企業で品質管理をする薬剤師の仕事内容は?向いている人の特徴は?

企業で品質管理をする薬剤師の仕事内容は?向いている人の特徴は?

薬局や病院で働く薬剤師は、薬にはきちんと薬効成分が入っていると考えて効果や副作用を確認します。

「薬の有効成分の量がばらついてるかも?」「余分なものが入ってるかも?」と考える事は基本ありません。

それはお薬を、ひいては製薬メーカーを信頼しているからです。

そしてその信頼を築いてきたのは品質管理をしている人々です。

あまり注目されることはありませんが、薬物療法の根幹を支える品質管理にも薬剤師の仕事はあります。

今回は企業で品質管理をする薬剤師について調べてみました。

薬剤師による品質管理が求められる職場

主に医薬品メーカーで品質管理をする薬剤師の募集が行われています。

化粧品メーカー、健康食品やサプリメントのメーカー、食品メーカーなどでも薬剤師の需要はあります。

実は品質管理の仕事をするのに薬剤師免許は必須ではありません。

しかし、医薬品メーカーでは取り扱う商品が薬なので、薬に関する知識が必要となります。

品質管理を行うための試験や結果の分析にも薬学部で学んだ知識が使えます。

薬剤師であるということはそれらの基礎知識があるということの証明となります。

そのため、特に医薬品メーカーでは品質管理を行う薬剤師が必要とされています。

医薬品の品質管理

GMP(Good Manufacturing Practice)という言葉を聞いたことはありますか?

日本語では「適正製造規範/製造管理および品質管理の基準」と訳されます。

医薬品に限らずよいものを作るための考え方を示したもので以下の3つの原則があります。

  • 人為的ミスの防止
  • 医薬品の汚染や品質低下の防止
  • 高い品質を保証するシステムの設計

あんぱんを作るのも医薬品を作るのも同じ「ものづくり」なので品質管理に必要な原則は変わりません。

しかし、医薬品に関しては厚生労働省より「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(GMP省令)が出され、より具体的な内容が定められてます。

医薬品の品質管理はGMP省令に適合している医薬品を世に送り出す仕事といえるでしょう。

具体的な仕事内容

会社の組織体制、取り扱う薬の内容などにより具体的な仕事内容は変わります。

ただ品質管理には入荷~出荷までの間に薬剤の品質が保たれているか検査することが求められています。

そのため、品質検査とマニュアルや資料の作成を求められる事は間違いないでしょう。

品質検査

製造工程において原材料の質は問題ないか、出荷する製品に既定の成分がしっかり入っているかなどの検査を行います。

HPLC(高速液体クロマトグラィー)、溶出試験など目的に合わせて検査を行う必要があり、薬学部で学んだ知識を生かすことができます。

検査結果の解析も重要な仕事です。GMP省令に適合しない製品がみつかる事もあるからです。

その場合、原材料が悪いのか、製造工程に問題があるのか、人為的なミスなのかなど原因によって対応がかわります。

原材料を変えるのか、マニュアルを変えるのかなど判断する根拠を検査結果から読み取る必要があります。

マニュアルや資料の作成

あなたの技術が80点だとして、50点の人が同じ試験をしても同じように結果がだせないと品質管理は困難です。

再現性のある試験を行うためにマニュアルを作ったり、場合によっては試験方法そのものを見直したりする必要も出てくるでしょう。

検査結果や薬事関連の資料作成も品質管理の仕事です。

その他

問い合わせ対応、副作用情報の収集と提供などの品質保証に近い業務も任されることがあります。

製薬業界には製造現場での医薬品の質を管理する「品質管理」とは別に「品質保証」という部門があります。

品質保証は顧客の求める医薬品を滞りなく届け、安心して使用してもらうところまでを保証する仕事であり、品質管理とは切ってもきれない関係です。

品質管理部門と品質保証部門がまとめられている場合は、品質保証に近い仕事をすることもあります。

品質管理に向いている人の特徴

1ルーティンワークが苦にならない

品質管理の仕事では製品の品質を確認するために手順通りの試験を繰り返すことが多くなります。

その日の検査予定を確認し、スムーズに行えるよう計画を立てて検査を行う、ということを繰り返します。

「毎日同じ作業が多くて飽きた」と雑な試験をするようでは品質管理は務まりません。

2責任感が強い

医薬品の品質は保たれているのが当たり前と思われています。

薬を受け取る側から「あなたのところの薬は品質がいいわ」と言われることはあまりないでしょう。

感謝されることがなくても、薬の信頼を保ち、患者さんの健康を守るのが品質管理の仕事です。

そのため、仕事に対する責任感をしっかり持っている人が品質管理に向いています。

3論理的思考と問題解決能力がある

もし製品に問題が発生した時は原因を探り、対策を考える必要があります。

含量が少なかったとしたらもともと入れる量が少なかったのか、光や熱で分解したのかなど原因を探ります。

論理的思考で原因をつきとめ、対策を立てて問題解決できる人が品質管理には求められています。

4コミュニケーションスキルがある

試験などで得られた結果をもとに問題解決する際にはコミュニケーションスキルは必須です。

試験の結果を分かりやすく伝えられないと、問題点や対策について話し合うことができません。

また、チェック項目を増やすなど現場の負担が増える提案をする場合には「なぜ必要なのか」をしっかり伝えましょう。

成果がでたらその後必ずフィードバックをして皆で喜びを分かち合い、仕事を円滑に進めましょう。

医薬品は世界各国で取り扱われているため、英語でのコミュニケーションが取れる人は特に重宝されます。

まとめ

主に医薬品メーカーで品質管理に携わる薬剤師が求められています。

品質管理を行う薬剤師はGMPの原則を理解し、医薬品の品質を保ちます。

主な仕事内容は品質試験とマニュアル・資料の作成ですが、企業によってはその他の仕事も任されます。

品質管理薬剤師に向いている人の特徴は以下の4つです。

  • ルーティンワークが苦にならない
  • 責任感が強い
  • 論理的思考と問題解決能力がある
  • コミュニケーション能力がある

品質管理薬剤師は狭き門ではありますが、やりがいのあるお仕事です。

仕事内容によってはワークライフバランスのとれた働き方ができるというメリットもあります。

やってみたい、と思う方は転職サイトで募集をチェックするところから始めてみましょう。

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また、品質管理薬剤師は募集自体が少ないため複数の転職サイトで探すのがお勧めです。

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