保険薬剤師に転職したい!最初にどんな登録をしないといけないの?
病院やドラッグストアで働いている薬剤師が、保険薬局への転職をするときには、登録をしないといけません。
今回は保険薬剤師への転職を考えている方向けに、仕事内容や登録について、詳しくまとめてみました。
キャリアアップの参考にしていただければと思います。
保険薬剤師とは
保険調剤薬局で働く人のことを保険薬剤師といいます。
保険調剤薬局とは、厚生労働省から保険指定を受けた薬局のことで、保険調剤業務がメインの仕事となります。
保険調剤とは、保険診療による医師の処方せんに基づいて、適用される薬を調剤することをいいます。現在、日本の薬局はほぼ保険調剤薬局です。
一方で、保険適用なしの調剤を行う薬剤師を調剤薬剤師といいます。この場合、保険外医薬品の費用は10割負担となります。
保険薬剤師と調剤薬剤師の違い
保険薬剤師も調剤薬剤師も、医師の処方せんをもとに調剤を行うという点では同じですが、医療保険適用の調剤ができるのは保険薬剤師だけです。
この部分が大きな違いになります。患者さんが医療保険などの適用を受けられる調剤を行っている薬剤師は、すべて保険薬剤師です。
一方、調剤薬剤師は、医療保険の適用がない調剤のみを行うことができます。この場合は、患者さんの費用は全額負担となります。
両者とも、調剤薬剤師というくくりの中で、保険薬剤師というのは「保険を取り扱える薬剤師」と認識しておけばよいでしょう。
医療保険とは
病気やケガで、病院に掛かった際の医療費を軽減してくれる制度で、公的な医療保険と民間の医療保険に分けられます。
公的医療保険とは
日本は国民皆保険制度を導入しています。
これは、全ての人が公的医療保険に加入し、全員が保険料を支払うことでお互いの負担を軽減する制度です。
また、医療費自己負担額は1割~3割で、職業形態や年齢により加入する保険が変わってきます。
- 健康保険(被用者保険)
会社員とその扶養家族が加入します(健康保険組合、協会けんぽ、共済組合) - 国民健康保険
自営業やパートなど、健康保険に加入していない人で、原則75歳未満のすべての人が加入します - 後期高齢者医療制度
原則75歳以上の人が加入します
民間の医療保険とは
民間保険会社が保険商品を販売しており、医療費への備えとして活用されています。
公的医療保険で保障される医療費とは別に、他にもかかる医療費負担を、民間の医療保険でカバーします。また、加入については任意になります。
保険薬剤師の主な仕事
- 保険調剤業務
保険医療機関から発行された処方せんに基づいて、調剤します。
患者さんに薬を渡す際に、薬の効能や効果、用法、用量などを説明します。
また、患者さんの現在の体調や、服用している他の薬などを聞き、薬の適正な処方を確認します。 - 保険点数算定業務
保険医薬品の費用を請求する業務で、診療情報から医療点数を計算し、診療報酬請求書といわれるレセプトを作成します。
レセプトは保険者へ提出されて、保険者の審査を受けて、診療報酬が決定されます。
患者さんが支払う自己負担額は、医療費の3割で、残りの7割は保険組合や自治体が負担します(条件により割合は変わります)。
保険薬剤師になるには
薬剤師の国家試験に合格したあと、勤務場所を管轄している地方の厚生局に保険薬剤師登録申請書を提出し、登録する必要があります。
登録完了後は、保険薬剤師として保険薬局で働くことができます。
保険薬剤師の登録申請について
保険薬剤師登録が必要なのはなぜ?
保険薬剤師になるには、健康保険法第64条の規定により、保険薬剤師の登録が必要になります。
第64条「保険医療機関において健康保険の診療に従事する医師若しくは歯科医師又は保険薬局において健康保険の調剤に従事する薬剤師は、厚生労働大臣の登録を受けた医師若しくは歯科医師(以下「保険医」と総称する。)又は薬剤師(以下「保険薬剤師」という。)でなければならない。」
保険薬剤師の新規登録方法
- 申請
「保険医・保険薬剤師登録申請書」と薬剤師免許証の写しを地方厚生局に提出します。 - 登録票の交付
書類に問題なければ登録票が送付されます。 - 指導監督のための必要書類の提出
- 新規指定時指導(研修)を受講
新規登録時は必ず受講が必要となります。
保険薬剤師の新規登録以外の申請
- 再交付
登録票を紛失した場合は、「保険医・保険薬剤師の登録票再交付申請書」を地方厚生局に提出しなければなりません。
棄損した場合も同様です。 - 異動
異動により、当初登録済の地方厚生局の管轄から離れる場合は、「保険医・保険薬剤師管轄地方厚生(支)局長変更届」を提出しなければなりません。
その際、変更前の地方厚生局に提出となります。 - 氏名変更
結婚等により、氏名が変わった場合は、「保険医・保険薬剤師の氏名変更の届出」を提出しなければなりません。
こちらも提出先は地方厚生局です。
保険薬剤師が働ける場所
保険薬剤師は、保険調剤薬局以外の薬局でも働くことが可能です。
保険医療機関や保険適用がない調剤薬局、ドラッグストアでも働くことができます。
保険調剤薬局以外の薬局では、保険適用がない調剤や医薬品の服薬指導、患者さんの薬の相談などを同じように行います。
まとめ
本記事では、保険薬剤師と呼ばれる職業に焦点を当て、その仕事内容や登録方法について、詳しくまとめてみました。
これから薬剤師になる人や、保険調剤薬局で働こうと考えている薬剤師の参考になればと思います。
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