「薬剤師」はAIの発展でなくなる!?その真相と生き残る術を解説!
最近、「AI(人工知能)によってなくなる仕事がある」という話を耳にする機会が増えました。
実は薬剤師も、なくなるといわれている仕事の1つです。
そう聞くと、「どこかで薬剤師を辞めなくてはいけなくなるのだろうか」と不安を感じる人も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、「薬剤師の仕事はAIによってなくなる」という話の真相を解説します。
本当に薬剤師の仕事はなくなってしまうのか?
今後薬剤師として生き残る術はないのか?
最後まで読み進めれば、AIに対する不安を解消できます。
真相を知る前に:AI(人工知能)が得意とすること
真相を知る前に、AIが得意とすることを知っておきましょう。これは薬剤師でなくとも、今後生きる中で知っておいて損はない知識です。
AI(人工知能)とは、文字通り「人工」的に作られた「知能」です。機械に、人間に近い知能を与える技術のことをいいます。
AIを作るには、大量のデータを必要とします。このデータをもとに、AIは考え、学び、行動します。
そのため、決まったルールがある作業・何かしらのデータをもとに行う作業をするのは、AIが得意とする分野なのです。
この特徴を活かすことで、AIに任せる仕事は増えつつあります。
本当に薬剤師の仕事はなくなるのか?
さて、上記のことを踏まえると、本当に薬剤師の仕事はなくなってしまうのでしょうか。
結論から言うと、薬剤師の仕事がなくなることはありません。
AIはルールがある作業・データをもとに行う作業が得意な半面、相手の状態に合わせてやり取りをする「コミュニケーション」が苦手です。
AIはあらかじめ持っているデータをもとに行動・学習をします。
そのため、目の前の「データにない」人に対して柔軟に対応を変えることができないのです。
薬剤師の業務の1つである「服薬指導」は、柔軟なコミュニケーションを最も必要とする業務です。
処方する薬の説明を患者にする中で、不安な様子はないか、納得できていない様子はないかなどを感じ取る必要があります。
こういったコミュニケーションができるのは、人間だけです。
服薬指導は薬剤師法(第25条の2)によって定められている必須業務です。なので、薬剤師の仕事がなくなることはないのです。
一部業務は人間ではなくAIが担っていく
薬剤師の仕事がなくなることはないと述べましたが。一部の業務は将来AIが全て担うことになるでしょう。
AIが得意とする分野は、薬剤師の業務でいえば「調剤業務」と「薬歴管理」がこれにあたります。
調剤業務も薬歴管理も、すでに一部はAIや機械が担いつつあります。
調剤業務を例にとります。
上記動画の「調剤業務」の説明部分を見ると、錠剤や粉薬のパッキング作業は機械が担っていることがわかります。
現在、薬剤のピッキングや、異物が入っていないか最後に確認する作業は人間の手で行われています。
ですが、いずれこれらの作業もAIが対応できる日が来るはずです。そうなれば、薬剤師の仕事から調剤業務はなくなることになります。
薬剤師として生き残るために必要なスキル
今後AIはますます発展し、普及していきます。
調剤業務や薬歴管理といった単調な業務ばかりやっていては、いずれAIに取って代わられてしまいます。
そんな中、薬剤師として生き残っていくためにはどのようなスキルが必要になってくるのでしょうか。
なくならない業務「服薬指導」で必要なスキルを中心にご紹介します。
コミュニケーション力
服薬指導において一番必要なスキルであると言っても良いでしょう。特に「伝える力」「聴く力」が求められます。
服薬指導では、患者に自分が飲む薬のことを理解してもらう必要があります。そうしないと、患者の健康に被害が及ぶ可能性があるからです。
薬の説明というのは、どうしても専門用語が含まれます。しかし、患者の多くは専門用語を知りません。
かみ砕いてわかりやすく説明し、しっかり理解・納得してもらうためには、「伝える力」は必須です。
「聴く力」は、患者の薬を飲む上での不安を解消する手助けをするために必要です。
患者の中には、薬のことは医師ではなく薬剤師に聞きたいという人もいます。
そういった患者の話を聞き、安心して薬を使ってもらえるように努めるのも、薬剤師の仕事です。
専門的知識
コミュニケーション力にもかかわってくるスキルです。
かみ砕いてわかりやすく伝えるにも、話を聞いて不安を解消するにも、薬学に関する専門的知識は必要不可欠です。
日々の勉強で知識をためることはもちろん必要です。
それにプラスして、「正しい知識を持っている」と証明するためにも、認定薬剤師の資格取得をおすすめします。
認定薬剤師とは、一定期間の研修や実技を通して定められた単位を取得し、最新の知識や技術を持っていると認められた薬剤師を指します。
以下の表は、認定薬剤師資格の一部です。これ以外にも様々な資格があります。
自分がどのような薬剤師でありたいのかを考え、そのうえでどの資格を取得するか選ぶとよいでしょう。
漢方薬・生薬認定薬剤師 | 漢方・生薬分野の専門的知識を習得している証明になる |
がん薬物療法認定薬剤師 | がん治療の薬物療法に関わる十分な知識と技術を持っている証明になる |
在宅療養支援認定薬剤師 | 在宅療養支援に関する知識・技能・態度を兼ね備え、薬物療養中の患者をサポートできる証明になる |
医療薬学専門薬剤師 | 医療薬学分野において、臨床経験に基づいた高度な知識と技能を持ち、教育・研究を実践している証明になる |
プライマリ・ケア認定薬剤師 | 医療に関する総合的なアドバイスを行える証明になる |
語学力
出入国在留管理庁が発表している報道資料によれば、令和5年末時点で341万992人もの外国人が日本に住んでいます。
これほどの人数がいると、日々の業務で外国人の患者に出会うケースも出てきます。
そんな時に語学力を身につけておけば、周りの薬剤師と差をつけられますし、現場でも重宝される人材となれます。
最低限、英語や中国語で日常会話ができるレベルは身に着けておくと良いでしょう。
また、薬の説明ができるように専門用語の単語を覚えておくのも必要です。
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まとめ
- 薬剤師の仕事はなくならない。ただし、一部の業務はAIが担っていく
- 今後AIの普及が進む中、薬剤師として生き残るためには
①コミュニケーション能力
②専門的知識
③語学力
の3つを身に着けるといい!
AIは人間の薬剤師の仕事を全て奪う存在ではなく、人間にしかできない仕事に時間を割くためのサポーターを担う存在です。
AIに任せられるところは任せましょう。その分、人間にしかできない仕事の質を高め、今後も薬剤師として生き残りましょう。
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