【保健師は将来なくなるの?】保健師のしごとはAIに奪われるのか
高校生のころ、身近な人が病気になってつらい思いを経験した先輩がいました。
病気について調べていくうちに、予防医療という言葉を知りました。
そして、予防医療に貢献できる保健師という職業に興味を持つようになりました。
先輩は保健師について調べていくと、就職は狭き門と書かれているネット記事をみつけたそうです。
せっかく興味をもった保健師の就職は難しいのか。
就職したとしても、将来性はどうなのか。
AIにしごとを取られないだろうか。
保健師以外の医療従事者への道はどうなのか。
保健師やそのほかの医療従事者のしごとに興味を持った方へ、いったいどんな職業なのか、将来性はどうなのかをお伝えしたいと思います。
1保健師とは
保健師ってどんな職業?
保健師は、おもに病気になる前の“予防”にたずさわり、人々が健康に生活を送るためのサポートをおこなう職業です。
保健師助産師看護師法によると保健師は以下のように定められています。
保健師助産師看護師法
第二条 この法律において「保健師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保険指導に従事することを業とする者をいう。
引用:厚生労働省 保健師助産師看護師法(昭和23年07月30日法律第203号)
保健師がはたらく場所は?
保健師ははたらく場所ごとに分類されます。
- 行政保健師
- 産業保健師
- 学校保健師
- 病院保健師
行政保健師
・地域の保健所や保健センター、地域包括支援センターで勤務する保健師。
・公務員として勤務する。
・就業場所別にみると54.8%と最も多い。(厚生労働省 令和2年衛生行政報告例)
産業保健師
・民間企業で働く保健師。
・企業の社員の健康管理や保健指導などをおこなう。
学校保健師
・小学校、中学校、高校、専門学校などではたらく保健師。
・学校の生徒や教職員の健康管理をおこなう。
病院保健師
・病院やクリニックなど医療機関で働く保健師。
・病院保健師はおもに健診センターに所属し、患者さんの健康指導や退院後の保健指導などをおこなう。
2保健師は将来なくなるのか
保健師の将来性
成人病・生活習慣病の増加や高齢化による医療費の増大が懸念されている背景もあり、国をあげて予防医療に取り組む時代になりました。
社会の関心も高まっており、保健師への期待も大きくなっています。
また、保健師は活躍の場が広いです。
保健師は将来性のある仕事といえるでしょう。
AIにしごとを取られない?
AIとは人工知能「Artificial Intelligence」の略称で、人間の知的行動を学習させ、人工的に再現するものです。
大量の情報を高度に分析する力を持ち、人間より早く答えを導き出すことができます。
オックスフォード大学が2014年に発表した論文によると、20年後までに人類の仕事の約5割がAIないしは機械によって代替され、消滅すると予測されています。
せっかく手にした保健師のしごとをAIに取られてしまうのは困りますよね。
でも、保健師のしごとはまだまだAIにはむずかしい領域だと思われます。
たとえば、健診結果などの分析についてはAIが高い精度で、かつスピーディに処理できるため、効率化が図れることは間違いありません。
しかし保健師のしごとで重要なのは、「AIが分析した内容をどのように伝えていくか」ということです。
保健師はAIの分析した検診の数値や結果を、そのまま受診者に伝えるのではありません。
受診者の持病や生活習慣などの背景を考慮したうえで信頼関係を築きながら、AIが分析してくれたことをもとに伝えていきます。
健康診断の結果が良くなかったとき、指導をしてくれた保健師の言葉に救われた人もいると思います。
保健師の持つ、コミュニケーション能力が必要とされる技術はAIに真似することはできないでしょう。
3保健師資格の取得には看護師資格も必要
看護師も保健師も国家資格になります。保健師の資格を取得するためには、看護師と保健師の両方を受験して試験に合格する必要があります。
保健師の資格だけを先に取得することはできません。
看護師の資格取得方法
・看護師国家試験に合格し、看護師免許を取得する必要があります。
・国家試験を受験するには、専門教育を受ける必要があります。
・おもに3つの方法があります。
①高校卒業後、看護大学・看護短期大学・看護専門学校で4年または3年の専門課程を修了する。
②中学卒業後、5年一貫の看護師養成課程のある高校で専門課程を修了する。
③准看護師資格取得後、看護短期大学・看護専門学校で2年の専門課程を修了する。
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保健師の資格取得方法
・保健師国家試験に合格し、保健師免許を取得する必要があります。
・国家試験を受験するためには、専門教育を受ける必要があります。
・おもに2つの方法があります。
①看護師国家試験に合格後、保健師の養成学校を経て、保健師国家試験を受験する。(看護師資格を既に持っており、さらに保健師資格を取得したい場合の方法)
②4年制大学の看護学部あるいは4年制の看護専門学校などを経て、看護師国家試験と保健師国家試験を同時に受験する。(不合格の場合は、翌年、再度両方を受験する。もしくは看護師国家試験→保健師国家試験の順で別々に受験する。)
4保健師以外の選択肢
保健師資格以外の資格を取得しておくことで、就職・転職が有利になったり、スムーズにキャリアアップができたりします。
産業カウンセラー
おもに企業で働く社員に対し、心理学療法を用いてカウンセリングを行う。一般社団法人日本産業カウンセラー協会が運営する資格。
健康運動指導士
健康の維持・改善のために、安全かつ適切な運動プログラムを提案・指導する。財団法人健康・体力づくり事業財団が運営する資格。
養護教諭免許状
いわゆる保健室の先生になるために必要となる国家資格。
第一種衛生管理者
常時50人以上の労働者がいるすべての業種の事業所において、専属衛生管理者となれることを証明する国家資格。
また、保健師や看護師以外にも医療に従事する職業はたくさんあります。
医師
歯科医師
薬剤師
助産師
准看護師
理学療法士
作業療法士
視能訓練士
言語聴覚士
義肢装具士
歯科衛生士
歯科技工士
診療放射線技師
臨床検査技師
臨床工学技士
就業あん摩マッサージ指圧師
就業はり師
就業きゅう師
就業柔道整復師
救急救命士
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まとめ
1保健師とは
人々が健康に生活を送るためのサポートをおこなう職業です。
2保健師は将来なくなるのか
活躍の場が多くAIにも代わられない、将来性のある仕事といえるでしょう。
3保健師の資格取得には看護師資格も必要
看護師も保健師も国家資格になります。保健師の資格を取得するためには、看護師と保健師の両方を受験して試験に合格する必要があります。
4保健師以外の選択肢
保健師資格以外の資格を取得しておくことで、就職・転職が有利になったり、スムーズにキャリアアップができたりします。また、保健師や看護師以外にも医療に従事する職業はたくさんあります。
結論から言うと、将来保健師は必要とされるしごとであるため、無くなることはないでしょう。近年話題にのぼる、AIにしごとを奪われることもないでしょう。
AIに負けない、魅力的な保健師になるために、日々研究しコミュニケーション能力を上げていくことが大切になりますね。