことではありますが、収入が減ることを覚悟しておく必要があるでしょう。
【薬剤師】企業への転職 失敗しないポイントを押さえよう!
いざ、企業に転職しよう!と決意したのなら、なるべくスムーズに転職をしたいですよね。あれもこれもと調べているうちに、転職の機会を逃してしまった、なんてことにならないように重要なポイントがあります。
薬局への転職と企業への転職では、面接対策など転職活動のやり方が異なります。それは薬局と企業では求職者を評価する点が異なるからです。
企業への転職の対策も、自分がどの業種に応募するのかによっても対策するべき内容は異なります。
調剤薬局や病院での臨床経験が、あまり評価されないケースも多いです。それは同じ薬剤師の仕事でも業種によって行う業務は異なるからです。
企業への転職という目標に向けて、しっかりとターゲットを定め、失敗しない転職を目指しましょう。
なぜ転職したいのか?を具体的にする
あなたが転職したい理由はなんですか?すぐに思い浮かばなくても、あなたが転職を決意した際には必ず理由があったはずです。
給料、待遇、福利厚生、キャリアアップ。今の職場の人間関係に疲れてしまった。
人によってさまざまな転職の理由があります。
転職の理由をしっかり自覚して軸としておかないと、「どんな職種を選ぶのか」「譲れないポイントはどこなのか」などの大事な部分がぶれてしまいます。
転職の理由は面接でも必ずと言っていいほど聞かれるポイントでもあります。あなたが面接官の立場に立ったとして、志望理由さえもしっかりと答えられないような人を雇いたいでしょうか?
軸がぶれてしまえば、転職に対するモチベーションも続かなくなってしまうので、転職したい理由を具体的にしておきましょう。
その企業を選ぶ理由を明確にする
転職する理由が定まったら、次は数ある企業の中からその企業をなぜ志望するのかを明確にしましょう。
これも面接で必ずと言っていいほど聞かれます。試しに本屋さんで就職や転職に関する本を読んでみてください。どの本にも必ず企業を選んだ理由を答えられるようにと書かれています。
同じ職種であっても、その業種を、その会社でしか募集をしていないことは非常にまれです。
特に薬剤師の資格が必要となる業務は、薬剤師の設置を法律で定められている場合がほとんどです。それはどの企業も薬剤師を必要として、求人を出す可能性があるということです。
あなたの選んだ仕事に対する想いと、その企業を選んだ理由はしっかりと言語化し、答えられるようにしておきましょう。その際には、企業がこの先にどのような方針を掲げているのかも忘れずに確認しておきましょう。
企業側にも方針があるので、その方針と求職者の方針が合っていなければ採用には至らないでしょう。相手の立場に立ってどのような人材が求められているのか、その人材に自分は適しているのかを考えましょう。
転職サイトを最大限に利用する
薬剤師の企業への転職は求人情報が少なく、応募先を見つけること自体のハードルが高いのが現実です。その数少ない求人情報も、非公開でこっそりと募集されることもあります。
そこで、複数の転職サイトに登録し、なるべく多くの求人情報を集めましょう。幅広い情報を得られれば、その分選択肢も広がります。自分の可能性を狭めないためにも、情報は多いに越したことはありません。
転職サイトに登録すれば非公開求人の情報を知ることができるのもメリットです。大々的に募集するのではなく、求人サイトにひっそりと掲載されている求人も見逃さないようにしましょう。
ハローワークなどでも求人情報は得られますが、どうしても更新速度に限界があります。
その点転職サイトであれば、求人が出回るといち早く情報を教えてくれるので、有効に活用しましょう。最近ではアプリで新着の求人を通知してくれるサイトもあります。
また、転職サイトに登録すると担当の転職エージェントが自己分析・履歴書の作成・採用面接対策をサポートしてくれます。第三者から見た長所や対策するべきポイントは貴重な情報です。
自分で見る姿と第三者からみる自分の姿が大きく異なっている場合もあるので、自己分析の際には第三者の意見も参考にしましょう。
こちらは転職に関しては素人です。経験豊富な転職のプロであるエージェントの方の力を最大限、利用しましょう。
転職活動の期間は長めに用意
薬局やドラッグストアへの転職はすぐに決まるケースが多いですが、一般的に、企業への転職活動期間の目安は3~6ヶ月と言われています。大きな企業であればあるほど選考や結果の通知にも時間がかかります。
求人情報の精査や事前準備についても、しっかりとした準備を行うためにはそれなりの時間が必要になります。
時間がない!と焦る事態にならないよう、活動期間はあらかじめ長めに見積もっておきましょう。
転職先が決まってから今の職場を退職することができるとブランクが空かずに済みます。また、今の職場で働いていれば、転職がうまくいかなくても金銭的な面で心配することがなくなります。
心や金銭面で余裕がなければ、焦って重要な情報を見落としてしまったり、情報を精査することができなくなります。
在職中から少しずつリサーチを進め、スムーズな転職を目指しましょう。
まとめ:【薬剤師】企業への転職は対策をしっかり立てて成功させよう!
薬剤師の企業への転職はハードルも高く、簡単なものではありません。倍率が高く、スキルも求められます。
しかし、転職は不可能ではありません。
各項目でも述べたように企業への転職は、事前のリサーチや面接対策など、事前準備が成功のための重要なカギです。
まずは今の仕事をつづけながら情報を収集する。集めた情報を精査する。必ず自己分析も行う。そして、自分の持っている考えや知識を十分に活用できるようになる。
転職活動は在職中に行い、次の仕事にブランクをあけないようにする。
こちらは転職の素人ですが、相手になるのは面接のプロたちです。付け焼刃の知識や上っ面だけの志望理由は簡単に見破られてしまいます。
転職サイトなどもフルに活用し、しっかりと対策を立てて転職に臨みましょう。