医療メーカーへの転職は可能?企業での働き方と年収イメージも紹介

「医師が病院以外で働くことってできるのかな」

「医師として、より世の中の役に立つため研究したい」

「医師のノウハウを活用して企業を通じて世の中に貢献したい」

医師は、人々の健康維持や人命の救助など、社会インフラ・ライフラインとして重要な役割を担っています。

しかし、エッセンシャルワーカーである医師の方の力を借りたいと思っているのは病院だけではありません。

というのも、医療機器メーカーをはじめとした一般企業ではSDGsや健康経営、健康寿命年齢といったキーワードがトレンドになっています。

SDGsでは、地球に優しく、世の中の人々の生活がより豊かで幸せなものとなるような取り組みが求められています。

また、健康経営は「従業員は企業にとって最も大切な資源」という考えのもと、従業員が健康で、いきいきと働ける職場環境の整備を進めることが推奨されており、企業の重要な経営戦略の一つとなっています。

このように、SDGsや健康経営の視点で捉えても、医師のスキル・ノウハウは今後さまざまな場所での活躍がますます期待されています

この記事では、病院で患者さんと直接向き合う以外の選択肢との一つ、企業人としての医師の働き方について調べてみました。

企業の産業医として働く

産業医とは、企業に勤務する従業員等に対して、医学的な立場から健康管理などについて指導やアドバイスをする医師のことです。

従業員数の多い企業には、産業医の選任が労働安全衛生法で定められています。

産業医は、従業員が健康的に安全に働くことができているかをサポートすることが主な役割です。

そのため、普通の医師とは異なり、治療や診断は行いません。

健康診断及びストレスチェックの結果、長時間労働などの就業実態などから、健康に関するアドバイスや相談に乗ることがメインの仕事になります。

また、健康経営を推進する企業においては、従業員の健康増進に関する施策の検討やプロジェクトへ参加することなどもあります。

産業医の働き方

産業医としての働き方には、大きく2種類あります。

種類勤務先の規模勤務日数勤務形態
嘱託産業医小〜中規模月1回〜非常勤(アルバイト)
専業産業医大規模週4〜5日常勤(正規雇用)
産業医の働き方の種類

嘱託産業医は労働者数は50名以上1000名未満の企業に1人設置することが義務付けられています。勤務形態は非常勤(月1回)になります。

嘱託産業医は週に1回~数回の訪問するイメージなので、アルバイトとして勤務する医師も多いです。

一方、専属産業医は従業員1,000名以上の企業には1人、3,000名以上の企業には2名以上設置することが義務付けられています。なお、一部の危険物を扱う企業は500人以上から専属産業医の設置が必要です。

専属産業医は、従業員の勤務形態に近く、企業のルールに沿った形になります。そのため、9:00~17:00など決まった時間帯で、週4~5日勤務するという勤務形態が一般的です。

産業医の年収は?

専属産業医の収入は勤務する企業の規模や地域にもよりますが、概ね週4~5日勤務で年収1,000~1,500万円が相場です。勤務医とほぼ同等の年収を得ることが可能と言われています。

なお、中には週3勤務で年収750万円以上というような募集もあれば、働き方によっては年収が2,500万円になることもあるようです。

産業医は自分のワークライフバランスに沿った柔軟な条件で勤務先を探すことができそうです。

医療メーカー等の研究開発部門で働く

少子高齢化が進んでいる日本では、予防治療や福祉向けの医療機器の需要拡大を追い風とし医療機器メーカーや製薬の市場も成長・拡大が見込まれます。

医療機器メーカーは、内視鏡やMRIをはじめとする「診断機器」や、透析器や手術用機器などの「治療機器」など幅広い医療機器を製造・販売しています。

医療メーカーでの働き方

医師としての知見・ノウハウを活用すれば、医療メーカーの中でも研究や開発等を行うことで大きな貢献ができるでしょう。

特に、医療メーカーの臨床試験等に携わることが期待されます。臨床試験は人に対する試験なので、医師視点での安全性に関するアドバイスはとても貴重です。

また、利用者としての医師の視点から商品の使い心地についてフィードバックすることや、取引先となる病院とのコミュニケーションにも大きな役割を示すことができるでしょう。

医療メーカーの年収は?

医療メーカーの研究開発職は、企業の規模や、業種、年齢にもよりますが、平均年収は450万〜600万円前後で、マネージャーレベルでは約800万〜1,200万円、ディレクターになると約1,200万〜2,000万円ほどの年収が見込めます。

また、外資系企業であれば、さらに年収が1.2〜1.5倍上がることもあります。

研究医として働く

研究医は大学や企業・研究機関において研究を専門に行う医師のことです。

実際に患者さんと接することなく、研究資料の収集や、データ分析、顕微鏡等の装置を使った解析、論文作成等を行うことが主な仕事内容です。

病気や症状の原因を解明することで、これまで治療が難しいとされていた病気や症状に対して、有効な治療方法や医薬品を新たに開発し、将来の患者さんを助けることが大きな目的です。

研究医の働き方

厚生労働省による職業情報提供サイト『job tag』によると、研究医の平均労働時間は月間で164時間です。週休2日で月に22日働くと仮定すると、1日の労働時間は7.4時間程度です。

一方、厚生労働省が発表した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、医師の一週間あたりの平均労働時間は47時間ですので、月間で188時間(1日当たり8.5時間程度)と研究医は勤務医に比較すると比較的労働時間は短いことがわかります。

研究医の年収は?

『jobtag』によると、研究医の平均年収は703.9万円でした。

一方、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2019年)の「(表3)職種・性、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」によると、勤務医の平均年収は、男性医師が1,646.6万円、女性医師が1,395.7万円ですので、臨床勤務医の年収より低くなる傾向にあります。

研究医は勤務医と比較し、給与も低い一方、勤務時間が短い傾向があることから、非常勤やスポットといったアルバイトと組み合わせる働き方をする方も多いようです。

転職活動を本格的に検討するなら、転職エージェントの活用がおすすめ

一般企業等への転職を本格的に検討するのであれば、医師専門のキャリアアドバイザーに相談ができる『民間医局』がおすすめです。一般の病院だけでなく、メーカー企業や産業医の募集なども多く掲載がされています。

医師専門の転職サイトのため、常勤の求人数は16,000件以上と豊富に登録があります。

また、定期非常勤(医師向けのアルバイト)の求人情報も8,000件近くの登録があるため、スポット勤務による年収アップを目指す方にもおすすめです。

医療専門のアドバイザーによる手厚いフォロー

民間医局では、一人ひとりの希望に合わせた情報収集やオーダーメイド求人の提案を行ってくれます。

医師転職のプロのアドバイザーが無理に転職を勧めるのではなく、個人のライフスタイルに最適な環境は何かを一緒に考えてくれますので、安心して転職の相談が可能です。

また、医師転職の専門エージェントが採用面接に原則同行してくれます。条件交渉や辞退の連絡など、直接言いづらいことはエージェントにお任せできるのもポイントです。

全国の拠点にエージェントが常駐

全国17ヶ所に拠点を構える民間医局の強みが地域密着です。地域在住のエージェントが医療機関を日々訪問して情報収集しているので、大都市以外でも求人数が豊富です。

Uターン・Iターン転職や遠距離への転職などでは、各拠点に在住しているエージェントが連携してサポートしてくれます。

そのため、その地域に実際に住んでいるエージェントだからこそわかる生活環境なども合わせて相談に乗ってもらうことができます。

まとめ

以上、医師の病院以外の勤務先についてご紹介しました。

医師の働き方もどんどん多様化しています。

産業医であれば、従業員の健康を管理し、より働きやすい環境を整備することで、健康面から企業経営をサポートすることができます。

医療メーカー等の研究開発部門であれば、企業人として新たな機器開発により、より多くの人々を幸せにし、社会貢献することも可能です。

また、研究医として難病の研究して、将来の多くの患者を救う使命があるような素敵なキャリアもあります。

病院以外の働き方について、自身のキャリアも踏まえて考えてみてはいかがでしょうか。

自身に合う働き方があるか、どんな募集があるのかを転職サイトで確認することも大切です。その他の医師転職サイトが気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。

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