家を買う医師必見!住宅ローン審査に落ちない転職のタイミングを解説

マイホームを計画中。転職したばかりでもローンは組める?

返済を考えると今の病院の収入では心もとない。今から転職の準備をしておきたい。

自宅購入を機に転職を考える人は意外と多いのではないでしょうか。

この先のローン返済を見据えて、もっと収入のよい職場に移りたいと思うのはごく当たり前な感情かもしれません。

そこで今回は住宅ローン審査において転職がどう影響するのか、また最適な時期はいつなのかについてお話ししていきます。

医師は比較的ローンを組みやすいと言われていますが、それでも転職が原因で審査に落ちるケースがあります。

申請前にこの記事を読んでしっかり対策していきましょう。

でも実際行動するとなると不安なことだらけですよね。

記事の後半では、自宅購入と転職どちらも成功させるための秘訣についても解説しています。ぜひ最後までご覧ください。

医師でも住宅ローンに落ちた意外な理由

国家資格を使って仕事をしている人は、ローン審査において有利だとされています。

特に医師や弁護士といった難関資格所持者には優遇制度まであり、ローンを組みやすい環境にいるのは確かです。

ところがそんな医師にも思わぬ落とし穴があることをご存知でしたか?

この章では医師がローン審査を通過できない「転職」にまつわる意外な理由についてお話ししていきます。

医局人事での異動

ローン申請で必ずチェックされる「勤続年数」ですが、たとえ途中で転勤や出向があったとしても一つの職場としてカウントするのが一般的です。

ところが大学医局に所属する医師に限っては、医局に命じられた異動でも転職扱いになる可能性があります。

金融機関ごとに対応は違いますが、最悪申請が通らないケースもあるようです。

医局人事は特殊で、一度大学を退職してから改めて派遣された病院に入職する形をとります。

医師本人の感覚では「転勤」であっても、書類上は「転職」の扱いになるわけです。

上の例でいうと最初のA大学とB・C病院の在籍期間はないものとされ、戻ってきたA大学での3ヶ月しか勤続年数として認められません。

国土交通省の調べによると、ローン審査において約8割の金融機関が「勤続年数1年以上」を必須条件としています。

異動してから一年未満の人は申請前必ず金融機関と認識のズレがないか確認をとりましょう。

融資実行前の転職

ローン成立日と転職が接近していたために起きる悲劇もあります。

ローンは契約さえ済ましたらそれで終わり、ではありません。融資が実行され、物件の引き渡しが完了してようやく成立するものです。

極端な話、その「融資実行日」の翌日に転職したとしても問題にはなりません。

すでに実行されている契約を金融機関側がわざわざチェックしたりはしないからです。

ただ、なんらかの事情で引き渡しが遅れれば、融資自体も後にずれ込みます。

ギリギリの日程で転職スケジュールを組んだがために「融資実行日」より前に転職日がきてしまうハプニングも起こりうるわけです。

金融機関が最終チェックをした際に、勤務実態と申告内容との間にに重大な食い違いがあるのが発覚し、承認が取り消されたケースも少なくありません

たとえ再審査に持ち込めたとしても、融資金額が下がるなどの不利益が生じます。

転職と自宅購入、どちらも人生においては大事なイベントです。両方を成功させたいなら、無理なスケージュールは避けるのが得策でしょう。

開業直後の申請

自分でクリニックを立ち上げた開業医の場合は、一般的な自営業者と同様、条件が厳しくなります。

ローン審査では、収入はもちろん、継続的な返済ができるかが重要視されます。

勤務医時代よりはるかに高い報酬を得ていても、それが一定期間続かないと返済能力を証明できません。

具体的には「3期以上の黒字」が条件となり、開業してまだ間がない医師だと申請しても断られる可能性が高いのが現状です。

これは個人事業主であるフリーランス医にも同様のことが言えます。

勤務医時代に建てておくべきだったと後悔しても始まりません。

開業後に自宅購入を決心したのなら、まずは経営を安定させ、その時期が来るのをじっと待つしかなさそうです。

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住宅ローン審査で失敗しない自宅購入・転職のタイミング

前章では転職が原因の失敗についてお伝えしました。いずれもタイミングさえ間違わなければスムーズにローンを組めたケースです。

そこでこの章では審査に落ちないタイミングについてまとめてみました。

医局所属の医師の場合

前章でお伝えしたとおり、医局所属の医師の場合「転勤」=「転職」ととらえられてしまうので、自宅購入のタイミングが取りづらいのが実情です。

◆20代〜30代後半・・・半年から2年の間隔で異動を繰り返す

◆30代後半〜40代前半・・・異動の間隔が3年〜5年以上になる

◆40代後半・・・さらに間隔が長くなる

以上のことから30代後半くらいからがマイホーム取得に動くのに適していると考えられます。

ただし、どの年代においても異動のリスクがなくなるわけではありません。マイホームを真剣に考えるなら、医局を辞めて転職するのも一つの選択肢です

医局を辞めて転職する医師の場合

すでに転職済みであるのなら、一年経過した段階でローン申請するぶんには問題ありません。

これから転職するのであれば、必ず「融資実行日」より後になるよう調整しましょう。

住宅ローン審査中に黙って転職を決行する人もいますが、金融機関側には必ずバレてしまいます。

それは「健康保険証」をチェックされるからです。住宅ローンの場合、仮審査・ 本審査 ・ローン締結時(場合によっては融資実行直前にも)にその都度確認されます。

健康保険証が途中で変わっていたらその段階でアウトというわけです。

好条件の転職先を逃したくない気持ちはわかりますが、契約は契約。タイミングは間違えないようにしましょう。

開業医・フリーランスの場合

マイホームを持つのは開業前と後、どちらがタイミング的に正しいか?

この議論に決着はついていないようです。どちらにもメリット・デメリットがあるため専門家の中でも意見が割れています。

メリットデメリット
開業前住宅ローンを組みやすい開業資金に影響がでる可能性
開業後3期以上黒字経営なら住宅取得が容易赤字続きならローンが組めない

どちらにしろ、開業の直前・直後の自宅購入は困難です。

開業前の購入ならその後資金のめどがつくまで開業は待たなくてはなりません。開業後なら経営を軌道に乗せるのが先決で、マイホームは後回しになります。

タイミング云々より、冷静な現状分析と緻密な資金計画が大切です。

金融機関が注目する「勤続年数」以外の審査項目

金融機関が審査で重要視するのはもちろん「勤続年数」だけではありません。

国土交通省住宅局が各金融機関にアンケートを行い、どんな審査項目を設けているかを質問しました。

その結果、審査項目として次の7項目が多くの金融機関で採用されているのがわかっています。

項目 一般的な基準          
完済時年齢 多くの金融機関が80歳を上限としている
健康状態ローン審査自体に健康状態の申告の義務はない
借り入れの条件として団体信用生命保険(団信)加入を義務付けている場合告知が必要となる
借入時年齢18歳から70歳までが一般的 55歳までとする金融機関もあり
借り入れ年齢が高いとそのぶん契約期間は短くなる
勤続年数同一組織内で1年以上連続して働いていることが条件としているところが多い
金融機関によっては半年でも可能とするところもある
返済負担率収入に対して年間返済額が占める割合 20〜25%が理想だが上限に関しては対応がまちまち
住宅ローン以外の借り入れも返済額に含まれるため要注意
年収借り入れ金額の基準となる
年収の5〜6倍が目安とされている
担保評価最終的にローンが支払えなくなった場合の担保として該当する不動産の評価をする
借り入れの上限金額を決定するのに必要
参考:「令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査・結果報告書」の「長期・固定金利の住宅ローン等に関する融資審査等」より作成

「勤続年数」以外で医師が注意すべき項目が「返済負担率」です。「返済負担率」は1年間の総返済額÷年収×100で算出されます。

表にもあるとおり他の借り入れも含まれるため、カードローンや奨学金・開業時に受けた融資などの返済が終わっていない人は要注意です。

実は上限値に関しては基本的に非公表であるため、借りる側は確認のしようがない、やっかいな数字でもあります。

他の借り入れがあるのであれば、できるだけ早く完済して、「返済負担率」を下げておくのがローン審査を通過するコツです。

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自宅購入と転職どちらもかなえる秘訣3選

自宅購入と転職を成し遂げると決めたなら、あとは行動するのみです。でも行き当たりばったりで動いてしまうと、実現は遠のいていきます。

ここでは両方かなえるためにしてはいけないこと・すべきことについてまとめてみました。

無理な計画はしない

自宅購入と転職を完全同時進行させるような無理な計画はあまりおすすめできません。

マイホームを建てるのには時間も労力もかかります。打ち合わせやローン申請・確認作業など、仕事をしながらすべてこなしていくのはかなりの負担です。

そのうえ転職、となったら体力も気力も続くはずがありません。そんな状況ではどちらに対しても中途半端な対応しかできなくなります。

先に転職するなら一年後に自宅購入に動き出す、後からなら生活が落ち着いてからにする。適度に時差があったほうが、両方に全力投球できるはずです

無理な計画はいい結果を産みません。一つひとつ課題をクリアしていきましょう。

人生の設計図を考える

自宅購入も転職も長い人生においては一つの通過点にすぎません。

その「点」だけに注目するのではなく、一度人生全体を見渡せる設計図を作ってみるのも必要です。

  • 自分がこの先どこに向かっていくのか(キャリアプラン)
  • 理想とする生活はどんなものなのか(ライフプラン)
  • お金はどれくらいかかるのか(資金計画)

頭の中で漠然と考えていることを目に見える形にしておけば、自分がこれからするべき行動や資金が明確になります

今この時点で家を買うのには無理があるなど、問題点もはっきりわかってくるのではないでしょうか。

また、見える化すれば専門家にも相談しやすくなる利点もあります。

もちろんプランどおりに事が進まない場合もあるでしょう。思わぬハプニングに見舞われないとも限りません。

でも基本設計さえできていれば、成り行き任せの状態よりはるかに楽に修正できるはずです。

転職エージェントに早めに相談しておく

まずは早めに転職エージェントに登録しておきましょう。相談できる態勢さえ作っておけば、いざといういうときすぐに動けます。

キャリアアドバイザーは仕事を紹介するだけの存在ではありません。

キャリア形成からワークライフバランスの取り方まで、一緒に考えてくれるよきパートナーです。

さすがに自宅購入に関するアドバイスは期待できませんが、転職のタイミングについては快く相談に乗ってくれるでしょう。

これまで蓄積してきた相談データの中から同様のケースを参考に、転職の適切な時期についてのアドバイスももらえます

この時キャリアプラン・ライフプランが用意できていれば、より綿密な転職スケジュールをたてるのに役立つはずです。

自宅購入に動き出してしまったら相談の時間は取れなくなります。早い段階でコンタクトをとっておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

自宅購入は人生のうちでそう何回もあるものではありません。後にも先にもない、たった一回の大きな買い物だからこそ、無用なトラブルは避けたいものです。

思い込みや勘違いでせっかくのチャンスを逃してしまってはもったいなさすぎます。

すべてを自分一人で抱え込まず、ときには専門家の知恵も借りて自宅購入と転職のグッドタイミングを見極めましょう。

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