「訪問診療の将来性」在宅医療の需要拡大に伴う転職への準備

医師の皆さん、これから先、どのような働き方を希望されますか。

日本は、更に超高齢化社会を迎えますね。

厚生労働省によると、2025年には65歳以上の高齢者は約3500万人となります。

国民の3人に1人が高齢者、そして5人に1人が75歳以上の後期高齢者となる時代です。

数年前には予想もしていなかったコロナ禍は、5類となった今も、まだ感染者は絶えません。

感染者数がピークの時には、受診をすることもできませんでした。

往診やオンライン診療などを、健常者もが利用する予測外の出来事が起こりました。

医療従事者が医療機関での診療だけでなく、在宅医療のニーズにいかに応えていくのか、大きな問題となっています。

これからの医療は、訪問診療の役割が更に重要となります。

訪問診療の仕事とは

「訪問診療」と「往診」、これらの2本柱が在宅医療です。

在宅医療は、医療を必要としているにも関わらず、身体機能の低下や重度の障害などにより医療機関への通院が叶わない患者さんが対象となります。

また、最期の時をご家族と自宅で過ごしたいという患者さんや、ご家族の想いを叶える方法でもありますね。

在宅医療である「訪問診療」とは

定期的、計画的に患者さんの自宅を医師が訪問し、診療を行う医療サービスのことです。

通常、訪問診療を専門に行うクリニックや、訪問診療チームを持った病院が実践します。

患者さんの病歴や病状、身体機能や生活能力、患者さん自身とそのご家族がと一緒に計画を立てることから始まります。

治療を受けながら、どのように自宅で過ごしていきたいか、情報を元に診療計画をたてます。

病院と同じく、歯科医師、薬剤師、理学療法士、看護師などがチームとなり、そのサービスは多岐に渡ります。

急変時の対応から、近隣の病院への紹介まで、また看取りまでも重要な役割となります。

在宅医療もうひとつの柱「往診」

往診とは、通院できない患者さんの要請を受けて、医師がその都度診療を行うことです。

突発的な病状の変化に対して、救急車を呼ぶほどでもない場合など、かかりつけ医に依頼をして診察に来てもらうことです。

在宅医療の取り組み

在宅医療の患者数と在宅療養支援診療所、病院の届出数との相関関係

画像引用:厚生労働省 第2回在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ

この2つの表より、在宅療養支援診療所は増加傾向できていましたが、近年は概ね横ばいとなっています。

それに対して、在宅療養支援病院増加傾向となっています。

従来型在支病と機能強化型在支病についての違いは、以下の表をご参照下さい。

すべて、緊急入院が必要となった場合の病床を確保する、受け入れ体制が整えられています。

病院との連携があっての在宅医療ですね。

今後は更に、患者さんと医師にとって、安心して治療や生活ができる体制が強化されるような取り組みが行われていきます。

訪問診療を担う在宅医療専門医

最新の医療は、臓器別や細分化の治療が求められています。

臨床研究や新薬、治療方法に至るまで、日々急速な進化を続け、私たちの治療の選択肢を広げています。

今、最先端の専門的治療がある一方、地域との関わりを重視し、総合的な診療能力を有する総合診療医が注目されています。

関連する資格として、在宅医療専門医が重視されてきています。

在宅医療医の役割は、

複数の疾患を持つ患者特に高齢者を診療できること

在宅医療、地域医療を担えること

・問診と身体診察を武器に診療できること

・患者の相談に乗り、適切な情報を提供できること

などが挙げられます。

1人の患者さんが持つ複数の疾患や状況と、患者さんとその家族の望みを、総合的に診るということですね。

気になる診療報酬は

2022年度の診療報酬改定されました。

在宅医療として新設されたものは、以下の3つです。

・外来在宅共同指導料

・在宅療養支援診療所以外の診療所の訪問診療に対する評価

・小児がん患者さんの在宅がん医療総合診療科における小児に係る加算

在宅診療は、病院や診療所とは保険点数が異なります。

ちなみに、病院と診療所の初診料は、同額の288点となっています。

画像引用:厚生労働省 令和4年度診療報酬改定の概要 在宅

開業におけるポイント

在宅療養支援診療所の届出を行っていない医療機関でも、在宅診療を行うことは可能です。

とはいえ、在宅診療支援診療所の場合は、算定できる診療報酬の点数が高くなります。

本格的な在宅診療を行う医療機関では、届出の検討が必要ですね。

届出を行うには、まずは24時間対応可能な体制を整えることが必要です。

また、訪問看護ステーションや介護支援事業所との連携が必要となる可能性もあります。

開業を決めた際は、ご自身のライフプランと照らし合わせ、届出を検討してください。

在宅医療を担い手の中心は、60代、70代が現状です。

24時間365日勤務という、働き方改革からは程遠い世界です。

都市部では若い世代の医師が何人か集まり、交代制で24時間対応する在宅専門クリニックが増えています。

しかし、全国的にみれば、まだほんの一部というのが現状です。

まとめ

これまで勤務医として入院患者さんを診察されていた方は、在宅医療へ変更により、仕事が大きな変わることはありません。

医療の現場が、在宅へと変わることだけです。

もし、外来の患者さんで通院の困難な方がいるのであれば、少しずつ在宅を進めてみることもお勧めします。

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じっくりとご自身の希望条件をお伝えして、よりよい転職活動に繋げましょう。

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これからの医療を支える医師の皆さまが、より充実した仕事ができますことを応援しています。

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