産業保健師は高収入って本当?年収相場と仕事内容を徹底解説!

もっとお給料のよいところってないかな?

経験も積んだし、そろそろステップアップの時期かもしれない

プライベートの時間を充実させられるところに転職したい

そんな思いを抱くことがあるのではないでしょうか。

ライフステージが変わると、仕事に対する向き合い方も変わります。

自分に合う働き方を求めたり、さらなるキャリアアップを目指すことは自然です。

特に給与面は仕事を選ぶ上で、重要な要素です。

保健師業界で高収入と言われているのが、産業保健師です。

その分人気は高く、求人倍率が数十倍になることもあるようです。

しかし、本当に、産業保健師は収入が高いのでしょうか。

もし、目指す場合はどんなスキルがもとめられるのでしょうか。

産業保健師の仕事内容

この章では産業保健師の仕事内容について解説していきます。

産業保健師は、企業内に勤務し、産業医や人事担当と協力しながら、企業で働く人たちの体と心の健康をサポートしています。

仕事中に体調不良になったスタッフを救護することもあります。

従業員は産業保健師がいることで安心して働くことができ、産業保健師は従業員にとって、心強い存在と言えます。

産業保健師5つの業務

健康診断の実施

産業保健師は、企業内の健康診断の企画・管理・運営を行います。

そして、産業医と連携し、その結果の分析・判定をします。

検査の結果、健康に問題があったり、フォローが必要な人に対しては、再検査の勧奨や保健指導、面談を行い従業員へ生活習慣改善のアドバイスを提供します。

ストレスチェック

ストレスチェック制度は2015年12月1日から、常時50人以上の従業員がいる企業に義務化され、従業員のメンタルの不調を未然に防ぐために実施されています。

このストレスチェックの企画・運営を行うことが産業保健師の重要な仕事の一つです。

ストレスチェックを分析し、メンタル不調者に対しては、個別面談を行います。

また、休業している従業員に対しては、復職に向けたフォローをします。

従業員のストレスの原因に一定の傾向がある場合は、業務や環境改善の必要性があるかを検討していきます。

健康教育

産業保健師は、従業員の健康意識を上げ、自主的に健康管理を行うことを促していきます。

そのため、禁煙、メンタルヘルス、運動習慣などをテーマに、定期的に研修会や講習会を通して、情報発信を行います。

安全衛生委員会への参加

安全衛生委員会とは労働安全衛生法に基づいて、一定の規模以上の企業には設置が義務付けられている委員会です。

この委員会では、従業員が安全に働けるよう労働災害の防止や職場環境の改善について話し合われます。

産業保健師は、産業医とともに、健康管理の専門家として委員会に参加します。

職場環境の改善提案

従業員が安全に働くことができるよう職場環境を整えることは産業保健師の重要な役割の一つです。

働く環境によって、健康被害を引き起こすこともあります。

例えば、部屋の室温や照明が適切に保たれているか、工場では腰や肩に負担がかかるような設備になっていないかなどは重要なチェックポイントです。

課題を見つけた時は、改善に向けた提案を行い、産業医、企業と連携し、職場環境の調整をおこないます。

産業保健師のやりがい

間近で関われるため、結果を見届けやすいと言えます。

サポートした結果、良い変化を見ることができると大きな喜びにつながります。

また、企業全体の健康増進プロジェクトに関わるため、自分の専門性を活かして企業貢献できている実感が得られ、これは大きなやりがいといえるでしょう。

産業保健師の収入について

産業保健師は一般的に高収入と言われることが多いですが、本当なのでしょうか?

この章では、保健師全体や看護師と比較した給与の現状について解説します。

保健師の給与状況

(内訳:月収平均が約35.1万円×12カ月+平均賞与約100万円)

しかし、これはあくまで平均。勤務先、勤続年数、雇用形態、地域によってばらつきがあります。

また、看護師の平均年収は約520万円になっています。(内訳:月収平均36.4万円×12カ月+平均賞与84万円)

賞与は保健師の方が高い傾向がありますが、平均月収は看護師の方がやや高い傾向です。

尚、この結果は看護師の夜勤手当やオンコール手当、残業などが反映されていないため、勤務条件によっては、平均値よりも高くなることもあります。

それでは、年代、勤務年数、施設規模についても検証していきましょう。

年齢別

保健師看護師
20代 350万円~400万円350万円~400万円
30代400万円~450万円 400万円~500万円
40代 450万円~500万円500万円~550万円
50代500万円~550万円550万円~600万円
参考:厚生労働省 令和6年度賃金構造基本統計調査 

勤続年数別

保健師看護師
勤続1~5年350万円~400万円350万円~400万円
勤続6~10年400万円~450万円400万円~500万円
勤続11~20年450万円~500万円500万円~550万円
勤続21年以上500万円~550万円550万円~600万円
参考:厚生労働省 令和6年度賃金構造基本統計調査 

保健師は自治体や保健所での勤務が多いため、年齢や勤務年数に応じて安定した収入が見込めます。

一方で、病院勤務が多い看護師は、夜勤、オンコール手当があると、月収があがります。また、病院規模が大きくなるほど、収入は高くなる傾向があります。

いずれも、一般的な傾向のため、施設によっては当てはまらないこともあります。

産業保健師の収入は大企業になるほど高い?

それでは、産業保健師の年収はどうでしょうか。

産業保健師は勤務する企業規模によって年収が大きく変わります。

一つの目安として10人以上の企業で働く30代企業保健師の平均年収467万に対して、1000人以上の企業では541万という報告があります。

平均的には400~600万とされ、企業規模によってばらつきがあります。

産業保健師になるには

産業保健師は中小規模であれば企業に1人、大企業であっても、数名の人員体制。

人気があるにも関わらず、求人が少なく、1つの応募枠に希望者が殺到することもあるくらい、狭き門ともいわれています。

では、産業保健師になるにはどのようにしたらいいのでしょうか。

新卒や経験なしでもなれる?

産業保健師を目指すうえで、どのような経験や経歴が必要なのでしょうか?

新卒や未経験で産業保健師になることはできるのでしょうか?

場所によっては、未経験者や経験が浅い産業保健師がいるところもあります。

しかし、業務に採血や怪我の処置が含まれる場合は、臨床経験が必要になってくるため、「臨床経験3~5年以上」を条件にしているところは多いようです。

看護師でもなれる?産業保健師、産業看護師の違い

企業には産業保健師の他に看護師をおいていることがあります。

看護師でも産業保健師を目指すことはできるのでしょうか。

企業にいる看護師を産業看護師といい、免許の違いから、「産業保健師」「産業看護師」と名称は分けてよばれます。

主な仕事は、従業員の怪我・病気のケアなど、現場での直接的な医療対応や産業保健師と協力して、社内の保健業務を担当します。

工場など怪我の頻度が高い企業では、活躍の場が多いと言えます。

産業看護師は保健師免許は必要ありません。

業務分担としては産業保健師は、予防医療やメンタルヘルスケアなど、健康管理全般を包括的に担当し、産業看護師は医療的な業務が多い印象があります。

しかし、実際の現場では産業保健師と産業看護師の仕事内容に大きく違いがないところも多いようです。

転職するのに有利な経験や資格

産業保健師を目指す上で、少しでも就職活動を有利にすすめるために、必要な資格に何があるのでしょうか。

衛生管理者

衛生管理者は、労働安全衛生法により定められた国家資格です。

従業員50名以上の企業は、衛生管理者を1人以上置かなければいけません。

第一種と第二種があり、第一種衛生管理者免許は全業種の対応が可能です。

保健師は、申請のみで第一種衛生管理者の資格を取得することができます。

産業カウンセラー

産業カウンセラーとは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定している、会社で働く人に特化した「こころの問題を解決するため」につくられた資格のことです。

従業員の健康のためにメンタルケアは大変重要です。

産業看護の現場では役に立つ資格と言えるでしょう。

しかし、取得までに時間がかかることや高額な受験費用は負担になります。

費用に関しては、条件に該当する場合、厚生労働省から教育訓練給付金の一部が支給されます。

資格を取得する際は、該当条件を確認しましょう。

労働衛生コンサルタント

労働衛生コンサルタントは、厚生労働大臣指定登録機関である公益財団法人 安全衛生技術試験協会が行っている試験に合格すると、登録を受けられる資格です。

労働衛生の水準の向上を図るため、事業場の衛生についての診断や指導を行います。

保健師は10年以上の業務経験があれば受検資格を得ることができます。

難易度、受験へのハードルは高いですが、産業保健のエキスパートを目指すならば、有益な資格といえます。

保健師に一番大切なスキル

産業医や人事担当と連携を図り、従業員に寄り添い、心や体をサポートする上で、必要不可欠な能力と言えます。

まとめ

求人が少ないことから、就職の難易度が高いですが、その分目指す価値があるのではないでしょうか。

求人情報を逃さないように、ハローワークや転職サイトに登録し、企業ホームページの定期的なチェックも重要です。

産業保健師になるために必要な経験や知識を得ながら、長いスパンで転職のタイミングを探りましょう。

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