公衆衛生医師を目指す前に知っておきたいメリットとデメリット
「公衆衛生医師」とは保健所や本庁にて、地域住民や自治体全体の健康といった広域的業務に携わる役割を担っている職業になります。
あまり聞き慣れない言葉ですが、地域に密着した職業であり、我々が安全に生活していくためには欠かせない存在です。
そんなとてもやりがいのある公衆衛生医師ですが、どんなメリット・デメリットがあるのかをまとめてみました。是非参考にしてみてください!
Contents
メリット①資格は必要?
保健所で勤務する医師を「公衆衛生医師」と呼びますが、この職業は全国で統一された資格があるのではなく、募集する都道県単位の試験に合格することで公衆衛生医師に採用されます。
全ての保健所では公衆衛生医師を1名以上常勤させる必要がありますが、多くの保健所では定員が1名となっており、「公衆衛生医師」兼「保健所長」であることが通例となります。
それでも人員不足の保健所があり、ドクターを確保できない場合は、2年以内の特例措置があります。
医師と同程度の公衆衛生に関する専門性・知識を有する方や一定期間以上の公衆衛生の実務経験がある方、国立保健医療科学院の保健所長1年コースを修了している方にも、保健所長になる道が開けてます。
メリット②ワークライフバランスが取りやすい
公衆衛生医師の職場環境は、週40時間・1日8時間で週休2日など、ワークライフバランスが取り易いのが特徴です。
夜勤や当直がないこともあり、仕事と育児を両立させたい女医も多く活躍しています。また、公務員として身分が保証されており、福利厚生も充実してます。
厚生労働省の「令和元年 医師の勤務実態調査」によると、1週間あたり週60時間以上勤務している男性医師が41%、女性医師が28%となっており、80時間以上勤務している男性医師は9%、女性医師は6%となっております。
そのため、臨床医などに比べ公衆衛生医師の方が断然プライベートの時間が確保できますね!これが1番のメリットかもしれません。
メリット③キャリアパスが明確
キャリアパスとは「キャリアを積む道」の事になります。就職後の経歴は、採用する自治体によって様々ですが、下記のようにキャリアを積むのが一般的になります。
画像引用:公衆衛生医師(保健所等医師)確保について キャリヤパスや待遇 厚生労働省
一般のサラリーマンと違い、勤務年数と実績を積めば役職が約束されているのは嬉しいですね。安心してお仕事を続けられる大きなメリットになるかと思います。
デメリット①年収が低い
各自治体や、医師としての経験年数や年齢などにより待遇が異なりますが、開業医や民間の医師に比べると年収が低くなります。「医師になったからには高収入を得たい」という人にとってはデメリットになるでしょう。
公衆衛生医師の年収の目安は、医師免許取得後5年目で660万~1,200万円、10年目で770万~1,300万円程度になります。
一見高収入に見えますが、開業医に比べると1,000万円以上差が出る事もあります。
診療科目別に開業医の平均年収を紹介します。
診療科目 | 平均年収 |
内科 | 2,424万円 |
小児科 | 3,068万円 |
精神科 | 2,587万円 |
外科 | 1,977万円 |
整形外科 | 2,988万円 |
産婦人科 | 1,834万円 |
眼科 | 1,511万円 |
耳鼻咽喉科 | 1,890万円 |
皮膚科 | 2,709万円 |
デメリット②患者を直接治療する機会がない
公衆衛生医師は医療行為を行う機会がほとんどありません。直接患者さんと触れ合う事がないわけではありませんが、あくまで予防としての検査や検診が中心となります。
医師にとって、医療行為を行う事でスキルアップをする事はとても重要です。
通常、医師免許を取得して医師として勤務を行いながらも、はじめの数年は見習いとして研修や指導を受けながらの勤務を行う病院も多く、そうやって医師はスキルを身につけていきます。
そのため、新卒で保健所に勤務してしまうと、医師としての臨床スキルが不十分である場合が多く、その後に一般の病院に転職した時に困る事も出てきます。
もちろん転職後に臨床スキルを身につけることも可能ですが、転職先の条件が下がってしまう可能性は十分あります。
デメリット③求人募集が見つけづらい
公衆衛生医師の求人ですが、市町村の各保健所にはホームページやパンフレットがあり、お知らせや業務案内の中に「医師募集案内」が掲載されている事もあります。
しかし、頻繁に更新されない為、タイミングを逃してしまうと、「応募した時には募集を締め切ってしまっていた」、なんてことにもなりかねません。
かといって、毎日ホームページやパンフレットをチェックするのも手間がかかり、合理的ではありません。
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まとめ
公衆衛生医師のお仕事は、ワークライフバランスを取りながら、地域の人々の役に立てるなどのメリットがあります。
しかし、収入が低かったり、臨床スキルが身につかないなどのデメリットもあります。
今後のキャリアを考える上でも、メリットだけでなくデメリットも十分考慮して頂ければと思います。
最後まで記事を読んで頂き、ありがとうございました!
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