薬剤師の有効求人倍率は今いくつ? 地方と都市部の動向を知ろう

仕事を探す際に気に掛けたいのが業界の有効求人倍率です。

既に仕事をされている方も業界の動向によって給与や環境が変化することになるでしょう。

この記事では薬剤師として就職・転職を目指すときに知っておきたい求人倍率について解説します。

そもそも求人倍率・有効求人倍率とは

そもそも求人倍率と有効求人倍率とは何を表すのでしょうか。

求人倍率とは、求職者1人に対して何件の求人があるかを示す数値で、企業がハローワークに登録した求人を厚生労働省がとりまとめて算出しています。

これに対し、有効求人倍率とはハローワークでの有効期限である2か月間の間に登録された求人をもとに算出されます。

この有効求人倍率が高いと被雇用者、つまり薬剤師に有利となります。

逆に求人が多くても供給される薬剤師が多ければ有効求人倍率は下がり雇用側にとって有利な条件が提示されます。

すでに薬剤師として働いている人にとっても有効求人倍率は給料アップなどの交渉のためにも知っておきたい情報ですね。

薬剤師の今後の動向

厚生労働省による薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会では、今後薬剤師は増加の傾向をたどることになるとされています。

参照: 薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会とりまとめ 厚生労働省

高齢化と都市圏への人口集中によって地方では薬剤師も高齢化しています。

雇用側にとっては人件費の圧迫となり、厚生労働省も医療アクセスの不均衡を是正するために様々な施策を講じている状態です。

近年はオンライン調剤やオンライン服薬指導が取り入れられ、Amazonやヨドバシカメラも薬剤師を募集しています。

これにより地方の過疎地域や都市圏の勤労世代に対して遠隔での対応が期待されています。

人口10万人当たりの薬剤師数では、東京都、徳島県、大阪府の順に多く、沖縄県、青森県、福井県の順に少なくなります。

政令指定都市を持たない徳島県に薬剤師が多いのは国立大学に1校、私立大学に1校の薬学部があるためです。

日本の薬剤師数は他の先進国と比べると比較的多く、医師や看護師が少ない状況と対照的です。

しかし他の職業と比べて薬剤師の有効求人倍率は依然高い傾向にあります。

薬剤師の有効求人倍率と年収

厚生労働省がとりまとめた集計では医師・歯科医師・獣医師・薬剤師の有効求人倍率は2.2となっています。

昨年の1.91から大きく伸びて需要が増えていることがわかります。

フルタイムでの有効求人倍率は3.14、パートタイムでの求人倍率も1.46と全体の平均より高いことが伺えます。

参照:一般職業紹介状況(令和6年9月分) 厚生労働省

厚生労働省のまとめた「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の平均年収は577.9万円です。

職業全体の平均と比べると高く、医療系職種では医師、歯科医師に次ぐ高さになります。

都道府県別では高いほうから広島県、秋田県、宮城県となり、低い方からは徳島県、高知県、青森県となります。

東京都は23位、大阪府は11位、愛知県は10位と大都市を擁する都道府県の年収が高いとは限らない状態です。

これは薬剤師の需給状態や高齢化率が反映されたもので、勤務先の労働時間なども影響しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

地方と都市圏での有効求人倍率と年収は一概に紐づいておらず、キャリアと年収を上げるには確かな情報と計画が必要となることでしょう。

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