看護師の給料として【割りに合わない】と感じた時にできる行動集

看護師さんって、いつ休んでいるんだろうと気になりませんか?
筆者の家族が入院したときも、真夜中なのに、看護師さんにナースコールを掛けるとすぐに返事が返ってきます。
こんなに頑張っているのに、お給料が思ったほど高くないとかテレビで言われたりして、本当のところ、看護師さんは何を感じて考えて働いているのだろう、と疑問に思っていたある日、同じアーティストのファンである、いつもお世話になっている看護師さんとランチに行く機会があり、そこで、衝撃の実態に出会いました。
看護師の皆さんの主張にぜひ耳を傾けて下さい。
Contents
看護師にランチインタビューする機会に恵まれました


筆者には看護師の知り合いが結構います。
その中でも、いつもお世話になっている方から色々と有意義な話を聞くことができましたので、今回はそこから見えてきたことをメインに、給料が【割りに合わない】と感じた時にできる行動集を実例やデータを交えて、いかに看護師として幸せに生活できるかを考えてみます。
看護師の友人と久しぶりにカフェで会って絶叫された昼下がり
まず、この友人は筆者が通っている病院の、整形外科に勤める病棟看護師で、週に1度だけ、外来に来て、通院時は病気の知識や体操などを教えてくれる人です。
年齢は40代後半で、息子が2人います。お互いのプライベートの予定が合ったので、カフェに行き、最初は共通の推しのアーティストの話や、最近どう?的な普通の話をしていました。
しかし、途中で今の仕事、特に給料の話をしたところ、驚くほどに絶叫したのです。
お互いの仕事の隣の芝生感はあまりにも違いすぎるわけでした
言われてみれば、仕事の大変さに比べてお給料はどうなのかって思ったことがあるのは確かです。
筆者は、普段はゴルフ場で働きながら、ライターをしています。
ちなみに独身、子なしで両親と同居です。
職場に朝7時に出勤して15時に帰宅、19時ぐらいまでが家事や夕食の時間で、ライター仕事は22時まで。
本業はシフト制ではあるものの、完全週休2日制で、比較的定時に起きて、自分の都合で寝ることができます。
給料に関しては本業がちょっと厳しい故にライターをしているくらいなので、まぁ、そのくらいかな?と思っていただければ認識としては合っていると思います。
対して、病棟看護師の彼女の場合、話を聞く限りですが、週に1度の外来勤務以外は二交代勤務で、1回あたりの夜勤から日勤(またはその逆)で、上がりの時間までが16時間オーバー。
夜勤の時間帯に仮眠が取れれば良いのですが、そんな事はあり得ません。
精神的に不穏の方がいれば、ナースコールで呼ばれ、息つく間もなく徘徊する癖のある人がベッド下のシートを踏めば、これまたナースコール。
更に定期の巡回があって、おそらく朝までぐっすり寝たなんて言う事はほとんどないと容易に想像はつきます。
あまりに心配になったので聞きました。
辞めたいと思った事は無いですか?これがあれば頑張れるものは何ですか?
と聞いたところ、彼女の答えとしてですが。
「辞めたいと思うことはもう何度もありました。ただ、普通の一般企業に勤めてる人からしたら、お給料は専門職で、それなりに頂いているとは思うし、あなたからしたら、贅沢言うな、と言うかもしれないけれど、言うならば【健康前借り手当】が欲しいです」という答えに驚きました。
彼女が言うには、病棟内の冷蔵庫に朝、目一杯、補充したエナジードリンクにコーヒーが夜までにほぼ無くなるとのことです。
夜勤の時は寝たらいけないから、どうしてもカフェインを取りがちになり、究極はタバコ吸わずにいられないから、そのぐらいの手当ては欲しいくらいです、との答えでした。
それだけ頑張ってたら確かにそう思います。
うっかり居眠りで医療事故、看護師だけでなく、医師も患者も皆、怖いですし、避けたいものですからね。
ただ、それに対して、彼女の喜びは、健気で小さなものです。
「退院していく患者さんを見ると、わたし頑張ったな今日も、とは思うの。見てて嬉しい光景だし。あとは、きちんと顔を見せてくれるべき患者さんが来てくれることかな。」
まさか、それだけが救いなのでしょうか?
割りに合わないとは思っていませんか?辛くはないのですか?
答えは「どうしても辛いなって思う時はあります」聞いていて、それはどうなのかな、と思わずにはいられませんでした。
何より、『割に合わないって思うのは、一生懸命気を張って仕事をした後でも、楽しいプライベートや、子供との時間が殆どないこと』ということで、これでは未来の親子関係にも影響するのではないでしょうか?
やっと取れたプライベートも弾丸みたいにその日の朝にLINEしまくって、友達に会える(または息子とゆっくりご飯を食べられる)確率は10分の1くらい。
今日も奇跡ですからと言われました。
以下、彼女が絶叫した部分を括弧書きで原文のまま紹介します。
言葉遣いが少々荒いですが、感情表現としてですのでお許しください。
プライベートなんて夢!勝ち取るために必死にしている事がありました
「私たちの推しのB’zはね、アンタも分かると思うけど、半年前位からライブやるよーって言ってくれるじゃない?そのぐらい前に話してくれて、私はやっと休みを貰えるわけなの!」
「先輩、後輩、受けれる仕事は全部変わって受けて、更に上司に根回しするの!息子の高校受験、大学受験もそうだった。B’zのライブの許可取るより大変だった!」
「だって、『子供なんて皆いるのよ、あなただけじゃないのよ、って。』アンタにこの大変さ分かる?」
と絶叫しながら、カフェでポロポロ涙をこぼされた日には、そうなのねぇとしか言いようがないです。
これが、看護師をしている、ある女性の実情なのです。
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これだけ言われたら調べずにはいられない【看護師の給料とプライベート】


看護師としての、これだけの大変な事情を知ってしまうと、やはり、筆者としても、考えてしまいます。
できることなら充実した生活を送りたいのは誰もが同じはずなのに、誰かに皺寄せが行く世の中というのはおかしいのではないかと感じました。
そこで、ここからは、彼女をはじめ、看護師として働く皆さんの実態を厚生労働省のデータなどを参考にしながら、紹介していきます。また、一般企業に働く方々にも協力いただき、給料とプライベートの関係を比較してみました。
厚生労働省は現在このような声に対して様々な対策を講じています
その中からいくつか紹介します。参考にしていただければ幸いです。
- 「いきいき働く医療機関サポート(いきサポ)」:医療機関が働き方改革に取り組むための情報提供や相談窓口を設けています。
- 看護職員の離職防止・定着促進のための合同研修会:医療機関の管理者向けに、離職防止や、定着促進のための研修会を実施しています。
- 労働時間管理の徹底:短時間正職員制度、フレックスタイム制、夜勤専従制度など、多様な勤務形態の導入を支援しています。
- 院内保育所の整備:院内保育所の整備や勤務時間外でも利用できるシステムの構築などを支援しています。
- メンタルヘルス対策:「こころの耳」看護師のメンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な形を提供するための対策を促進しています。
現場の声をアンケート形式で回答していただきました
この章では現場の皆さんが何を考えているのか、どう思っているのかをアンケート形式で回答して頂いています。
主に、給料などの金銭面や仕事上のストレス、また給料として「割に合わないこと」について聞いてみました。
特にプライベートについては他業種の皆様にもご協力いただき、看護師の皆様と、どのように感覚が違うのか、比較したのが以下のアンケート結果です。
現在の給料に対してどう考えてますか?差し支えない範囲でお答えください。
看護師の給料
年収519万7,000円
月収 36万3,500円
参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より作成
とはいえ、人それぞれ、言い分はあるわけで、冒頭の彼女が言うには『そんなにもらってません!』でした。
また、ある町の筆者の趣味仲間の60代を前にした看護師3人組には、
『データを出されたら、そうです。ありますよ。』
『ただ、あればあるなりに出ていくもの(まぁ税金です)も多いのは知っているでしょ?まさか、生活楽してるなんて思っていないでしょうね?』
…ですよね(筆者、もう小さくなるしかないです)。
今回、資料ばかりでは実地の声が伝わりにくいと考えました。
そこで、筆者にはありがたいことに、看護師の知り合いが多いので、実地リサーチで15人に聞いてみました。
主なボリュームゾーンは50代前半、最低年齢24歳、最高年齢58歳です。
ほぼ、上記のふたつに分かれ、50代後半になるにつれて、給料はあるけれど出るもの(税金)も多く、最低年齢に近づくにつれて、給料自体が平均以下だと答える人が多かったのです。
収入のうち、プライベートに当てられるお金を教えてください。
Yahoo!とGoogle、Safariで検索したところ、一番に出てくるのはいずれも似たような、以下の文面でした。
勤務先や勤務年数、地域によって異なりますが、手取り収入のうちの生活費(家賃+水道光熱費+食費)。
子供がいれば、学費と後10〜20%くらい、有事のための貯蓄に充てるとする。
あまり大きな声ではいえませんが、プライベートに当てられるお金はそんなにないのが実情です。
冒頭の絶叫した彼女にも聞きましたが、過日のB’zのライブの4日間全てに参加する人の気が知れないと言っていたくらいで、彼女も今回は仕事が忙しいのと金銭面で、行けなかったとのこと。
仮に当たっても2公演が限界(32,000円)です。
子供がいたら生活が崩壊します、とまで言われました。
(ちなみにこの6月に行われたB’zの対バンライブは通常のS席が16,000円×4日でしたので、全てに参加したら64,000円になります。)
一人暮らしの人の家賃くらいです、と言われたら、確かにそう思います。
そこで、ここからは、看護師の皆様の声を集めてみました。かなり切実な声が聞こえてきます。
プライベートと言われて、思いつく事を教えて下さい
これは私自身、一般企業に勤務していても思うことも多く、また今回のインタビューの彼女や、知り合いなどからも聞く、プライベートの感覚です。
結構シフト制の業界(接客業など)にも当てはまるなぁと感じました。とは言え、看護師の皆様の過酷さからいけば、まだ良いのかもしれません。
- 曜日の感覚の喪失:今何曜日だっけ?なんてよくあることです。休みの日にうっかり出勤しそうになります。
- 家族や友人と予定が合わないことがある;遊びの予定を立てる側から勤務先からスケジュール変更を求められて、無くした友情、数知れません。
- 「連休」の価値:2連休があると、旅行に行くなど貴重な休日の使い方をします。
- 医療ドラマへの反応:医療ドラマを見て、内容にツッコミを入れたくなります「あれは理想よ!」
- 健康相談:家族や友人から健康の相談をされることが多いですが、考えたくないんです。
- 特有の感覚:自宅にいるのにナースコールやモニターの音が聞こえるように感じて、怖いです。
- 帰って寝るだけ。そんな余裕はない:はい、そのとおりです。返す言葉もございません。
- 家庭とのバランスが崩れないように必死:だけど、周りがわかってくれない。理解してくれる人いませんか?
究極これに尽きるのではないでしょうか。
一般企業に勤務していたら、ほぼ出ない単語の羅列で、執筆しながら、別世界にいるような気がしました。
いかに、看護師のプライベートが軽視されているのか実感します。
そこで、ある一般企業(スポーツ系接客業)の方々にも同じ質問をしました。
- 「アーティストの推し活」
- 「孫フィーバー中」
- 「娘とネズミーランド」
- 「外国旅行の計画」
- 「ゴルフの約束」
- 「ドライブ」
- 「ひたすら寝る」…?
ちょっと待って?
これ、看護師の口からは出ていないけれど、健康にとって一番必要なことではないですか?
なぜ、看護師の口からは出てこないのですか?
夜勤明けなんか一番眠たいはずなのに、まさか「ひたすら寝る」さえも罪悪感で言えないのだとしたら、もはや看護師としてではなく、人間として壊れているとも言えませんか?
給料に対して、割りに合わないと思うことは何ですか
よく聞くのが以下の話です。
ランチインタビューの彼女の例を挙げるまでもなく、このような声が上がってきます。
- 仕事内容、業務量拘束時間に対して割に合わない
- 経験や年齢に応じた昇給率が低い
- 残業代や各種手当を正当に受け取りにくい
- 業務時間外に研修勉強会へ参加することも多い
- 働く地域や職場ごとの給与差が大きい
上記のことから普通の人と比べて割に合わないと言う声も多いのが分かります。
また、働き方改革の名による残業時間削減目標などから、医療業界だけでなく、一般企業においても本来の残業時間を申告しづらくなっているとも言われています。
さらに、働く地域や職場においては人の命の重さは同じはずなのに、全国における最低賃金などの違いから、やはり不公平感を感じることもあるでしょう。
それでも命を預かる仕事ですから、時間です、というわけにもいかず、涙を飲む人もいるのではないでしょうか。
さらに、緊張を強いられる割りに睡眠時間が取りづらいわけですから、何が起きてもおかしくないと思いながら熟睡なんかできない筈で、普通の人でも夜中に救急車の音がしたら目覚めませんか?
それを24時間365日考えているとなると、気が狂いそうにならないのが不思議でたまりません。
仕事に見合った給料として、どれくらい、基本給で欲しいですか?
引用:公益財団法人日本看護協会「看護職の給与に関するデータ」
この表でもわかる通り、こんなに責任のある仕事をしていながら、平均値でこの給料では考えてしまいます。
せめて、普通の会社員くらい欲しいと言われるのもわかる気がします。
また、税抜き前の給料と、税抜き後の給料が意外と離れているのも気になります。
看護師として、少しでも幸せに生きるためにできることはありますか?


ここからはいかに元気に幸せな看護師ライフを送るためにできることがあるか、いくつか挙げてみました。ぜひ参考にしてみて下さい。
・目標を設定し、それを達成することで自己肯定感を高め、適切なストレス管理を行うことが大事です。
・趣味や運動を取り入れるのも効果的です。特に運動は健康維持やストレス解消にも役立ちます。
・良好な人間関係を築き、常に学び続ける姿勢を持つことが大切です。
・また、仕事とプライベートのバランスを意識し、自分の価値観に合った働き方を見つけることも重要です。
・自分の得意なことや強みを生かせる分野で働くことで、仕事の効率が上がり、やりがいを感じやすくなります。
・休息を優先するのも大事です。
・どうしても耐えられない場合には、違う病院への転職や、異業種への転職なども考えてみてもいいかもしれません。
まとめ


看護師だって、一人の人間ですから、元気に働いてくれた方が患者である私としても安心します。
ランチインタビューの彼女にも少しでも時間が取れるといいなと感じながら、無理はしないでねと伝えました。
ここまで、看護師の頑張りと給料に対する割りに合わない時に行動できることを書いてきましたが、少しでも、看護師として、人間らしく、幸せに生きるための手助けになれば幸いです。
そして、ときには、ひたすら寝るのも大事ではないでしょうか。