医師が退職する時はトラブル多発!医療の闇を振り払って明るい明日へ
『医師』に憧れますか?
高い年収、高いステータス、社会の中で尊敬されるお仕事としてたくさんの人々から畏敬の念を受ける『医師』
しかし、医師が退職を決断した時、そこには医療業界以外では思っても無いようなトラブルが待ち受けています。
「退職するなんてもったいない」誰もがそう思うかもしれません。しかし、そこには医療業界特有の闇が潜んでいます。
医師が退職する理由とどうやったら円滑に退職できるのか?
そんな深い悩みに迫っていきたいと思います。
医師が退職する際のトラブル
医師が退職したい理由
過重な勤務時間
週5日勤務として、全年代平均から1日あたりの労働時間を計算すると男性で11時間30分/日、女性で10時間45分/日になります。
一般的な労働時間と比較すると、どれだけ医師が激務なのかがわかります。
責任が重く、気の抜けないにも関わらず、過重な労働時間が重くのしかかります。
複雑な人間関係
医師の多くは大学卒業後に『医局』に属します。
医局に属した事のある、または現在属している医師は全体の85.8%になります。
大多数の医師が属する医局ですが、その中は非常に狭いヒエラルキーが構成されています。
医師の大半が所属する医局には、明確なピラミッド状の上下関係があり、これが「出世」や「学閥」といったような複雑な人間関係の要因となっています。
山崎豊子著 「白い巨塔」という有名な映画があります。この映画はフィクションなので、誇張されてるかもしれません。
しかし、”火の無いところに煙は立たない”ようです。(あるいは実態かもしれません)
また、医局内での上下関係だけでなく、看護師、薬剤師、コメディカル、事務スタッフと他職種とも連携を取らないといけません。
この輪の中で不協和音が起こる事は日常茶飯事、過重な労働に加え、気を遣う相手が多く、心身共にストレスを溜める結果となってしまいます。
退職する時に待ち受けるトラブルとは?
過剰な引き留め
医師がもし、退職を申し出た時には過剰な引き留めが起こるようです。
それは優秀な人材を逃したくないという事ももちろんありますが、それだけではないようです。
人材不足や他の要因も重なり、時には退職を伝えたとたんに、
「給与等待遇改善を提案してきた」「医師の使命感を煽ってきた」「義理を盾に圧力をかけてきた」
等など、あの手この手で引き留めに掛かってきます。
退職が承認されない
退職意向を伝えようとしたところ、「また今度聞くよ」や「今、忙しいから」など敬遠される事もあります。
または、「状況を見て言え」やシンプルに「無理」と言われるなど
待てど暮らせど退職の引継ぎや後任が来ないといった事が起こります。
複雑な人間関係
医局は特に明確な上下関係の元、大学教授が明確に権威を持ちます。
もし、権威者からの反感を買おうものなら、地域医療では就業すら困難になる事もあります。
仮に強引に医局を退職して、医師を継続したとして、学会、出身大学等で顔を合わせる機会も多いです。
こじれると、地域の病院等に悪評を流され、医師を続ける事ができなくなるような事態に陥ってしまう事もあります。
トラブルが起こる背景
では、なぜこんな事になってしまうのでしょうか?
病院の経営状況
引用:医療機関経営状況調査 全日本病院協会
医療
医療機関の経営状況です。
実に50%以上が経常赤字です。
本業の医業での利益では70%以上が赤字です。この状況が強く退職引き留めに作用します。
後任の採用費や患者からの信用、育成した医師に掛けた費用等、採算性がこれ以上に悪くなる事が懸念されます。
医師の就業状況
厚生労働省が発表した、医師の不足数に関しての調査結果です。人数でいうと約8,000人も不足しています。
言うまでもなく、もし、退職したら後任が見つかる保証はどこにもありません。
退職を聞き入れる事ができない状況であると言えます。
医局
最後に医局の存在です。
先のピラミッドの図にあるように、上下関係のはっきりとした権威者がいます。
退職者に対しては「掌を返した」ように受け取られがちです。
また、出身大学毎の「学閥」も組織を構成する上で、下位者の離反行為を許しません。
行き過ぎた離職引き留めや離反に対しての報復等もこのような「組織」ありきの体制から生まれます。
現状を打破する3つの方法
トラブルの原因を潰す
退職理由はポジティブに
退職する際についつい、不満を言ってしまいそうですが、ぐっと堪えましょう。
相手も不快な気持ちになるだけで、成る話もこじれてしまいます。また、敵に回すような事になると悪評を流されかねません。
- 培った知識を医師の不足している土地で活かしたい
- 現場でなく経営者になりたい
- 家業を継ぐ
等の前向きな理由を用意しておきましょう。
できるだけ早めの報告を行う
後任者の選定や新規採用等を考えると、最低でも3ヶ月から半年の期間は必要となります。
その間にカルテ等引継ぎ書を作成する事で円滑で誰にも迷惑を掛ける事なく進める事ができます。
転職先は誰にも言わない
退職を快く思わない事で、もし転職先を伝えてしまうと思わぬ妨害が入ってしまう可能性があります。
院内で噂になったり、退職までの期間に居づらくなったりしないように身近な人にも転職先は伝えない方が無難です。
転職エージェントを活用する
退職から転職まで一人で悩まずにプロに相談しましょう。
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それでもダメなら
最後の手段は、これもその道のプロに相談しましょう。
退職代行サービスを活用する
ただし、強行手段はやり方を間違うとその後の仕事に悪影響が出てしまうかもしれません。
その際には、お世話になった方々への挨拶や引継ぎをしっかりと残していくなど、「立つ鳥跡を濁さず」の姿勢は忘れずに持っておきましょう。
まとめ
一見華やかで、高ステータス、高収入の憧れの職業ですが、内情は一般社会には無いしがらみや複雑な人間関係が渦巻いています。
一人で悩まず、人に上手く頼る等、無理せずに退職できるようにしていきたいですね。