今どきの薬剤師研修はオンラインで無料なんですって聞いて驚く話

荒井ママレさんの「アンサングシンデレラ 病院薬剤師・葵みどり」という漫画をご存知でしょうか?

病院薬剤師の人間模様を描いた作品で、2020年に石原さとみさん主演でドラマにもなっています。

そのマンガの中では薬剤師研修をオンラインで行うために申し込みをするかしないかで、悩む主人公が描かれています。

結構金銭面が難しいといった内容でした。

それだけでも、あぁ、今どきだなぁと感じましたが、令和の今、なんと無料の研修があると言うではありませんか!

平成の初め頃は、風邪を引いて、調剤薬局に行くと時々、本日臨時休業とさせていただきますなんて、張り紙が出ていました。

薬剤師研修(有料で出張だったり薬局内で研修する)のためなんです。

しかし、令和の現在で臨時休業なんてほとんど聞かないし、研修どうしてるのかなぁ?と改めて調べました。

すると、今はオンラインで、しかも無料だと言う話に時代を感じます。

どうりで、臨時休業の文字をほとんど見ないわけです。

そんなわけで、今回は今どきの、薬剤師のブラッシュアップに欠かせない研修の内容を書いてみます。

また、その変遷(特にオンライン化・無料実施)について掘り下げていきましょう。

薬剤師研修では何をするのか

ひと口に、薬剤師研修といっても、その種類は様々です。

薬剤師1〜3年目くらいの研修から始まって、4〜6年目の中堅薬剤師研修、7年以上のベテラン研修はもちろんです。

他にはブランクを埋めるための研修に、マネジメント研修、専門分野の研修とキリがありません。

もちろん全ての薬剤師が知っておかないといけない研修もあって、これは最新の医薬品情報や薬物療法。

そして患者への服薬指導、電子薬歴の入力など、医療従事者として必要な知識やスキルを幅広く学びます。

また、薬学的専門性を深めるための症例報告や、医療チームの一員としての協調性やコミュニケーション能力を養うプログラムも含まれます。

これらはオンラインでは身につかないでしょう。

それでは、キャリアごとの研修の内容を見てみましょう。

キャリアによって違う研修の内容

新人薬剤師であれば、「社会人研修」が最初です。

学生から社会人への意識を切り替えを促す研修(入社直後など)が行われます。

その後、「OJT(On The Job Training)を通じて、調剤、監査、服薬指導などの研修を受けます。

また、ディスカッションやゲーム方式の研修を通じて、自己啓発や、患者さんへの接し方を学んでから、実地で実際に患者さんと対峙するのです。

薬事法規や制度、医療制度について理解を深める研修もあります。

そして、経験を積んでいくと「全体研修」で症例報告をしたり、特定の分野の専門知識を深めたりするのです。

人によっては研修認定薬剤師の取得に向けて、セミナー参加やe-ラーニングで単位を取得していくこともあります。

ここからが今回の無料オンライン研修で出来る内容になってくるのですが、どのような内容なのでしょうか。

その前に、この研修認定薬剤師とは何か、また取得する方法を見てください。

研修認定薬剤師とは何ですか?

研修認定薬剤師とは研修認定薬剤師制度(*)により、一定期間内(新規4年以内、更新3年毎)に所定の単位を取得し、財団に認定申請した後、認定された薬剤師のことを指します。

認定されたことにより、他の医療従事者や患者様からの信頼を高め、常に時代に即した薬学的ケアを行える薬剤師であることを示すことができます。

(*)研修認定薬剤師制度とは何か?

倫理、基礎薬学、医療薬学、衛生薬学及び薬事関連法規・制度など、広範な分野で、最新の知識とスキルを維持・向上させることを支援する制度です。

無料オンライン研修では何を学べるのか

さて、気になる無料オンライン研修では、何を学べるのでしょうか?

どうしても無料と聞くと、中身が薄いのではないか?何か裏があるのではないか?と言いたくなりますが、どうやらそうではないようです。

何しろ、かの日本薬剤師会研修プラットホーム(**)が無料で提供しているのです。

(**)日本薬剤師会研修プラットホームとは?

薬剤師にさまざまな研修を提供している機関で、都道府県薬剤師会の研修を取りまとめて会員にお知らせしている、仲介役の側面を持っています。

この仲介役的な日本薬剤師会研修プラットホームで内容薄かったら薬剤師の皆様がキレますよ、というわけで、何を学べるのか見ていきましょう。

この内容をはじめ様々なことが学べます

  • 薬局薬剤師を取り巻くICT化、オンライン、服薬指導、電子処方箋等に関するe-ラーニング研修
  • 5疾病(顔、脳卒中、心不全、糖尿病、精神疾患)及びAMR対策に関するe-ラーニング研修
  • 薬局における一般的な感染対策、新興感染症等への感染対策に関するe-ラーニング研修
  • 災害医療・薬事対応に関するe-lラーニング研修(被災地の薬局、薬剤師及び被災地支援を行う薬剤師が理解しておくべき内容です)

この他にも、研修は様々ありますので、薬剤師の皆様は積極的に受講すると良いでしょう。

オンライン研修のメリット・デメリット

オンライン研修は確かに便利ですが、デメリットもあることを忘れないでおいて下さい。

それでは、メリットとデメリットを挙げていきましょう。

最近のオンライン研修が無料なのはなぜ?

ここまで読んでみて、気にはなりませんか?

タダより高いものはない、とか裏があるのではないかとか。

しかし、調べてみると、様々な背景が浮き彫りになってきます。

どうやら、コロナ禍がキーワードになりそうですが、どうなのでしょう?

そもそもの背景として

やはり、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、集団型(リアル)研修が困難になったことがまず1点挙げられます。

そのため、必然的にリモート(オンライン)でやり取りする中で、オンライン研修が一般化したと言えます。

また、コロナ禍での特例措置により、オンライン診療やオンライン服薬指導が普及したため、薬剤師はオンラインでの対応に必要なスキルを研修で習得する必要が生じたのです。

つまり、コロナ禍がオンラインを普及させたということです。

確かにあのコロナ禍で自宅待機になり、何もかもがリモートで、仕事を進めるにはこの方法しかなかったとも言えます。

幸か不幸か、そのことによって、オンライン研修が盛んになったというわけです。

無料の秘密はここにあった!

そしてもう1つの疑問。なぜ研修が無料でできるのか?

以下のような理由と仕組みによって、できるようになったと言われます。

  • 製薬会社・医療機器メーカー:自社製品に関する知識を広める目的で、医薬品や医療機器に関する研修を無料で提供しています。
  • 調剤薬局チェーン:薬剤師の質の向上と人材確保のため、無料の研修プログラムを用意している場合があります。
  • 人材紹介会社:薬剤師の登録者数を増やすため、研修の提供をサービスの一環として行なっています
  • Webサイト運営会社:薬剤師向け専用サイトなどが、会員数を増やし、サイト内コンテンツの利用を促す目的で無料研修を提供しています。
  • 公益財団・社団法人:日本薬剤師研修センターの特別賛助会員制度など、様々な企業の支援を受けて、研修の運営を行なっています。
  • 大学:薬剤師の生涯学習支援を目的とした、大学主催の無料講座が提供されることもあります。

まとめ

ひと口にオンライン研修といっても、内容は様々で、忙しい業務の中での学びにおける、モチベーションを維持することは大変かもしれません。

しかし、学んだその先に得られる信頼は何物にも変え難い財産になるのです。

でも、私の勤めている薬局では使えそうにないかも・・・、と感じたら、転職して、使えたらいいですよね、ということで、こちら!

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