ラウンダー薬剤師とは?派遣薬剤師とどう違うのか調べてみた
ラウンダー薬剤師という働き方を聞いた事はありますか?
ドラッグストアや複数店舗をもつ調剤薬局ではラウンダー薬剤師の求人がみられるようになってきました。
ラウンダー薬剤師とは人員の不足している所をカバーするために複数の店舗で働く薬剤師のことです。
将来的に薬剤師は余っていくと言われてますが、今現在は人が少なく業務がまわらない店舗があります。
ラウンダー薬剤師はこの問題を解決するために需要がでてきたと考えられます。
ただ、人手不足で困っている所で働く薬剤師というと、派遣薬剤師の方がよく知られていますよね?
今回はあまりなじみのないラウンダー薬剤師と、以前からある派遣薬剤師を比較しながらラウンダー薬剤師について解説していきます。
ラウンダー薬剤師と派遣薬剤師の違い
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1 所属の違い
派遣薬剤師は派遣会社、ラウンダー薬剤師は企業に所属します。
派遣薬剤師は人手不足で求人が出ているところから自分で職場を選んで働きます。
一方ラウンダー薬剤師は企業の指示にしたがって薬剤師が不足している店舗で働きます。
派遣薬剤師の給料は派遣会社からでるため「よそもの」として風当たりの強い職場もあると聞きます。
同じ企業に属するラウンダー薬剤師はピンチを助けてくれる「仲間」として感謝してもらいやすいです。
2 収入の違い
一般的に派遣薬剤師は時給、ラウンダー薬剤師は年収での提示となります。
人手不足の店での即戦力として期待されているため、どちらも薬剤師の平均的な給料よりは高めです。
地域や勤務条件によって幅がありますが、派遣薬剤師は時給3000円以上での募集が多いようです。
しかし、労働者派遣法によって同一の派遣先事業所で働ける期間は原則3年までと定められています。
次の派遣先がすぐ見つかるかわからないため、安定して高収入を得続けるのは難しいかもしれません。
ラウンダー薬剤師は年収500~600万での募集が多く、年収700万以上での募集も存在します。
企業の業績の影響を受けることはありますが、派遣薬剤師と違い比較的安定した高収入が期待できます。
派遣薬剤師はコスパよく収入を得たい人、ラウンダー薬剤師は安定した高収入を望む人に向いています。
3 ワークライフバランスの違い
派遣薬剤師は自分の条件にあった職場を探します。
忙しい職場であっても勤務時間を短くしたり、曜日指定で働いたりと融通のきく働き方ができます。
また、派遣薬剤師は原則として勤務時間が決められているため残業がありません。
急な休みはとりにくいですが、ワークライフバランスのとりやすい働き方といえます。
逆にラウンダー薬剤師は企業の指示で常に忙しい店舗の手伝いに行く事になります。
また、1日に複数店舗回ることもありますし、企業によっては宿泊を伴うような長距離移動もあります。
人の少ない遅い時間にシフトが入ったり、発熱した職員の代わりに朝一出勤となることもあるでしょう。
そのためスケジュールは不規則となりがちです。
さらに翌日も同じ店舗にいるかわからないので残業することもあります。
毎日同じ職場と限らないので、薬歴などその店舗で完結させないといけない仕事を残せないからです。
ワークライフバランスを求める人には派遣薬剤師が向いています。
ラウンダー薬剤師は急な予定変更にも対応が必要なため、マネジメント能力がある人に向いています。
4 スキルアップしやすさの違い
派遣薬剤師とラウンダー薬剤師はどちらも即戦力を求められますが、仕事内容は場所により変わります。
調剤薬局で薬剤師しかできない仕事は処方監査、調剤、疑義照会、服薬指導、薬歴記入などがあります。
在宅をしていれば薬のお届けもあるかもしれません。
派遣薬剤師はどの職場でも決まった流れのある仕事をまかされる事が多いです。
期間限定の職員に幅広い仕事を教えるのは雇う側にとって負担だからです。
そのため同じ業務の繰り返しとなりスキルアップが難しいと言われています。
逆にラウンダー薬剤師のメリットとしてスキルアップのしやすさが挙げられます。
服薬指導ばかり任されたとしても、複数店舗を回れば対応する処方箋や患者さんの数が多くなります。
その結果、薬剤師としての経験値が積み上げられていきます。
整形の門前で痛み止めの話ばかりの日、皮膚科の門前で軟膏を混ぜるばかりの日もあるかもしれません。
しかし、それを毎日繰り返すことがないため、モチベーションも下がりにくいでしょう。
また、同じ企業の薬局でも全く同じ薬局はありません。
棚の配置が違ったり、置いてある道具が違ったりとそれぞれに働きやすくするための工夫があるものです。
複数の薬局を見れば「調剤ミスを防ぐ方法」「見やすい薬歴の書き方」などの引き出しも増えるでしょう。
ラウンダー薬剤師は転職することなく様々な職場を経験することができる薬剤師と言えます。
派遣薬剤師は同じ事の繰り返しが苦にならない人、ラウンダー薬剤師は変化を楽しめる人が向いています。
まとめ
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ラウンダー薬剤師と派遣薬剤師を比較して、ラウンダー薬剤師には以下の特徴があることがわかりました。
- ラウンダー薬剤師は企業に所属し、企業の指示で人手不足の店舗で働く
- 年収は500~600万と高めでの募集が多く、700万円以上の募集もある
- 1日に複数店舗まわったり、宿泊を伴う長距離移動や急な予定変更がおきる場合もある
- 転職せずに複数の薬局で働くことができるため、スキルアップがしやすい、モチベーションを維持しやすい
今回調べてみてラウンダー薬剤師は幅広い知識をもち、変化を楽しめる人に向いていると思いました。
また、変化に対応する柔軟性を持ち合わせた薬剤師ではないとできないお仕事だと感じました。
「ラウンダー薬剤師」というと今後「仕事ができる薬剤師」として頼られる存在になっていきそうですね。
変化を楽しみつつスキルアップしたいという方はラウンダー薬剤師という選択肢もありだと思います。
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また、ラウンダー薬剤師の募集はまだ多くはありません。
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