保健師が大変なこととは?辞めたい理由3選とその対策を教えます
保健師は、健康やメンタルサポート、育児指導などの様々な人々の保健指導を行う専門職です。
保健師の仕事は大変と聞くけど実際どうなのかな?
自分はやっていけるかな?
保健師の仕事は大変だとよく耳にします。ですが実際にどのような点が大変なのか、そもそもどのような業務なのかわかりません。
具体的に何が大変なのかわからないと良いイメージが出来ず、不安ばかりが募ります。
そして、保健師をやっていけるかどうか自信がなくなりますよね。
この記事を読んでいただくと、保健師の仕事の大変さと乗り越えるための対策が分かります。
大変なことの内容と対策がわかれば、今あなたが抱えている不安を解消できます。
また、保健師に向いている人の傾向を知ることで保健師になる為の心構えが身につき、仕事へのモチベーションにも繋がるはずです。
保健師に興味がある方は、ぜひ読んでみてくださいね。
保健師の大変なこと
保健師の仕事において、大変と感じやすいことを以下にまとめました。
・新人もすぐに指導する立場になる
・人の行動を変えるのが難しい
・専門的かつ幅広い知識が必要
・専門以外の知識も必要
・健康に関わる迅速な判断力が必要
・常に人手が足りない
これらの点について、詳しく説明していきます。
新人でもすぐに指導する立場になる
保健指導を行うという立場上、新人であっても幅広い年代や職業の人に対して、指導者として接することが求められます。
保健師の主な業務には「教育・指導的役割」があります。
そのため、保健師として活動を始める時点で、アドバイスをするための最低限必要な知識や技術を身につけておかなければなりません。
しかし、新人の保健師には経験値が少なく、配属される人数も少数の場合が多いため、職場教育の機会も少ないのが現状です。
急に一人で責任のある仕事を任せられることも少なくないので、プレッシャーやストレスを感じる方が多いです。
人の行動を変えることが難しく感じる
保健のアドバイスをする中で、生活習慣の改善を促す場面がありますが、相手が素直に行動を直してくれないことも少なくありません。
相手に行動を変えてもらうための完璧なマニュアルは存在しないため、諦めずに根気強く向き合う必要があります。
これが想像以上に難しく、大変さを感じる点です。
専門的で幅広い知識を持ち、常に勉強していることが必要
保健師は、専門的かつ幅広い知識を持ち、それを常にアップデートしていくことが求められます。
保健師は乳幼児から高齢者まで、さまざまな年代の人に保健指導を行うため、幅広い知識が必要です。
毎日忙しく業務をこなしながら新しい知識を学び続けることは、大変です。
専門以外の知識も必要とされる
保健師は専門知識以外の幅広い知識やスキルの習得も必要です。
例えば、健康増進のセミナーを開催する場合、お客さんを集客する能力やチラシ作成のスキルが求められます。
専門的な知識のアップデートの他に新しいスキルを習得していくのは、かなりの体力と強いメンタルが必要です。
健康に関わる適切な判断力が必要
保健師は地域の健康診断の結果と最新の医療、社会環境、制度など、それら全て把握する必要があります。
そして、それをもとに地域の住民の方の健康のために必要なものを見据えた適切な判断が求められます。
この判断を下すためには、問題解決能力や論理的思考、データ分析力などの幅広いスキルが求められます。
地域全体が健康であるための判断は責任も大きく、プレッシャーやストレスを強く感じることが多いです。
常に人手が足りない
常に人手が足りないことも、保健師が大変と感じる大きな要因の一つの理由です。
相談業務では一人で数十人の対応をし、一人ひとり丁寧に健康指導を行わなければなりません。
職場に他の保健師がいない場合、業務の割り振りができないと共に、日々の業務に関する相談相手がいない状態になります。
相談相手もいなく、仕事が多い状態で働き続けるには心身ともに健康でいるためのセルフコントロールが必須となります。
仕事が大変だと感じる時の対策
次に仕事が大変だと感じた時の対策をご紹介します。
まず大前提として、保健師の仕事を大変と感じた時は一旦冷静になり今の状況を整理することが大事です。
・問題が職場環境なのか考える
・保健師の仕事が好きか、自分の本音を改めて見つめる
・転職を考えてみる
詳しく説明していきます。
職場環境が問題で大変なのか考える
仕事が大変だと思った時は理由を考えましょう。
保健師になったからなのか、または職場に問題があるのかなど、できるだけ明確に考えましょう。
仕事自体が大変だと明確になれば、保健師以外で仕事を探すのが得策です。
また、職場環境や人間関係が原因だと分かれば職場を変えることで解消されるはずです。
まずは、大変と感じる原因を自分自身が知ることが大切です。
原因を知ることで、次にすべき行動が明確になり、気持ちも楽になります。
保健師の仕事が好きか、自分の本音を改めて見つめる
保健師の仕事が本当に好きか、改めて自分の本音を考えることが大切です。
仕事にやりがいを感じていたり好きだったりすれば、どんな壁にぶつかっても乗り越えられる可能性はあります。
しかし好きでなければ、壁にぶつかった時に働き続ける意味を見出せず、モチベーションを保つことはできません。
大変と感じている時こそ、好きな仕事であるかを再確認することで自分の進むべき道が明確になるはずです。
転職を考えてみる
仕事が自分に合わないと感じたら、別の職場を探すことも大事です。
働く場所や条件が変わることによって、気持ちを切り替えることができるでしょう。
保健師が活躍する場は主に4つあります。
・病院
・行政
・産業
・学校
ただし、行政で働くためには公務員試験の合格が必須です。
学校の保健師の場合は養護教諭免許が必須です。
どの職場で働くかによってそれぞれ必要な資格があります。
よって、転職の際には事前に調べておくことが重要です。
今、転職に迷っている方は、こちらを参考にしてみてください。
保健師を辞めたい理由3選
次に日本公衆衛生学会で調査した、保健師を辞めたいと思う理由TOP3をご紹介します。
1位 | 仕事に興味・やりがいを持てない | 20.7% |
2位 | 体調(心身の健康など)を崩す | 12.9% |
3位 | 職場の人間関係の問題 | 12.1% |
Job Demands-Resources Model による分析」日本公衆衛生学会
スキルアップやキャリアアップといったポジティブな理由ではなく、メンタル面や人間関係などのネガティブな理由で退職したいと感じていることが分かりますね。
それぞれの理由について詳しく説明していきます。
1位 仕事に興味・やりがいを持てない
保健師の仕事は、「病気を予防すること」です。よって、病気を治療するなどよりも仕事の成果を実感しにくい傾向があります。
また、行政の保健師は公務員なので自治体側からの制限がいくつかあり、働き方の自由度が低くなります。
よって、なかなかやりたいことができないことに不満を感じる保健師が多いのでないかと想定できます。
2位 体調(心身の健康など)を崩す
保健師は様々な病気を予防するのを目的に働いていることから専門性が高く、誰にでもできる仕事ではありません。
また、コロナ禍の影響で、近年の業務の量が急激に増加しています。
一時期に比べて感染者は減少したものの、依然としてその影響は強く残っています。
日常的に残業が必要にもかかわらず、職場によっては残業代が出ない時もあり、心身の負担に見合わないと不満を感じている方もいるようです。
3位 職場の人間関係の問題
保健師は人間関係のトラブルに悩んでいる人が多いです。
保健師の人数や職員の人数が少ないと、どうしても職場は閉鎖的な人間関係になってしまっています。
また、逆に保健師の人数が多くても、保健師同士でうまく連携が取れずにトラブルに発展してしまうこともあるのです。
よって、人間関係にストレスを感じて「辞めたい」と感じてしまう人が多いようです。
これらの辞めたい理由をしっかり理解したうえで、自分はどのように保健師をやっていけばいいのか考え行動していくことが大切です。
保健師に向いている人・向いていない人とは?
この章では、保健師に向いている人と向いていない人の性格・適正をそれぞれご紹介します。
保健師に向いている人
どんな人が保健師に向いているの?
保健師に向いている人は以下の通りです。
・健康問題に関心があり、人のためになりたいという人
・人の話を親身になり謙虚に聞ける人
・親しみやすい人
・コミュニケーション能力がある人
・子どもが好きな人
これらの理由について詳しく説明していきます。
健康問題に関心があり、人のためになりたいという人
保健師は「人のために」という考えで、仕事のモチベーションを上げることができる人に向いています。
保健師は多くの人々が心身ともに健やかで健康である社会づくりのために働いています。
健康についてなど、人に言いにくい悩みを持つ人と向き合う場面も非常に多くなります。
相手が心を開いてくれるような話し方や、信頼してもらえるように親身になって話を聞く姿勢も大切です。
また、保健師の仕事は健康維持や増進といった効果が表れるまでに時間がかかるため、諦めず粘り強く取り組めるかも重要な適性です。
人の話を親身になり謙虚に聞ける人
保健師は、いろいろな人の話を聞くことが好きな性格が適しています。
いろんな年代の人に保健指導や健康指導、カウンセリングを行う場面が多いためです。
赤ちゃんからお年寄りまで、さまざまな年代の人に常に明るく笑顔でコミュニケーションが取れるスキルが求められます。
上から目線で一方的に話す人よりも、相手の気持ちにしっかりと寄り添える人が向いています。
親しみやすい人
保健師は、誰にでも親しみやすく接する能力が求められます。
健康への不安がある方や心身の病に悩んでいる人に対し、カウンセリングを行います。
アドバイスをするので、相手に信頼や親しみやすさを感じてもらえなければ、悩みを打ち明けてもらえません。
「この人、話しやすいな」
「ちゃんと話を聞いてくれそう」
という雰囲気の人が向いています。
そう感じてもらうには、常に穏やかな笑顔や明るく優しい話し方を意識することが大事です。
コミュニケーション能力がある人
保健師は誰にでも真剣に向き合い、相手の心をほぐしてあげるようなコミュニケーションが必要となります。
乳幼児から高齢者まで幅広い世代の人たちと接する仕事なので、どんな年代の方であっても安心して自分のことを話してくれるスキルが重要です。
また、保健師は業務において外部の医療関係者との連携が必要とされる場面もあります。
自分からコミュニケーションを取れるタイプの人、他者と関わることが苦にならない人も向いています。
子ども好きな人
子どもが好きな人も保健師に向いていると言えるでしょう。
保健師は母子を対象とする「乳幼児健診」や「予防接種のサポート」「母親相談」や「発達相談」など、お母さんや小さな子どもと接する機会が多いためです。
僕も乳幼児健診や発達相談で何度もお世話になりました。
その時に優しい笑顔で子どもが楽しめるように接してくれる姿勢に安心したことを覚えています。
保健師に向いていない人
次に保健師に向いていない人は以下の通りです。
・上から目線で、アドバイスの仕方が下手な人
・人と話すのが苦手な人
これらの理由について詳しく説明していきます。
上から目線で、アドバイスの仕方が下手な人
保健師は専門家として健康指導をする立場ですが、上から目線で偉そうにしたり、物事を押し付けたりする人は向いていません。
いくら相手にとって適切なアドバイスや提案であっても、一方的な指導や押しつけでは話の正確な意図や意味が伝わりません。
相手の生活習慣や健康状態は一人ひとり異なります。
そこを見極めどのような説明で納得してもらえるのかをしっかり考え、寄り添っていけるスキルが重要です。
そのため相手のことを考えずに自分の意見を押し通す人は向いていないと言えるでしょう。
人と話すのが苦手な人
人と話すことに苦手意識がある人は、残念ながら保健師には向いていません。
保健師の主な業務が、さまざまな年代の人々の健康に寄り添い、相談を受けアドバイスをすることだからです。
時にはアドバイスをした相手から厳しい言葉が飛んできたり、相手がなかなか悩みを打ち明けてくれなかったりする場面もあるかもしれません。
沢山の人と話していくことは楽しいことばかりではありません。
人と話すことが苦手な人や、ストレスが溜まってしまうような人は、保健師の仕事が辛く感じてしまう可能性が高いです。
自分の性格と保健師になるための自分の適性をしっかり理解したうえで、保健師の道に進むかどうか決めることが大事です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
保健師は想像以上に大変な職業だと思われたかもしれません。
しかし、事前に仕事の大変さとその対策を理解しておくことで、保健師になり壁が立ちはだかったとしてもきっと乗り越えていけるでしょう。
そして、保健師という職業に生き甲斐を感じることができるはずです。
保健師になった際には自分のお気に入りのグッズを揃えて、仕事のモチベーションを上げましょう。
これを機に今の職場状況を見直してみるのもいいですね。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。