助産師資格を取りたい!学校選び・資格・仕事内容について解説
将来の進路を考えている女子高生。
ある日、助産師を取り上げたテレビ番組を観ました。
助産師が、かわいい赤ちゃんとお母さんをお世話する姿を観ていたら、自分もしあわせな気分になりました。
そして、助産師をめざして進学することに決めたのです。
進路相談室でたくさんの資料を見ると、助産師になるための学校がいろいろあることを知りました。
自分はどんな学校を選べばいいのかな?
助産師の仕事って,
具体的にはどんなことをするのかな?
助産師をめざす人へ、学校選びや資格・仕事内容について解説します。
1.助産師とは
助産師とは妊娠から出産、産後のケアや新生児ケアをサポートする専門職です。
2002(平成14)年に「助産婦」から「助産師」に名称変更がありましたが、助産師試験の受験資格は女性のみにあります。
第三条 この法律において「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。
引用:厚生労働省 保健師助産師看護師法
2.助産師になるために
看護師資格と助産師資格の両方が必要
看護師も助産師も国家資格になります。
助産師の資格を取得するためには、看護師と助産師の国家試験を両方受験して合格する必要があります。
例年、試験は2月、合格発表は3月におこなわれます。
助産師の資格だけを先に取得することはできません。
看護師の資格取得方法
・看護師国家試験に合格し、看護師免許を取得する必要があります。
・国家試験を受験するには、専門教育を受ける必要があります。
・おもに3つの方法があります。
①高校卒業後、看護大学・看護短期大学・看護専門学校で4年または3年の専門課程を修了する。
②中学卒業後、5年一貫の看護師養成課程のある高校で専門課程を修了する。
③准看護師資格取得後、看護短期大学・看護専門学校で2年の専門課程を修了する。
助産師の資格取得方法
・助産師国家試験に合格し、助産師免許を取得する必要があります。
・国家試験を受験するためには、専門教育を受ける必要があります。
・おもに2つの方法があります。
①看護師国家試験に合格後、助産師養成所や大学の専攻科、短大、大学院を経て、助産師国家試験を受験する。(看護師資格を既に持っており、さらに助産師資格を取得したい場合の方法)
②助産課程のある大学の看護学部を経て、看護師国家試験と保健師国家試験を同時に受験する。(不合格の場合は、翌年、再度両方を受験する。もしくは看護師国家試験→助産師国家試験の順で別々に受験する。)
助産師の養成課程では、卒業までに分娩10例をクリアしなければなりません。
しかし最近では、分娩数の減少により実習施設の確保が難しいこともあるようです。
引用:厚生労働省 job tag(職業情報提供サイト)
助産師の国家試験は難しいの?
厚生労働省の助産師国家試験・看護師国家試験の合格発表によると、合格率は以下のようになります。
試験開催年 | 助産師 | 看護師 |
---|---|---|
2019(平成31)年 | 99.6% | 89.3% |
2020(令和2)年 | 99.4% | 89.2% |
2021(令和3)年 | 95.6% | 90.8% |
2022(令和4)年 | 99.4% | 91.3% |
2023(令和5)年 | 99.6% | 90.4% |
過去5年の助産師国家試験の合格率は平均98%以上となっています。
また、2023年の助産師国家試験の合格基準は、総得点86点以上/143点となっています。
3.助産師の仕事
助産師がはたらく場所
厚生労働省の「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、助産師が働いている場所は以下になります。
ほとんどの助産師が病院、診療所で働いています。
また、助産師は助産所を開業することもできます。
助産師ができること
助産師の仕事は、おもに以下になります。
- 妊娠から産後までの母子の保健指導
- 育児指導や不妊治療の相談
- 正常な経過の妊娠、出産の分娩介助
- 思春期、更年期の相談
病院では、出産の介助、母乳ケア、新生児の健康チェック、赤ちゃんの入浴、育児指導をおこないます。
助産所では正常な経過の妊娠・出産のみ、妊婦検診、分娩の介助、母乳ケアや育児相談をおこないます。
そのほかにも、病院や自治体でおこなう不妊相談や遺伝相談、学校での思春期教室、更年期に関する相談外来などのしごとがあります。
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4.助産師のキャリアアップ
助産師の資格を基盤にして、さらに専門性の高い資格を取ることができます。
アドバンス助産師
日本助産評価機構が運営。
助産実践能力が一定の水準にある助産師に認証される。
知識や技術を磨き上げ、助産実践能力を維持・向上させて専門性を高めることができる。
産後ケアエキスパート助産師
大阪府助産師会が運営。
ハイリスク妊産婦をサポートする。
産後ケアリスト
日本産後ケア協会が運営。
産後の女性をサポートする。
認定遺伝カウンセラー(Certified Genetic Counselor)
日本認定遺伝カウンセラー協会が運営。
染色体や遺伝子情報が関係する病気をもつ患者や、その家族をサポートする。
専門看護師(Certified Nurse Specialist)
日本看護協会が運営。
13の専門看護分野があり、そのなかに『母性看護』分野がある。
看護師として5年以上の実践経験を持ち、看護系の大学院で修士課程の単位を取得し、認定審査に合格することで取得できる。
認定看護師(Certified Nurse)
日本看護協会が運営。
21の認定看護分野があり、そのなかに『新生児集中ケア』や『不妊症看護』分野がある。
看護師として5年以上の実践経験を持ち、日本看護協会が定める600時間以上の認定看護師教育を修め、認定審査に合格することで取得できる。
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まとめ
1助産師とは
妊娠から出産、産後のケアや新生児ケアをサポートする専門職です。
2助産師になるために
看護師と助産師の国家試験を両方受験して、合格する必要があります。
3助産師の仕事
助産師が働く場所は、病院・診療所が多いです。
おもな仕事は以下の内容です。
- 妊娠から産後までの母子の保健指導
- 育児指導や不妊治療の相談
- 正常な経過の妊娠、出産の分娩介助
- 思春期、更年期の相談
助産師は助産院を開くことができます。
4助産師のキャリアアップ
アドバンス助産師、産後ケアエキスパート助産師、産後ケアリスト、認定遺伝カウンセラー、専門看護師、認定看護師など、助産師の資格を基盤にした資格があります。
以上、助産師になる方法や、助産師になってからのキャリアアップについて解説しました。
自分にあった進路を選び、ステキな助産師になれるといいですね。