【男性保健師になりたい】仕事内容・年収・将来性について解説

かつては女性の職域とされていた保健師ですが、1993年の法改正以降、男性も活躍の場を広げています。

この記事では、男性保健師の仕事内容、年収、そして将来性について詳しく解説します。

健康支援のプロフェッショナルとして、地域社会や企業で活躍する男性保健師の実態と、この職業が持つ将来性を探ります。

保健師を目指す男性の皆さん、この記事を通じて、あなたの未来の姿を思い描いてみてください。

1.保健師とは

保健師とは、人々の健康的な生活をサポートする専門職です。

法律上、保健師は「厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者」と定義されています。

保健師になるためには

保健師になるためには、看護師と保健師の両方の国家資格に合格する必要があります。資格の主な所得方法は2つあります。

1.看護師国家試験合格後に保健師養成学校を経て保健師国家試験を受験する。
2.4年制大学の看護学部または4年生看護専門学校を卒業し、看護師と保健師の国家資格を同時に受験する。

どちらにしても国家資格を2つ所得するため、大変な道のりです。

男性保健師もいるのか?

男性保健師もいます

かつて保健師は女性だけの仕事でした。しかし、1993年(平成5年)の法改正 で「保健師」となり、男性も働けるようになりました。

保健師は人々の健康な生活をサポートする職業です。保健師助産師看護師法によると保健師は以下のように定められています。

第二条 この法律において「保健師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者をいう。

引用:厚生労働省 保健師助産師看護師法

保健師の種類

保健師は職場ごとに分類されます。

  • 行政保健師
  • 産業保健師
  • 学校保健師
  • 病院保健師

それぞれの保健師について少し詳しく説明します。

行政保健師

  • 地域の保健所や保健センター、地域包括支援センターで勤務する保健師
  • 公務員として公的機関で働く
  • 就業場所別にみると、54.8%と最も多い

産業保健師

  • 民間企業で働く保健師
  • 企業の社員の健康管理や保健指導をおこなう

学校保健師

  • 学校で働く保健師
  • 学校の生徒や教職員の健康管理をおこなう

病院保健師

  • 医療機関で働く保健師
  • 健診センターや地域連携室に所属し、患者さんの健康指導や退院調整をおこなう

2.男性保健師の実態

男性保健師はどれくらいいる?

保健師の人数は60,299人です。

男性保健師は保健師全体の1,929人(約3.2%)と少数で、女性が圧倒的に多い職業です。

しかし、平成30年と比較すると4.6%の増加率が報告されており、徐々にですが増えてきています。(令和4年衛生行政報告例より)

保健師の年収

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、保健師の平均年収は約481.3万円となっており、月収や賞与の額は以下の通りです。

  • 月収:約33.4万円
  • 賞与:約87万円

また、就業先の規模別に分けると以下のような年収になります。

  • 1,000人以上:約515万円
  • 100〜999人:約477万円
  • 10〜99人:約410万円

保健師の年収は就業先の規模が大きくなると、増える傾向があります。

男性保健師のメリット・デメリット

保健師の業務自体に性別は関係ありませんがメリット・デメリットは存在します

男性保健師のメリット・デメリットは以下のようになります。

メリット

  • 男性にとって、同性ならではの共感や相談のしやすさなどが評価される。
  • 男性の育児休暇取得が増加しており、父親が乳幼児検診に来ることが増えてきている。父親への育児の指導やアドバイスなど、男性の立場から情報提供ができる。

デメリット

妊娠・出産や母乳などを扱う母子保健業務については、女性に対する細やかなフォローが必要なため、女性保健師の関わりが適しているケースがある。相談をする側の母親たちが女性保健師を望むこともある。

デメリットについては、女性保健師と連携し、カバーしあえるといいですね。

男性保健師の将来性

保健師は人間が健康に生活をするためのサポートをする職業です。性別は関係なく、保健師がはたらく場所はさまざまできます。

また、これまで保健師は公衆衛生面の役割において注目されてきました。近年の日本は、心身の健康が要因となる様々な社会問題を抱えています。

  • 少子高齢化
  • メタボリックシンドロームに代表される生活習慣病の増加
  • うつ病などのメンタルヘルス問題
  • ネグレクト(育児放棄)
  • 過労
  • いじめ
  • アルコール・薬物依存症
  • 引きこもり
  • 自殺者の増加

多くの問題に対処するため、保健師の役割はこれからますます重要になっていくと考えられます。

保健師の具体的な業務内容

保健師の主な業務は地域住民の健康維持・増進を図ることです。具体的な業務内容は主に下記の6つです。

  • 健康相談・保健指導
  • 健康診断・検診の実施と事後指導
  • 感染症対策
  • 地域保健活動の企画・立案
  • 災害時の保健活動
  • 関係機関との連携

それぞれの業務について少し詳しく説明します。

健康相談・保健指導

  • 生活習慣病予防
  • メンタルヘルスケア
  • 母子保健
  • 高齢者の健康管理

健康診断・検診の実施と事後指導

  • 乳幼児健診
  • 特定健康診断(メタボ検診)
  • がん検診

感染症対策

  • 予防接種の実施と管理
  • 感染症の動向調査
  • 感染症予防の啓発活動

地域保健活動の企画・立案

  • 健康増進計画の策定
  • 健康教育プログラムの開発

災害時の保健活動

  • 避難所での健康管理
  • 被災者のメンタルヘルスケア

関係機関との連携・調整

  • 医療機関との連携・調整
  • 福祉施設との連携・調整
  • 学校との連携・調整
  • 地域の自治会との連携・調整

男性保健師の活躍が期待される分野

男性が少ない業種のため、男性だからこその活躍が期待されます。

  • 職場のメンタルヘルス対策
  • 地域の自殺予防活動
  • 父親支援・男性の育児参加促進
  • 生活習慣病予防のプログラム
  • 災害時の保健活動
  • 国際保健活動

それぞれの分野について少し詳しく説明します。

職場のメンタルヘルス対策

  • ストレスチェックの実施と事後フォロー
  • メンタルヘルス研修の企画・実施

地域の自殺予防活動

  • ハイリスク者の早期発見と支援
  • 自殺予防ゲートキーパーの養成

父親支援・男性の育児参加促進

  • 父親学級の企画・運営
  • 男性向け育児相談の実施

生活習慣病予防プログラムの開発

  • 男性特有の健康リスクに焦点を当てたプログラム作成
  • ICTを活用した健康管理支援

災害時の保健活動

  • 避難所運営における男性視点からの件子管理
  • 被災地での長期的な健康支援活動

国際保健活動

  • 発展途上国での公衆衛生プロジェクトへの参加
  • 国際的な感染症対策への貢献

性別に関係なく取り組める仕事もありますが、その中には男性だからこその視点が生かせる仕事もたくさんあります。

男性保健師を目指す人へのアドバイス

保健師を目指す中で、資格所得のための勉強や実践的なスキルの向上は必須です。女性の多い業種に挑戦する男性の方へのアドバイスです。

男性ならではの視点の活用を意識してください。

男性特有の健康課題や悩みに対する理解を深め、男性という立場からの健康支援のアプローチを考えるようにしてください。

男性が少ないからこそ、男性からの視点や立場というものは非常に重要になります。

また、様々なグッズを利用してスキルの強化を行いましょう。

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まとめ

1保健師とは

・人々が健康に生活を送るためのサポートをおこなう職業です。

・1995年の法改正にともない、男性も資格取得できるようになりました。

・資格取得には国家試験に合格する必要があります。

・職場別に種類が分けられます。

2男性保健師のいま

・保健師の平均年収は約481.3万円。

・全体から見ると人数は少ないですが、徐々に増えてきています。

・男性保健師のメリットは、男性から相談がしやすい点があります。

・男性保健師のデメリットは、母子保健分野において、女性が細やかな問題を相談しにくい点があります。

3男性保健師の将来性

・保健師のしごとに性別は関係なく、いろいろな場所ではたらくことができます。

・近年の日本が抱える問題に向き合うために必要な職業で、需要は高まるでしょう。

男性保健師はまだまだ少数ですが、その需要と重要性は着実に高まっています

少子高齢化や複雑化する健康問題に対応するため、男性の視点や特性を生かした保健活動が求められています。

今後、男性保健師がさらに増加し、多様な分野で活躍することで日本の公衆衛生の向上に大きく寄与することが期待されます。

保健師を目指す男性の皆さんには、この職業の意義と可能性を理解し、自身の強みを生かしながら、地域社会の健康づくりに貢献していただきたいと思います。

保健師という職業は個人の健康から地域全体の健康まで、幅広い視点で人々をの生活を支える重要な役割を担っています。

男性保健師の増加はさらなる多様性の発展を支え、より包括的で効果的な保健活動の実現につながるでしょう。

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