病院以外に転職!看護師が選ぶ10選+1 ゆとりあるライフワークを
病院に勤務している看護師の皆さん、コロナ禍という大変な波を乗り越え、通常業務に戻りつつある頃でしょうか。
この時期、これからの働き方を考える看護師さんが増えています。
看護師として仕事を続けたいけれど、病院以外はどんな仕事があるのか知りたい。
向き不向きもあるので、転職後に後悔はしたくないですよね。
まずは自分の気持ちと希望を整理してみましょう。
夜勤が辛くなってきたので日勤のみで働きたい、毎週末もしくは固定曜日に休みが欲しい等、書き出してみると具体的になってきます。
「もう、看護師以外の仕事がしたい」という方も、看護師の資格を活かした看護業務とは違った仕事もあります。
実際に病院以外で働いている看護師の数は4人に1人と言われており、多くの看護師が病院から転職を成功させています。
この記事では、
◆看護師が選ぶ病院以外の転職先10選+1
◆看護師が病院以外へ転職するメリット・デメリット
◆ベテラン・新卒看護師が病院以外へ転職する際の注意点
◆おすすめの看護師転職サイト9選
以上を紹介しています。
最後まで読んでいただき、納得のいく転職を目指しましょう。
Contents
看護師が病院を辞める理由とは?
【調査概要】
■調査名:看護師の退職動機に関するアンケート
■調査期間:2021年9月9日~2021年9日16日
■調査対象:全国20~49歳の看護師
■有効回答数:536名
引用:日本労働調査組合
日本労働調査組合の調査では、60.6%もの看護師が退職を考えているそうです。
その理由の第1位は「給与・待遇不満49.3%」、次いで第2位は「精神的に辛い43.3%」となっています。
また、第5位の「人手不足」、第6位の「自分の健康」もトップ2に関連しているようです。
この結果は、病院勤務が「激務、夜勤が辛い、命にかかわる責任の重さ」など、過酷な医療現場であるにもかかわらず、その平均年収は約364万円(2022年1月求人ボックス調べ)です。
給与に見合っていないと感じる人が多いからだと考えられます。
現在の病院を退職しようか悩んでいる人は、思い切って他の職種へ転職するのも方法の1つでしょう。病院以外のメリット・デメリットを踏まえたうえで、ライフスタイルに合った職場探しを始めてみてはいかがでしょうか。
看護師が選ぶ病院以外の転職先10選+1
夜勤がキツイうえサービス残業は当たり前、プライベート時間も大事にしたいのに…。病院以外で、看護師資格を活かして活躍できる転職先はあるかなあ…
病院以外へ転職を考えている看護師は少なくありません。
では、病院以外で看護師資格が活かせる職場には何があるのでしょうか?
この章では、看護師が選ぶ病院以外の転職先を10選+1として紹介をしていますので、ぜひ参考にしてください。
1.クリニック|受診者対応・カルテ出し・診療介助などの外来業務
2.健診・検診センター|企業や団体、学校が実施する健康診断を行う
3.美容クリニック|美容皮膚科(レーザー治療)と美容外科(形成外科)
4.産業看護師|企業内の健康管理室(または医務室)での勤務
5.訪問看護|利用者宅を訪問して、看護ケアを提供する
6.介護施設|施設に於いて高齢者の生活全般をサポートする
7.デイサービス|高齢者や身体に障害がある方に、日帰りの介護サービスを提供する
8.治験コーディネーター|新薬をヒトに投与するための臨床研究支援を行う
9.学校、保育園・幼稚園|学校、園児や職員の健康管理業務全般を担当する
10.医療系コールセンター|お客様からの医療に関する問い合わせに対応する
+1.トラベルナース|一定期間ごとに勤務先を変えて赴任する
クリニック
クリニックで働く看護師の仕事は、受診者の対応や診療補助など「医師のサポート」となります。
病院と比べて看護師やスタッフの数も少ないため、院内掃除、医療器具の清掃・消毒・発注など「医師のサポート以外」の業務もあります。
1人で複数業務へ柔軟な対応ができる「即戦力」となる看護師が求められているため、3年以上の臨床経験があると転職に有利となるでしょう。
看護師1人体制となる可能性もありますが、高度な医療行為もなく精神的プレッシャーも少ないため、働きやすい職場だと言えます。
入院設備がないクリニックでは、夜間対応がなく基本的に日中勤務となるため、ワークライフバランスを取りやすい職場です。
クリニックの数も多く、自宅近くで職場を見つけやすいので、通勤時間の短縮もできますね。
メリット
◆日中勤務が基本であり、夜勤がない
◆カレンダーどおりに休めることが多い
◆精神的なプレッシャーが少ない
◆自宅近くや、好きな場所での職場を見つけやすい
◆家事や子育てと両立がしやすい
デメリット
◆医師や他の看護師との人間関係で働きやすさが決まる
◆看護師が少ないため、1人の業務負担が多くなる
◆社会保険や福利厚生などの諸手当が、病院勤務よりやや劣る
年収相場:400〜450万円
健診・検診センター
健診とは生活習慣の見直しや病気の早期発見をする目的で実施される「健康診断」のことです。
検診とは、胃がん・大腸がん・子宮がんなど特定の病気を早期発見し治療する目的で実施を行うことを指します。
依頼された施設を巡回し、健診(検診)を行う巡回健診もあります。
1日100人を超える健診を行うことが多く時間との勝負であるため、安全かつスムーズに採血等ができるスキルが求められます。
健康な方が対象者となり医療行為もほとんどないため、精神的プレッシャーが少ないと言えるでしょう。
婦人科、乳腺外科、内視鏡を併設しているセンターもあります。
予め仕事内容を確認する必要がありますね。
健診・検診センターは1日の健診者数も決まっているため、残業はほとんどありません。
日曜・祝日・年末年始など基本的にカレンダーどおりに休めます。
ただし巡回健診の場合、実施場所によって早朝出勤や宿泊となるケースがあることも覚えておきましょう。
メリット
◆夜勤はなく残業もほとんどない
◆土日祝日、年末年始などカレンダーどおりの休み
◆プレッシャーやストレスが少ない
デメリット
◆ルーティンワークが多い
◆実施場所により、早朝出勤や宿泊を伴う場合もある
年収相場 :360万円
美容クリニック
美容クリニックには、主に美容外科と美容皮膚科の2種類あり、それぞれに違った特徴があります。
美容外科・・・形成手術をはじめとする外科治療がメインとなり、入院機能が完備されているところは夜勤も発生する
美容皮膚科・・・医療脱毛やシミ・ほくろなどを消すレーザー治療がメインとなり、外科手術がないためほぼ残業はない
美容クリニック看護師の仕事は、カウンセリング、注射、レーザー照射、外科手術の補助、アフターケア、器具の滅菌、院内清掃などです。
夜勤はなく日勤のみで働けるため、ワークライフバランスが取りやすい、とても人気のある求人です。
給与に関しては、自由診療で利益率が高い分看護師の給料に反映させられるため、月給30~40万円と高めに設定されています。
またインセンティブ制度を採用している美容クリニックでは、頑張り次第でさらに収入アップが期待できます。
一方、利用者は土日祝日や連休などに需要が多いため、休みは平日固定となることが多いです。
美容外科では、手術内容によって残業が発生する場合も多くなることも覚えておきましょう。
メリット
◆ほとんど予約診療であるため、1日の業務予測がつく
◆給与水準が高いうえ、頑張り次第でさらに収入アップができる
◆美容に関する最新の知識が習得でき、しかも特別価格で施術が受けられることもある
デメリット
◆土日祝日に休みを取ることが難しい
◆看護技術が特定のものに限定される
◆営業や販売ノルマがあるクリニックもあるので、事前に確認が必要
年収相場:500万円前後
産業看護師
産業看護師とは企業内の健康管理室で働く看護師のことです。
病気の早期発見や生活習慣病予防を目的とした健康診断の実施とその診断結果に基づく健康指導を行います。
また、ストレスを感じている社員の相談や面談などを行い、メンタルヘルスケアを行うのも重要な仕事です。
産業看護師は会社員として働くため、平日の日中勤務となり残業・夜勤がなく土日祝日が休みとなります。
職場によって違いますが、年末年始やGWなどもカレンダーどおりの休みを取ることができるため、ワークライフバランスを考えた働き方ができるでしょう。
また、基本的に健康な社員が対象となり病気予防が主な役割であるため、高度な医療行為を行うことはありません。
PCを使ったデスクワークが多くいことも特徴です。
メリット
◆残業も夜勤もがなく、土日祝日が休み
◆ワークライフバランスを考えた働き方ができる
◆体力的にも精神的にも負担が少ない
◆福利厚生や各種手当が充実している
デメリット
◆求人が少なく倍率が高いため、転職が難しい
◆看護師として技術的なスキルが低下する
◆パソコンスキルが必要
年収相場:450〜500万円
訪問看護
訪問看護とは、療養生活をしている利用者宅を訪問して看護ケアを行う仕事です。
具体的な仕事内容は、利用者の健康管理・医師の指示に基づく医療処置・ターミナルケア、そしてその家族への相談やアドバイスまで多岐にわたります。
訪問看護のメリットは、基本的に日勤となり夜勤がなく土日祝日が休みとなるため、ワークライフバランスをとりやすいことです。
そして、日勤のみでも給与水準が比較的高いことも魅力となります。
今後さらに地域医療のニーズが高まっていくため、おすすめの転職先と言えるでしょう。
訪問看護のデメリットは、夜勤がない代わりにオンコール対応を採用していることです。
メリット
◆夜勤なし・日勤のみの働き方でも、給与水準が比較的高い
◆1対1で向き合えて手厚いケアができる
◆在宅医療や地域医療分野でのキャリアが積める
デメリット
◆自分一人の判断が求められるため、責任が重い
◆患者やその家族との距離の取り方が難しい
◆夜勤の代わりにオンコール対応がある
年収相場:340〜430万円
介護施設
介護施設とは要支援・要介護認定を受けた高齢者向けの生活施設であり、入居者の生活全般をサポートします。
看護師の仕事は、入居者の健康管理、医師の指導に基づく医療行為、服薬管理、看護記録、介護スタッフへのアドバイスなどです。
施設によっては「日勤のみ・夜勤なし」で働ける職場がありますが、多くの職場では、緊急の場合オンコールで対応のような夜間勤務がある施設が一般的です。
「夜勤がツライ、家庭を優先したい」という人は、勤務条件をしっかり確認しておくとよいでしょう。
老人ホームでは、入居者の健康管理がメインとなり高度な医療行為はしないため、看護師経験が浅い人やブランクがある人には働きやすい職場です。
その反面、「看護師としてのスキルアップを目指したい、最前線医療に触れたい」人には物足りなさを感じるでしょう。
メリット
◆夜勤や残業がほとんどない
◆子育て中の人でも働きやすい
◆看護スキルや経験が浅くても働きやすい
◆ブランクがあっても仕事へ復帰しやすい
デメリット
◆常駐医師がいないため、一人で背負う責任感が重い
◆夜勤がない施設では、オンコール対応がある
◆高度な医療行為はほとんどなく、看護スキルの向上が見込めない
◆介護職員と同じ生活支援を求められる可能性がある
年収相場:450〜550万円
デイサービス
デイサービスとは、高齢者や身体に障害がある人が入浴や食事、レクリエーション、機能訓練など、日帰りで利用できるサービスのことです。
看護師の仕事内容は、利用者のバイタルチェック、服薬管理、医療ケア、看護記録となります。
利用者の健康管理や介護スタッフのサポートが主な業務となり、高度な医療行為がないため、精神的な負担も少なくなります。
看護経験が浅い人やブランクがある人でも、不安を感じずに勤務できる職場です。
ほとんどのデイサービスでは、日中勤務のシフト制で固定されており土日休みの施設も多いため、ワークライフバランスを考えた働き方ができます。
また「半日OK」「週3日OK」といったパートやアルバイトの求人も多いため、ライフスタイルに合わせて働ける点もメリットです。
メリット
◆日中勤務で早番・遅番もほとんどない
◆土日休みの施設が多い
◆ブランク後であっても、職場復帰への不安や負担が軽い
デメリット
◆夜勤や残業がないため、給与が低くなる
◆介護スタッフの仕事へのサポートなど、看護師の本来の業務を超えることも多い
◆医療行為はほとんどないため、看護スキルの向上が見込めない
年収相場:340〜400万円
治験コーディネーター
治験コーディネーターとは、医療機関・製薬会社・治験を受ける被験者の間に入り、治験(臨床試験)がスムーズに進むように調整やサポートを担います。
仕事内容は、治験参加のための同意説明文書に基づいた医師からの説明補助、治験実施計画書に沿った投薬や検査など、来院スケジュール管理となります。
治験期間中の有害事象等も被験者より聞き取りをして、治験責任医師と製薬会社への報告をすることも大切な任務です。
現場の看護師や検査技師、医事課の方に事前に依頼をすることも多く、治験実施計画書からの逸脱がないよう、中心となって準備をする役割となります。
治験での就業先は大きく2つ、企業である治験施設支援機関、病院内の治験管理室です。
1つ目の治験施設支援機関とは、治験を製薬会社から受託している企業であり、担当者として契約をしている病院やクリニックに出向いて医師のサポートをします。
2つ目の病院内の治験管理室では、病院で受託をした治験をいくつか担当を決めて実施します。
病院内の治験管理室では、症例も多岐に渡り、がん領域や免疫系疾患など、入院での投薬が組み込まれた治験も多くあります。
したがって、病院内の募集はコーディネーター経験者となることが多いので、募集要項もよく確認をしましょう。
また治験コーディネーターは、看護師の他にも、薬剤師、臨床検査技師など、理系の知識が求められる職種となります。
前職が看護師だけではないので、職場でのコミュニケーションによって、未知の知識を得たり違った見方ができたりします。
働き方は主に日勤となりますので、プライベートと両立させやすいのもメリットです。
しかし、治験実施をしているクリニックや医師の都合や、治験に参加している被験者の状況によっては、残業が多くなり、勤務時間が不規則になる場合もあります。
自分が新薬開発に携わることで、いまだ有効な治療法がなく病気で苦しんでいる多くの患者を助けられるという使命を感じられます。
メリット
◆主に日中勤務となり、週末が休みであることが多い
◆コミュニケーションスキルが磨かれる
◆最新の薬学知識が学べる
◆病院以外への人脈も広がる
◆新薬開発に携わることに、やりがいを感じる
デメリット
◆案件によって、出張や残業が増えたりする場合がある
◆ビジネスマナーやパソコンスキルが覚える必要がある
未経験者の年収相場:300〜400万円 | 経験者の年収相場:400〜500万円 |
学校、保育園・幼稚園 / 看護師.保健師の仕事
学校保健室勤務、いわゆる保健室の先生。
勤務するためには、養護教諭免許状を取得した後に教員採用試験に合格するか、養護助教諭(講師)として採用されます。
教員採用試験は、看護師資格をもっていると加点されることもあるようですので、看護師から転職する際は準備が必要ですね。
各自治体の保健センターでは、保健師の資格が必要となります。
仕事内容は、各自治体で健康診断を実施したり、健康相談に応じたりなど保健指導を通じて住民の健康を守ります。
看護師資格のみの場合は、保育園・幼稚園、大学での就業が可能です。
仕事内容は、園児や学生、そして職員の健康管理および保護者からの相談や面談に応じます。
どちらも、平日の日中勤務となり夜勤や残業がなく、カレンダーどおりに休むことができるため、ワークライフバランスが取りやすいため人気の職種です。
保育園・幼稚園勤務では子育て知識を学べたり、自分の子育ての経験を活かしたりできる点でも有利な職場です。
一方、デメリットとして、ほとんどの施設は看護師1名体制であるため、医療や看護に関する判断を自分1人で下す場面が多くなります。
実際に医療行為を行う場面は少ないですが、判断力を求められる職場です。
メリット
◆夜間勤務がない
◆過度な残業もほとんどない
◆子育てや家事と両立しやすい環境
◆緊張感やプレッシャーはそれほどない
◆子育てに役立つ知識が学べる、経験を活かせる
デメリット
◆臨床から離れる寂しさや不安を感じる
◆基本的に看護師1名体制のため、自分で判断し対応しなければいけない場面が多い
年収相場:300〜400万円
医療系コールセンター
医療系コールセンターとは、お客様からの医療に関する問い合わせに対応する仕事で「企業の窓口」的な存在となります。
仕事内容は、医療や健康に関する相談への対応から薬の飲み方・効果の説明、医療機器の取り扱いや使用方法まで内容はさまざまです。
ほとんどのコールセンターは、夜間勤務はなく基本的に土日祝日は休み、休暇もカレンダーどおりに取れるため、プライベートの時間を重視したい人におすすめです。
ほとんどデスクワークなので、病棟と比べ身体的負担が軽減できる点もメリットとなります。
デメリットとしては、看護技術力が落ちること。
また、電話から得られる情報だけから的確なアドバイスをしなければならないので、3~5年以上の臨床経験とともに、豊富な知識と判断力が必要になります。
メリット
◆夜間勤務がなく、土日祝日が休日
◆体力的にも負担が少ないデスクワーク
◆ワークライフバランスを考えた働き方ができる
◆臨床経験の条件を満たしていれば、ブランクがあっても採用されやすい
デメリット
◆看護師としての腕が落ちる
◆3~5年以上の臨床経験やパソコンスキルが求められる
◆電話で得た情報だけから判断を下すことに、プレッシャーを感じる
年収相場:450〜500万円
トラベルナース
いよいよ最後、プラス1であるトラベルナースです。
安定した転職先を希望される方も多いかと思いますので、ご参考までに+1として載せました。
トラベルナースは、昨年テレビドラマで一躍注目を浴びていますね。
応援ナースや応援看護師とも呼ばれ、一定期間ごとに勤務先を変えて赴任する看護師のことです。
この新しい働き方は、看護師さん不足の解消のためにアメリカで始まり、現在では約8人に1人がトラベルナースとして活躍しています。
日本では、大都市部もしくは地方や離島の看護師不足解消のために作られたシステムです。
ドラマの看護師「歩ちゃん」もアメリカ帰りでしたね。
「新しい看護領域にチャレンジしてみたい」、「期間限定で働きたい」、「仕事をしながら休日は地元の海やレジャーを楽しみたい」、「本格的な復職の前に少し働いておきたい」等、それぞれ目標がある方にお勧めです。
3~6か月の契約期間が多いのですが、期間延長やそのまま就職ができることもあります。
勤務地は、住んでみたい大都会やのんびりとした田舎町、そして憧れのリゾート地や応援したい街など日本各地に存在し、自分の好みで選べますね。
テレビドラマではかなり優秀な看護師の設定でしたが、日本でも需要が高まり、少しずつ利用されるようになってきました。
メリット
◆好きな地域での仕事ができる ◆高収入
◆集中して仕事をした後に、まとまった休みが取れる
◆病院内の委員会やプリセプターなどの役割を担うことが基本的にない
デメリット
◆勤務が多忙、残業が多い
◆人間関係の構築に努力が必要
◆短期間のため、計画性が必要
月収相場:40~50万円
看護師が病院以外に転職するメリット・デメリット
看護師の職場として一番に思いつくのは「病院」です。
しかし、実際に現場で働いていくうちにさまざまな不満や問題がでてきて、病院以外へ転職をする看護師も少なくありません。
では、なぜ病院以外への転職が増えているのでしょうか?
この章では、看護師が病院以外で働くメリット・デメリットを紹介しています。
「在職している病院の働き方に不満がある方」「将来的に病院以外で働くことを考えている方」は、ぜひ職場探しの参考にしてください。
病院以外で働く3つのメリット
夜勤や残業がほとんどないため、体力的負担が少ない
病院看護師の夜勤は少人数体制で働くため、看護師1人当たりが担当する患者数が多くなります。
さらに、夜間外来や入院患者の急変対応が重なると、仮眠や食事を取る時間もなくなり、体力的負担が大きくなります。
一方病院以外の職場では、基本的に日勤となり夜勤や残業もほどんどなく、夜間の急患対応もありません。
さらに、病院のような高度な医療行為をすることもなく、精神的・身体的な負担は軽減されます。
ワークライフバランスをとりやすい
病院以外の職場では、基本的に日勤となり、休みは規則的に取ることができます。
「家事・育児との両立」「家族と計画して旅行にでかける」など仕事とプライベート時間を両立させたワークライフバランスを考えた働き方をしやすくなります。
医療ミスや命のリスクに直結しないため、プレッシャーが少ない
病院勤務の看護師は、一歩間違えれば患者の命や健康リスクに直接かかわる業務が多くあり、常にミスを起こさないよう緊張して仕事をしています。
一方病院以外の職場では、健康管理や応急処置が主の業務となるので、精神的なプレッシャーはかなり少なくなります。
病院以外で働く6つのデメリット
求人数が少なく競争率が高いため、万全な対策が必要
看護師の転職は「売り手市場」言われているため、どこの職場でも転職しやすいと思われがちです。
しかし病院以外の職場は、1職場に看護師の採用が1~2人の場合が多く、求人数が少なく、競争率が高くなる傾向にあります。
その中でも一般のクリニック・訪問看護ステーション・介護施設は、比較的求人数が多く、転職しやすい職場です。
一方、美容クリニック・一般企業・保育園は、求人数が少ないうえ人気が高いため、転職先としては狭き門となっています。
病院以外の職場に転職したい場合は、自己分析をしっかりしたうえで、「自分の強み・弱み」「これまでの看護知識やスキル」などの自己アピールができるよう、万全の対策を立てて転職活動に臨みましょう。
給与が下がることが多い
病院看護師の給与と比べると、夜勤がなく残業も少ないため、産業看護師・美容クリニックを除きほとんどの職場では給与が下がってしまいます。
経験を積み、キャリアアップすることで給与が上がる仕組みになっている職場もあります。
病院以外へ転職したい場合には、「どのくらい給与が減ってもよいか」「今後のキャリアプランでいくら収入アップが見込めるのか」など、事前にシミュレーションをしておくと良いでしょう。
病院看護師への復帰は難しい
病院以外の職場では、健康管理や応急処置が主な業務となります。
病院のような最新医療や新たな看護スキルを学べる機会は減少します。
病院とそれ以外の職場ではシステムが違うので、病院に復帰する際には、ギャップを感じることが多くあります。
ブランクに不安を感じている人は、公的・民間主催の復職支援研修に参加したり、通信講座や看護の本・アプリなどで復習できたりするので、ぜひ活用してください。
医療や看護以外の仕事も多い
病院以外の職場では、看護師だけでなく他のスタッフの人数も限られています。看護の仕事だけでなく、介助や雑務、クレーム処理など看護以外の仕事を兼務することがよくあります。 このような業務に慣れていない場合、戸惑いや不安を感じるかもしれません。
また看護師の人数が少ないので、休みを取る場合、仕事のフォローやシフトの交代を綿密にお願いしなければいけません。希望どおりの休みや急な休みが取りにくくなる可能性があります。
異業種間の人間関係に悩む
人間関係の悩みは病院を退職する理由として、常にトップにある問題です。
病院以外の職場では、ケアマネージャー、介護士、保育士などさまざまな職業の人と連携して働きます。
異業種による考え方の違いがありますが、バランスを取りながら働く必要があります。
病院以外の職場では、連携して働くスタッフの仕事を尊重しながら看護ケアを行っていくと、良い人間関係を構築できるでしょう。
臨床経験3年以上が求められる職場が多い
病院以外の職場では、臨床経験3年以上を問われる求人が多い傾向です。
教育研修が充実している職場であっても、職場に看護師が自分1人という場合も少なくありません。
場面に応じた判断力・対応力が求められます。
病院以外の職場は看護師1~2人体制のところが多いため、緊急対応となった場合、その場での的確な判断力や対応力の高さが求められます。臨床経験3年以上あると即戦力があると期待され、転職活動に有利です。
看護師が病院以外の転職で注意すべきポイント
転職活動を始めると、
「早く今の職場を退職したい」
「なかなか内定がもらえない」
「転職先を早く決めないと、良い求人がなくなってしまう」
など、思うように転職活動が進まず、焦ったり不安を感じたりします。しかし、焦って転職先を決めてはいけません。
焦って転職活動をすると、「早く内定をもらう」ことが目標になり、「なぜ転職をしたいのか」「転職してなにをしたいのか」など本来の転職の目的がおろそかになってしまいます。
自分が理想とする職場やキャリアを手に入れることが、本来の転職の目標です。
この章では、これから転職を考えている看護師の人が「転職に失敗しないための5つのポイント」を紹介しています。
これらのポイントに注意して転職活動を進めると、きっと理想とする転職先に出会えます。
転職サイトは2社以上に登録しましょう
看護師転職サイトには2社以上に登録してください。
なぜなら、1社のみの利用では以下のようなリスクが起こる恐れがあるからです。
1社しか利用しない場合のリスク
◆1社だけでは求人の量も情報も足りず、希望条件に合った求人に出会えない
◆各サイトが保有している未公開求人を見逃してしまう
◆比較対象がないため、自分と相性が合うアドバイザーを見極められない
◆比較対象がないため、自分に合う転職サイトを見極められない
各転職サイトは「病院の求人に特化したもの」「クリニックの求人に特化したもの」「幅広い職場の求人に特化したもの」など、それぞれ力を入れている職場が違います。
1社だけの利用だと条件に合う求人を探せない場合や、好条件な求人を見逃してしまう可能性があります。
転職サイト複数社登録した方が、その数の分だけ応募先の選択肢が増え、理想の求人に出会えるチャンスが高くなります。最低でも2社以上に登録しましょう。
希望条件を書き出し、優先順位をつけましょう
転職をしたいと思ったら一旦立ち止まり、「なぜ転職をするのか、今がそのタイミングかどうか」を考えてください。
そして自分の希望条件を書き出し、絶対に譲れないものは何かを確認するためにも優先順位をつけて整理しましょう。
転職する理由は、スキルアップ、収入アップ、ワークライフバランスなど人によってさまざまです。
これらに優先順位をつけ、絶対に譲れないものを明確にすることで、自分の条件に合った求人を絞りやすくなり、入職後のミスマッチを防げます。
キャリアアドバイザーには、どんなことでも相談しましょう
各転職サイトには「キャリアアドバイザー」というプロの転職アドバイザーが在席しており、転職希望者に対して転職成功までのさまざまなサポートをしてくれます。
具体的には、「条件に合った求人紹介」「面接の日程調整や給与交渉」「履歴書の添削や模擬面接」などです。
「今の職場に不満があるけど、今すぐ転職すべき?まだ転職の時期ではないような気もしますが・・」
少しでも転職に興味を持ったら、どんなことでも相談してアドバイスをもらいましょう。きっと自分のキャリアビジョンや希望条件が見えてくるはずです。
働きたい職場を最低2~3つリサーチしましょう
自分の勤務条件にあう働きたい職場が見つかったら、キャリアアドバイザーに職場見学の日程を組んでもらいましょう。
転職してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、事前に職場の雰囲気などを知っておくのも大事です。
職場見学をするときのチェックポイントは、
1.院内はキレイで整頓されているか
2.病院スタッフは、自分や患者に挨拶をしているか
3.休憩室や仮眠室はあるか
4.看護師や患者の数
などを確認すると、働きやすい職場かイメージできます。
希望する職場の口コミは、事前に確認しておきましょう
応募する転職先を決める前に、希望する職場のリアルな口コミを確認しておきましょう。
自分が希望する職場において、「看護師の業務の質」「職場の人間関係」「残業や夜勤の多さ」などは、求人情報や職場見学からでは見えてきません。
口コミサイトは、実際に働いている人や働いていたことがある人のリアルな体験や感想を知ることができます。
これらの情報を事前に把握することで、働きやすい職場かどうかイメージでき、入職後のミスマッチや後悔を防げます。
口コミサイトの中には、偏った意見や信憑性に欠くものあるため注意が必要です。複数の口コミサイトを利用すると良いでしょう。
新卒看護師は病院以外へ転職しても大丈夫?求人探しのコツも紹介!
結論から言うと、新卒看護師が病院以外へ就職や転職をすることはおすすめしません。なぜなら、どこの職場においても即戦力や長く勤めてくれる方を求めているからです。最低でも3年間はしっかりと臨床経験を積んでから転職を考えるのがよいでしょう。
この章では、「新卒看護師が転職先を選ぶ3つのポイント」と「新卒看護師を受け入れてもらえる求人探しのコツ」を紹介しています。これらを知ることで、スムーズな転職活動ができるでしょう。
新卒看護師が転職先を選ぶ3つのポイント!
2交代制を採用している職場を選ぶ
多くの病院は、2交代制か3交代制を導入しています。新卒看護師の場合、生活リズムを整えやすく、ゆっくり休む時間が取れる2交代制の職場を選ぶとよいでしょう。ここでは、それぞれの特徴をさらに詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
2交代制(日勤と夜勤のシフト)
<シフト例>
日勤8:00~17:00(8時間勤務)/夜勤16:30~9:00(休憩2~3時間含む16時間勤務)
<メリット>
◆2パターンのシフトなので、生活リズムを安定させやすい
◆休日の回数が多く、まとまった休みがとりやすい
◆深夜出勤がないため、防犯上安全である
<デメリット>
◆夜勤が長いため、体力的・精神的にツライ
◆家族や友人と予定を合わせにくい
3交代制(日勤・準夜・深夜のシフト)
<シフト例>
日勤8:00~17:00(8時間勤務)/準夜勤16:30~00:30(8時間勤務)/深夜勤0:00~9:00(8時間勤務)
<メリット>
◆各シフトの勤務時間が短いため、仕事に集中しやすい
◆業務量が多くなった場合でも、残業が少ない
<デメリット>
◆次の休みが近いため、連休が取りづらい
◆シフトが3つあるので、睡眠や生活のリズムが崩れやすい
◆準夜勤の帰宅、深夜勤の出勤では、深夜の外出となり防犯上不安がある
新人研修や教育体制が充実している病院を選ぶ
新卒看護師は、「プリセプター制度」や「ジョブローテーション」など新人研修が充実している病院を選ぶようにしましょう。
教育制度が整っていないと、看護の知識やスキルが不十分な状態での勤務となり、自分も不安な上、周りにも迷惑をかけてしまう恐れがあります。
職場を探す場合、新人研修やスキルアップ研修など教育体制が整っている病院を選ぶと安心して仕事が続けられます。病院のHPや求人情報で確認をしたり、キャリアアドバイザーに相談しましょう。
実際に病院見学やインターンシップに参加する
応募したい病院が絞り込めたら、2~3つの病院見学やインターンシップに参加しましょう。
「高収入・高待遇=よい職場」と思いがちですが、働いてみたら、「残業が多い」「人間関係がよくない」など働きにくい環境である場合が少なくありません。
特に、スタッフ同士や患者とのコミュニケーションを観察してください。そうすることで、自分が理想とする病院かどうかが見えてきます。
新卒看護師が求人を上手く探す2つのコツ!
1つの情報ツールだけでなく、複数から情報を取るようにする
新卒看護師が初めて転職をする場合、看護業界や転職事情に詳しくないため、どのように転職活動をしてよいか悩む人が多いようです。
とりあえずで見つけた求人サイトを利用して転職した結果、後悔する職場だったというケースも少なくありません。
また、準備せずに転職活動を始めてしまうと、履歴書や面接でうまく自己PRができず内定がもらえないなど、転職活動がうまくいかないこともあります。
「なぜ転職したいのか」「どんな職場で働きたいのか」を明確にし、複数のツールから情報を得て、転職活動をするのがおすすめです。
自己分析と転職目的を明確にしたうえで、看護師転職サイトやハローワーク、知り合いなど複数から職場の情報を得るようにしましょう。
看護師転職サイトの条件検索を利用する
新卒看護師の場合、通っている看護学校からの斡旋などで就職するケースが多いようです。
しかし、最近はネット上で無料登録できる看護師転職サイトを利用して、スムーズに就職や転職に成功している新卒看護師が増えています。
看護師転職サイト使って求人検索をする際、条件を「新卒歓迎」「未経験可・ブランクOK」などと指定すると、自分の看護スキルや教育制度が整った転職先を探せます。
このような病院は、新人研修やブランクがある人向けの教育制度が充実している場合が多いです。しかも新人看護師の受入れも多く扱いにも慣れているため、安心して働ける職場だと言えます。
看護師転職サイトは使わない方がいい?メリット・デメリットを紹介!
今ではさまざまなサービスを提供する看護師転職サイトが存在し、これらを利用して転職活動をする看護師が増えています。
看護師転職サイトでは、条件にあう求人探しから入職後のサポートまで、すべて無料で受けられるので便利です。
看護師転職サイトのメリットを感じる人が多いのですが、口コミサイトなどでは「転職に不利になった」「使って失敗した」といった声も聞かれます。
この章では、看護師転職サイトを実際に利用した人の声から、メリット・デメリットとして紹介します。
看護師が転職サイトを使う7つのメリット
看護師転職サイトを利用して転職を成功させた方はたくさんいます。転職サイトを利用してよかった点はいくつかありますが、大きくまとめると次の7つです。
転職サイトを利用することで、希望に沿った求人を紹介してもらえるのはもちろんですが、履歴書・面接・条件交渉など、さまざまな面でサポートを得られるのがメリットです。
看護師が転職サイトを使う4つのデメリット
中には「転職サイトを使わない方がよい」と感じている方もいます。その理由は大きく分けると次の4つです。
看護師転職サイトに登録すると、担当者からの連絡が入ります。
おすすめの求人情報や転職活動のサポートに必要な連絡ですが、「仕事中に電話がありわずらわしい」「自分のペースで転職活動がすすめられない」などの不満やトラブルも起こりがちです。
そのような場合は、「連絡はメールで」など自分の希望を伝え、時には担当者を変えてもらうなどの対応もできます。
自分の転職プランに合わせて転職サイトを利用すれば、メリットを感じやすくなります。
看護師の転職サイトおすすめランキング9選
下の関連記事では、「看護師の転職サイトおすすめランキング9選」を紹介しています。転職サイトによって、取り扱う業種・勤務地など違いがあります。関連記事を読んでいただき、ぜひ、自分に転職プランに合った転職サイトを見つけてください。
まとめ
看護師の資格は病院以外にも必要とされている資格であり、さまざまな働き方ができますね。
保健師や養護教諭など、新たに資格が必要となることもありますが、これからどんな仕事をするのか考えるきっかけとなったら幸いです。
転職を考えたら、まずは転職サイトに複数登録し、キャリアアドバイザーとともに自分に合った職場を見つけましょう。
最後に、「看護師が選ぶ病院以外の転職先10選+1」と「おすすめの転職サイト9選」を紹介します。
キャリアアドバイザーとともに、ご希望にあった転職ができることを願っております。