看護師求人は進化したハローワークで探す?転職サイトと比較検証
A子です。看護師の資格を持っているので転職には困っていません。
転職サイトはいくつか登録したままにしています。
B子です。失業保険をいただくためにハローワークに通っています。せっかくなので、求職登録もしてみたいと思っています。
看護師はエッセンシャルワーカーとして、いつでも年代を問わずに転職をしやすい職業といえます。
A子さんのように、転職の味方である転職サイトに登録をされる方は全国にたくさんいらっしゃるかと思います。
また、B子さんのようにハローワークで失業保険などの様々な手続きをされている方にとって、看護師求人の応募も同時にできたらとても便利ですよね。
ハローワークは厚生労働省が管轄している「職業安定所」のことですが、初めての方はなんとなく入りにくい印象もあるのではないでしょうか。
そこで、2021年から更に利用しやすくなったハローワークについてご紹介をしていきます。
Contents
看護師転職活動の動向
退職をしてからの転職活動は、焦りもありますし、心細い気持ちになりますよね。
看護協会調査研究報告書によると、看護師としての通算経験年数(離職中を除く)17.8年のうち、転職経験ありは50.5%となっています。
さて、「転職経験あり」の方の転職はどのようにされたのでしょうか。
最も多いのは、友人・知人からの紹介となっております。
友人や知人からの紹介でしたら内部事情なども詳しく聞くことができますし、転職後のイメージもつきやすいため、不安が少ないですよね。
一方ハローワークでの求職は、失業保険受給の申請と同時に利用ができたり、再就職手当ての手続きを行うためによく利用されているのでしょう。
また、他にもハローワークには「職業訓練を受ける人を支援するための給付金」があるため、看護師以外の職業に挑戦したい人にもおすすめです。
看護師がハローワークを利用するメリット
ハローワークとは、厚生労働省により全国500ヶ所以上に設置されている公共職業安定所のことです。
大きく「職業紹介」、「雇用保険」、「雇用対策(企業指導・支援)」の3業務を一体的に実施、国が無償で支援をしています。
1.失業保険受給や再就職手当の手続きができる
2.オンラインで職業紹介を受けることができる
3.他業種の求人もあり就職支援制度がある
4.ハローワークでパート求人も閲覧できる
5.マザーズハローワークがある
6.地元の就職に強い
7.履歴書の書き方や面接のアドバイスをしてくれる
8.障害を持っている人の就活を支援
失業保険受給や再就職手当の手続きができる
前職を退職してすぐに再就職を考えているならば、同時に失業保険受給の手続きもできます。
「現在求職活動中である」、「雇用保険に1年以上加入していた」など一定の条件を満たしていれば、前職の給与50~80%が失業手当として支給されます。
更にハローワークで紹介された職場に1年以上働き続ける見込みがあれば、再就職手当として、残りの失業手当も受け取ることができるのです。
この手当は早期に再就職すればするほど手当もアップするため、退職後から数えて1日でも早く再就職活動を進めると良いでしょう。
転職サイトの利用でも、「厚生労働大臣が許可した職業紹介事業者」であれば再就職手当がもらえます。転職先を選ぶ基準にしてみてはいかがでしょうか。
オンラインで職業紹介をうけることができる
2019年9月より、ハローワークインターネットサービスの機能が更に充実し、オンラインで受けられるサービスが広がり便利になりました。
以前は、求職者がインターネット上で検索をして、希望の求人があったらハローワークに出向いて紹介を受けて登録をすることが必須でした。
新しく始まった「オンライン自主応募」は、ご自身がハローワークインターネットサービスで探した求人は、紹介を受けずに直接応募ができるのです。
希望の仕事が見つかったらすぐにエントリーができますし、労力もぐっと減りました。
他業種の求人もあり就職支援制度がある
ハローワークには看護師に特化した求人情報だけでなく、さまざまな業種の求人があります。
希望の仕事に就くために必要な知識やスキルを身につけるための公的な就職支援制度(職業訓練)を無料で受けることもできるのです。(テキスト代のみ本人負担)。
つまり、看護師以外の職業への転職を考えていたり、看護師と他職種のどちらの道を選ぶか迷っている人にとっても見る価値ありですね。
他にやりたいことが見つかった方は、高額な費用をかけずに必要な知識やスキルを身につけるチャンスです。
ハローワークでパート求人も閲覧できる
ハローワークでは、正社員やパートなどさまざまな雇用形態を含め、全国有効求人数約3,013万人のうち看護師求人数は約46,000件も取り扱っています。
例えば、ご家族の都合に合わせた時間でのパート勤務を探すことができます。
また、社員登録制度のある契約社員から始めてみることも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
マザーズハローワークがある
マザーズという名前のとおり、子育て中の女性等に対する就職支援を実施しています。
全国に21箇所、マザーズコーナーとしては全国185箇所に設置されており、ママさん看護師の強い味方になってくれそうです。
子ども連れで来所しやすい環境を整備し、担当者制による支援や子育てと両立しやすい求人の提供、保育所等の子育て支援情報の提供等もしています。
地元の就職に強い
全国に544箇所もあり、専門コーナーや附属施設まで含めると全国約600ヵ所で就職支援を受けることができます。
全国の求人を見ることができますが、基本的に市町村ごとに設置されているので、ご自身の目で探すことができそうですね。
特に地元に根差した病院・施設などの就職口に強いことが大きなメリットと言えます。
つまり、「今住んでいる場所から近い」、土地勘があるので「駅近」などの通いやすい職場を探すことができるのです。
また「求職者側」「求人掲載者側」いずれも無料で利用できるため、ハローワークだけに求人を出す企業もありますので見逃せません。
地域密着型のハローワークでは、地域独自の求人情報をたくさん保有しているため、U・I・Jターン就職を希望する看護師にはおすすめです。
履歴書の書き方や面接のアドバイスしてくれる
ハローワークでは、履歴書や面接など書類選考に不安な人に手厚いサポートがあることをご存知でしょうか。
これまで多くの人の転職をサポートをしてきた相談員から、「面接官が採用したいと思う履歴書の書き方や面接の応対」など的確なアドバイスがもらえます。
一方、求人事業所に対しては募集条件についての確認や、場合によっては求人条件の緩和・拡充の提案を行っています。
また、履歴書や職務経歴書といった応募書類の添削指導や、面接のマナー・心構えについてアドバイスや模擬面接などもできるのです。
応募に不安がある場合は、ぜひ応募前にハローワークにご相談下さい。
障害を持っている人の就活を支援
ハローワークでは、障害を持っている人向けの求人も取り扱っています。
専門の窓口が設置されており、相談員が個別に事業主と相談したり面接の付き添いをしたり、最大限の支援をしてくれます。
看護師がハローワークを利用するデメリット
ハローワークを利用するデメリットについても、事前に知っておきましょう。
1.インターネットでの自主応募には注意が必要
2.自分で検索する時間が必要であり、希望の求人募集が少ないこともある
3.相談員によって対応が変わる
4.短期・単発アルバイトの求人が少ない
インターネットでの自主応募には要注意
インターネットサービス機能が充実により、ハローワークまで出向くことなく登録から応募までができるようになりました。
ただし、いくつかの手続関連の細かい注意点があります。
1.オンライン自主応募はハローワークによる職業紹介に該当しないため、ハローワークの職業紹介を要件とする雇用保険の再就職手当等の対象外です。
2.受給資格に係る離職理由により給付制限を受けた方が、待期期間満了後1か月間に応募により就職した場合、支給の対象となりません。
3.雇用保険受給者の方に対する常用就職支度手当、移転費及び広域求職活動費の支給の対象となりません。
4.オンライン自主応募に伴って生じるトラブル等については当事者同士で対応することが基本です。
以上、該当する方は念のために心に留めておきましょう。
ハローワークや出先機関ごとに開庁時間や受けられるサービスも違うため、最寄りのハローワークの情報をしっかり確認しておくと良いでしょう。
自分で検索する時間が必要であり希望の求人募集が少ないこともある
ハローワークは特定の担当者がいないこともあり、基本的にご自身での検索をしてからの相談となります。
また「求人数が豊富なこと」がメリットである反面、看護師の求人に特化しているわけではありません。
せっかく好条件な職場を見つけても、既に募集が締め切られている場合も多いようです。
相談員によって対応が変わる
看護師の転職に特化していませんので、看護師業界の相談に対して相談員から的確なアドバイスをもらうことはあまり期待できないでしょう。
また、相談員が親身になってアドバイスをしてくれても「得意分野」と「あまり得意でない分野」があります。
つまり、自分が聞きたかったことすべてに納得する答えが返ってくるかどうかはわかりません。
どうしてもという時は、相談員の変更依頼もできますよ。
短期・単発アルバイトの求人が少ない
ハローワークには、ワクチン接種など時期や期間限定の短期・単発アルバイトの求人はほとんどありません。
派遣やパート勤務形態はあっても、基本的に長期の求人がほとんどです。
もし、スキマ時間で仕事ができる職場を探す場合は、他の求人サイトを利用するのが良いでしょう。
ハローワークをうまく利用しましょう
A子です。
欲張り私は、年収アップとワークライフバランスも重視したい。もちろんキャリアアップも目指したいです!
ハローワークでレアな求人は見つかるの?
スキマ時間を利用して、お小遣い稼ぎにコロナやインフルエンザなどワクチンの単発バイトがしたい!
季節的、時期的な単発のアルバイトを希望されるかたも多いのではないでしょうか。
しかし残念ながら、ハローワークには長期勤務の求人が多いため、短期の仕事を探すのは難しいです。
そんな方のために、2つのおすすめ情報をお届けします。
1.看護師転職サイトに登録をして探す
2.厚労省からもうひとつの求人サイト「医療のお仕事key-Net」で探す
1.看護師転職サイトは正社員から派遣・パート、単発アルバイトまで幅広く取り扱っているのが特徴です。
看護師転職サイトであれば非公開情報もありますし、担当者から希望にあった情報が届きます。
すぐにインターネットからの応募ができるためとても便利なツールですし、ご自身の希望の日程にも合わせられそうですね。
ハローワークの利用と平行して看護師転職サイト2~3社に登録をしておくと安心ですね。
2.医療のお仕事「Key-Net」は、厚生労働省が開設した医療人材向けの求人情報サイトです。
厚生労働省は、医療人材の確保を促進するための取り組みを始めました。
その取り組みとして、2020年6月に医療機関の人材募集情報と求職者のマッチングを行う専門サイトを開設したのです。
トップ画面は新型コロナワクチン接種、感染症対応職員の募集となっていますが、各地域での求人を探すこともできます。
「医療のお仕事 Key-Net」をご活用いただくことで、募集情報の閲覧からお問い合わせ、応募、面接までがオンラインで完結できます。
もちろん手数料は不要ですし、事前登録も必要ありません。
看護師の資格をお持ちで、いまは医療現場から離れている方の応募も歓迎となっています。
便利になったハローワークを使いこなそう
「ハローワークインターネットサービス」を利用することで、どこにいても簡単に求人検索ができるようになりました。
ここからは、便利になった「ハローワークインターネットサービス」を更に詳しくご紹介します。
看護師がハローワークインターネットサービスでできる4つのこと
1.PCやスマホで求人検索ができる
全国のハローワークが保有している同じ求人情報を、PCやスマホで検索・閲覧できるようになりました。
条件も絞りやすくなり、求人情報の特徴も一目でわかるようになったため、大手求人サイトにも引けを取らない使い勝手の良さになったという声もあります。
2.ハロートレーニング(公的職業訓練)も探せる
希望するコースやエリア、訓練期間などいくつかの条件を入れて検索するだけで、簡単に希望するコースを見つけることができます。
「ハロートレーニング」は公的な制度であるため、基本的に受講料はかかりません。学卒者や現職中の人を対象としたものは別途受講料がかかるため、事前に確認しておきましょう。
3.「求職者マイページ」を開設することで、仕事が探しやすくなる
「求職者マイページ」を開設することで、以下4つの便利な機能が使えるようになりました。
(1).求人の検索条件や、気になる求人の保存ができる
(2).ハローワークで紹介された求人情報や応募履歴が確認できる
(3).ハローワークで登録した希望の求人情報を確認できる
(4).応募した記号と直接やりとりできるメッセージ機能が利用できる
入職した後や有効期限切れにより「求職登録が無効」となったら、求人検索ができなくなるので注意しましょう。
4.イベント情報を探すことができる
ハローワークで開催される面接会やセミナーなど、全国のイベント情報をいち早く検索・閲覧できます。
もうひとつの転職の王道転職サイトのメリットも知っておきましょう
看護師転職サイトは、担当コンサルタントが一人付いて転職先の紹介から履歴書添削・条件交渉、転職後のフォローまで一貫して転職サポートをしてくれます。
「看護師の仕事を続けながら転職活動も同時にできる」「給与アップや良い職場に巡り合えた」など、実際に転職をする看護師の多くが利用しています。
この章では「転職サイトを利用する6つのメリット」を紹介していますので、1つずつ詳しく見ていきましょう。
1.希望条件に合う求人を探してくれる
2.条件のよい「非公開求人」情報が得られる
3.求人先に合わせた履歴書添削や面接対策のサポートを受けられる
4.求人先の特徴や内部事情を知ることができる
5.求人先との条件交渉を代行してくれる
6.転職後のアフターサポートがある
希望条件に合う求人を探してくれる
多くの求人情報の中から条件に合った求人を一人で探すことは、気が遠くなる作業です。
転職サイトでは、コンサルタントとの面談時に自分の希望条件やこれまでの看護師キャリアをしっかり伝えるだけで、それに合った理想の求人を探してくれます。
自分一人の力では探し出せない好条件な求人に出会える最短ルートとなり、効率よく転職活動を進めることができます。
条件の良い「非公開求人」情報が得られる
看護師転職サイトに登録すると、一般公開されていない「非公開求人」を紹介してもらえるのも大きなメリットです。なぜ一般公開されていないかというと、
1.応募が殺到するような条件がよい求人
2.採用担当者が事前に候補者を絞りたい
3.採用募集のことを病院内スタッフに知られたくない
つまりこのような背景があるため、登録した看護師にのみ「非公開求人」として紹介しているのです。
「ハローワークではなかなか条件の良い求人が見つからない」と悩んでいる方は、転職サイトも利用するとよいですよ。
求人先に合わせた履歴書添削や面接対策のサポートを受けられる
転職サイトを利用すると、選考通過率を高めるための履歴書・職務経歴書の添削や面接対策のサポートを受けることができます。
しかも、各医療機関の傾向に合わせたアドバイスをしてくれるため、書類選考通過率もさらに高くなります。
例えば「面接が苦手」「初めての転職活動」等で面接に不安がある方は、コンサルタントが同行してくれることもあります。
遠慮せずにまずは相談をしてみましょう。
求人先の特徴や内部事情を知ることができる
転職サイトを利用すると、自分一人では情報収集が難しい求人先の特徴や内部事情を知ることができるというメリットがあります。
コンサルタントは、採用担当者と密に連絡を取り合うだけでなく、実際に職場に足を運び内部状況を確認しているのです。
つまり、今の状況をしっかり把握しているため、職場の人間関係や雰囲気、働き方や残業時間なども教えてくれます。
それによって、転職前に自分が働いている姿をイメージしやすく転職後のミスマッチを防ぐことができるのです。
病院の公式ページや口コミサイトで調べてもわからないことは、コンサルタントに積極的に相談をしてみましょう。
求人先との条件交渉を代行してくれる
転職サイトでは、看護師がより良い条件で働けるように年収や労働条件などの条件交渉を代わりに行います。
転職コンサルタントが交渉のノウハウもしっかり持っていますので、各医療機関の年収や労働条件を熟知したうえで交渉に臨んでくれるのです。
ですから、自分から交渉するよりも確実に良い条件で転職できると言えますね。
求人先の年収や待遇が希望に達せず条件交渉が必要な場合は、担当コンサルタントに遠慮せずに相談をするのがよいでしょう。
転職後のアフターサポートもある
転職サイトのサポートは、めでたく内定が決定し無事に入職したから終わりではありません。
例えば内定後の労働契約書の作成や入職後の職場の様子チェックなど、看護師が転職先で良い環境下で長く働くことができるようにサポートしてくれます。
転職サイトは理想の求人を紹介してくれるだけでなく、転職を成功に導き、さらに転職後のサポートもしてくれる頼もしい存在です。
転職サイトで探すデメリットは?
看護師転職サイトの利用はさまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在します。
転職サイトの担当者から何度も着信が残っていて怖いです…。
転職サイトの収益は看護師を転職させることで紹介料を受け取る仕組みになっているため、転職ノルマ達成のために無理に進めてくることがあります。
面談の際に、まずは希望の連絡時間や手段をしっかりとお伝えすることも忘れずにしましょう。
また、転職への思いや希望が担当コンサルタントにうまく伝わらずに、見当違いな紹介ばかりが来ることもあるようです。
転職の希望条件や転職時期をしっかりとお伝えをして、それでも希望とは違った紹介があるようでしたら、担当者を変えて頂くこともできます。
また、他の転職サイトも登録してみましょう。
まとめ
ハローワークの大きなメリットとして、看護師の求人を探せるだけでなく失業保険などの様々な手続きを同時に行えることがわかりました。
自宅からでもインターネットを通して希望の求人に応募できるようになったことで、忙しい看護師さんの利用も増えるのではないでしょうか。
現代の需要に合わせて進化しているハローワークは、思っていた以上にメリットがたくさんありますね。
ぜひ賢くご活用頂いて、ハローワークでの転職を実現しましょう。